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とりあえず日々思ったことなんかをつらつらと。

 

86―エイティシックス―Ep.3 ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―

86―エイティシックス―Ep.3 ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―<下>

安里アサト:著
しらび:イラスト
I-Ⅳ:メカニックデザイン
電撃文庫


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3巻目です。
前巻で電磁加速砲型のレギオンの攻撃が始まったところで終了して、それに対抗するように人類側が動き出すというのがこの巻のストーリー。
基本的にギアーデ連邦での話を描いていますが、一応、他国の様子も若干ながら描かれるようになりました。
これまではサンマグノリア共和国とギアーデ連邦が描かれた国でしたが、この両国はレギオンの支配域を挟んで西と東に位置する国。互いに接してはおらず無線連絡なども届かないとされていました。ギアーデ連邦はレギオンと恒常的に戦いながら戦線を押し返してるので徐々に支配域が広がっている設定で、北と南にある国との連絡が取れているということで、今回の作戦は3国共同での電磁加速砲型破壊を目的とした作戦ということでスタートします。
いろいろ駆け引きみたいなのがあるようですが、上層部のそういったことはあまり描かれませんでした。
結果的に作戦としては3国共同でレギオンに対して陽動をかけること。シン達ノルトリヒト戦隊が電磁加速砲型に肉薄して打ち倒すこと。ノルトリヒト戦隊を回収するために連邦の戦線を電磁加速砲型が居るところまで押し上げることとなっています。
結果的に描かれるのはシン達の戦いであって、他は状況がこうなってますという感じに説明がある程度でした。
全体を描くと本が分厚くなるのは分かりますけれど、生存が1巻のおかげで明確になっているノルトリヒト戦隊よりも、他の部隊の戦闘とか描いた方が手に汗握る展開になったような気がします。
なんというかね、1巻目のラストにつながる話であるので、結局のところシン達は誰も欠けることなく生き残るのは保証されてしまっているんですよね。どんな強敵と戦っても彼らは死なない。
そして1巻のラストでレギオンの支配域が完全になくなったわけではないけれども、滅亡したサンマグノリアと連絡をとってレーナを迎え入れるようなことができている以上、電磁加速砲型も誰かが倒したということは分かる。じゃないとそんな余裕ないですからね。電磁加速砲型に首都やそれに次ぐ都市が狙われる事態で悠長なことはしてられないですから。
そこから逆算してしまったせいで、物語の流れ的なところは先読みができてしまい、ちょっと盛り上がりにかけてしまった感じは否めないかなぁと思いました。
といっても、作者さんこれ3作目。しかも1巻は完結することを前提に書かれた物語でそれの続編を無理やり書いているので仕方ないのかもしれないですね。

ストーリー的に読み応えが無い感じでしたが、その分、キャラクターの心情描写にはそれなりの力が入っていた感じでした。
シン以外の人物は、シンの心情を強調するための添え物的な扱いではありましたけれど、その分、主人公であるシンに集中はできる感じ。
86として、戦場で生きてきて、その人生は期間が限定されていた感じだった。その分、それが戦い一辺倒であったとしても色濃い人生を送っていたと言えるシンですが、連邦に救い出された結果、戦いの中に身を置いても未来というものを考えないといけないという事態に直面して困惑します。
未来、やりたいこと、長く続く人生、そういったものを考えられなくなっていたシンは、そういった会話になるたびに黙り込み、考え込み、今までの人生、生き方を否定することとして困惑します。
86の仲間たちとも思いを共有できずに孤立してしまう。
そのシンが戦いの結果、戦い終わって邂逅したレーナ(ただし、シンはレギンレイヴのコクピットからの音声のみなのでレーナはシンに気づいていない)の会話で目的というものをひとつ手に入れる。
その過程を丁寧に書いていた感じですね。
ぶっちゃけ、電磁加速砲型の脳になっていたキリヤとの戦いとか添え物でしかなかったような感じです。キリヤの台詞とか今後につながる重要な要素を割と含んでいるんですけれど、読み飛ばしちゃいそうなくらい。

本来はノリの良いバトルものを書こうとしたらしいですが、シンがこの巻のシンである限り、無理だったんじゃないのかなぁ。
未来見てないからなぁ。この巻を経てやっとそういうものが書けるようになったのではないかと考えました。
それと、決着がついたって感じてるのが、決着ついてないって突きつけられるの、読者としてはつらい。登場人物たちが気づいてない分つらい。
電磁加速砲型も今回苦労して撃退しましたが、また出てこないとは限らないですしねぇ…。

あ、ところで2巻の時に時間経過を僕気にしたんですが、ちょっと1巻を読み直してみて時間経過がどれくらいなのか判明してた。
1巻でスピアヘッド戦隊が最後の偵察任務にでて、最後にレーナとシン達が再会するまでに2年。
ということは2巻、3巻は士官学校時代を考えても1年かそこらしか経過してない感じですかね?
シンは年齢が高い感じの話し方をしますが、ふとした台詞が年相応に10代の口調になってるのが面白いですね。意図してるのかな?
まだ続巻はあるようです。あまり長くしないで綺麗な終わり方してほしい作品と感じています。
レギオンの生産ラインと基地を破壊して人類が地上の支配権を取り戻すのが綺麗な終わりなんでしょうけれど、そこまではまだ長いかな?
まずは1巻のラストを追い越すことですかね?

 

塩の街

塩の街

有川浩:著
白猫:イラスト
角川文庫


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図書館戦争等で著名な作家さんのデビュー作。
自衛隊三部作とよばれる作品の「陸」にあたる作品です。
もともとは第10回電撃ゲーム小説大賞受賞作で電撃文庫から刊行されていたのですが、単行本化を経て再文庫化。その時には他の自衛隊三部作に合わせて角川文庫からの刊行となった作品です。
当初の電撃文庫版には「wish on my precious」というサブタイトルがつけられていました。また、単行本化されたときにかなり改稿されたようで、また後日談が付け加えられていて、単行本の文庫版である僕が読んだバージョンでは当初の電撃文庫版では出てない人物が居たり、逆に登場しない人物が居るみたいです。
でも話の大筋は変わらずで、また後日談が読める分だけ、電撃文庫版よりはお得かな?

宇宙から飛来した塩化ナトリウムの結晶の柱が東京湾に落着し、それ以降、「塩害」と呼ばれる人体の塩化が問題になっているという設定です。
塩化した人はソドムとゴモラの街から逃げ出したロトの妻のように塩の柱になってしまうというもの。急になるのではなく末端から徐々になっていくという設定。
これにより、日本では何百万人と被害がでていて社会が成り立たなくなっているという世界で物語が始まります。

ストーリーはラブストーリー。
荒んでしまった社会にはじき出されてしまい、暴漢に襲われていた女子高生真奈と彼女を助けた元自衛官秋庭のラブストーリー。
前半は二人の前を通り過ぎる人たちの恋愛模様等を描き、無意識にお互い惹かれあっていたというところに落ち着くというはなしです。
世界と恋人どちらが大切かという究極の問いに対して答えを選ぶ真奈。それを振り切って世界の為に行動する秋庭ですが、秋庭の行動はそんなものの上を行って必ず帰るのが男の役割といわんばかりの行動となっています。
ハッピーエンドで、気持ちの良い終わり方。

僕が読んだ角川文庫版では後日談がありますが、これらは各登場人物にスポット当てたうえで、世界が復興していく過程をえがいた短編集になっています。
これの最後で幸せに暮らしている真奈と秋庭の姿が見れて、すごくお得な感じがしました。
読んでみるとアッというまに終わってしまう、それでいて引き込まれる素敵な作品でした。

物語とは関係ないんですけれど、解説を読んで知ったのが、著者である有川浩さんが女性であるということ。ずっと男性だと思ってました。
女性であると知ると、この話を書いたというのにすごく納得がいくんですけれど、書いてる作品が自衛隊が絡むとか、何故だろう…。

後、イラストは1点のみで、戦闘機のイラストでした。(笑)

 

アクセル・ワールド22 -絶焔の太陽神-

アクセル・ワールド22 -絶焔の太陽神-

川原礫:著
HIMA:イラスト
電撃文庫


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22巻です。
この巻では、七王会議の場でオシラトリ・ユニヴァースに対して加速研究会の隠れ蓑であったというのを把握したという事実を突きつけるという一大イベントが用意されており、読者もそのつもりで読み始めることになります。
その結果どうなるのか?というところでストーリー展開に期待がもてる巻でした。

まずは、オシラトリ・ユニヴァースの一員ローズ・ミレディーが接触してくるところから。
前巻で戦ったバーストリンカーでしたが、その1人が神獣級ビーイングと懇意にしていて、コンタクトをとってくるという話。ハルユキがメタトロンと懇意にしているのが特別な状態じゃないというのがここで開示されますが、やっぱり特別感は否めないよなぁという感じ。
ここで、オシラトリ・ユニヴァースの中にも、ホワイト・コスモスに疑念を持つバーストリンカーが居るという状態が発覚していきます。
彼女はブラック・ロータス同様、恵=オーキッド・オラクルと友好関係にあって、全損した彼女をどうにかしたということに疑問を持っているようでした。
そしてサフラン・ブロッサムという、災禍の鎧の事件の切っ掛けになったバーストリンカーを復活させたいと願っていて、それゆえにオシラトリ・ユニヴァースに居る。ただ、それがホワイト・コスモスの甘言であるかどうかの確認に来たという感じでした。
ハルユキ達の言葉から、ローズ・ミレディーはサフラン・ブロッサムの件はホワイト・コスモスの甘言であると確信したようで、これで、オシラトリ・ユニヴァースは内部から崩壊する可能性が出てくるなぁと思ったのですが…。

七王会議を経て、正体をばらされたアイボリー・タワー=ブラック・バイスがしらを切りとおすかと思ったら、割とあっさり正体を認めて戦闘に突入。ウルフラム・サーベラスを隠していて、その中にオーキッド・オラクルを格納した状態で能力を発動させて、また危険な無制限中立フィールドでの戦いに持ち込んでいきます。
アルゴン・アレイとの連携なんかに苦しめられますが、最終的にはアルゴン・アレイを倒すことには成功。
その代わり、ブラック・バイスの罠の中に王たちが囚われてしまい、神獣級ビーンイングである太陽神インティを召喚したオシラトリ・ユニヴァースの幹部プラチナム・キャバリアーによってニコを除く王たちが無限EKに囚われてしまうという事態になって終了という流れになっています。
割と手に汗握る展開が連続して、ドキドキしながら読めました。次の展開がどうなるのかというのが分からないというのは久しぶりだった感じがします。
それにしても、準備をしても準備をしてもその上を行くオシラトリ・ユニヴァース=加速研究会って半端ないなぁと思いながら読んでました。
しかも今回、実質2人で七つの神器のひとつの力があったとは言え、6人の王と戦って勝ちを収めるというのはすごいなぁと感じました。まぁ、卑怯な手ではあるのですが。

プラチナム・キャバリアーがオシラトリ・ユニヴァースが総攻撃を受けたとしても、レギオンを抜けようとするメンバーは1人もいないと自信ありげに言うシーンがあるのですけれど、それが冒頭に書いたローズ・ミレディーの思惑とは矛盾するように感じ、疑問に思いました。プラチナム・キャバリアーの自信はどこから来るの?という感じで。なぜ、オシラトリ・ユニヴァースを抜けようと思うバーストリンカーが居ないと断言できるんだろうという疑問がわきます。実際、ローズ・ミレディーなんかは抜けそうな感じであるのにです。
プラチナム・キャバリアー自身は加速研究会というかブラック・バイスを良くは思っていなさそうですが、ホワイト・コスモスには絶対の忠誠心を持っていそうな人でした。
そして、なんか哀愁が漂ってるんですよね。あきらめみたいな。加速世界に対する恨みのようにも感じました。
それが、ホワイト・コスモスの人員を結び付けてるものなのかなぁとか考えているのですがどうなんですかね。
その辺が今後、どう展開していくのかがカギになっていきそうです。

次は、まず無限EKに囚われた王たちを助け出す話からですかね。
太陽神インティをどう討伐していくか、グラファイト・エッジでは手も足も出なかった相手に、王たち抜きでどう戦っていくのかが見どころなんですかね?
なかなか、話の終わりを見せてくれませんね。
ブラック・バイスの上を行かないとまずは無理だよなぁと思うのが、苦しいところ。攻略しようとしたら、出てきそうですし。ブラック・バイス。
いろいろ伏線は残ってますから、それを徐々に回収しながら戦っていくんですかね?
どうなるかが楽しみです。

 

Re:CREATORS NAKED2

Re:CREATORS NAKED2

広江礼威:著・イラスト
サンデーGXコミックススペシャル


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2巻です。

1巻を読んだときには気が付かなかったけれど、アニメ版と大きく流れが違うシーンがあった。
ちょうど、1巻のラストと2巻の冒頭が入れ替わっている感じ。
颯太がアルタイルの正体と創作者であるシマザキセツナを知っていたと皆に伝えるシーンは、アニメではメテオラのチャンバーフェスの提案の前に挿入されており、また主だった関係者全員の前で告白するというシーンになっていました。
対して、NAKEDではメテオラが1巻のラストでチャンバーフェスの提案を行った後、2巻の冒頭からチャンバーフェスの準備の最中に松原個人に対して行うという形になっていました。
颯太の心情を考えれば、皆の前で懺悔という形で話すよりは、話しやすい大人である松原に対して話をするというのは自然な感じではあるとは思いました。
ただ、話としての盛り上がりはアニメの方が盛り上がるでしょうし、颯太の覚悟というか懺悔を劇的に表現することができるなと感じました。反面、松原に対して懺悔の告白をするというのは、劇的ではないですけれど静かに物事を訴えるという意味あいで、重いものを感じさせるシーンとなっていた気がします。
アニメでは画面で劇的なシーンを作る必要があるでしょうし、小説や漫画なんかでは静かでも重いものを感じさせるシーンのが重用できる印象があります。広江さんは漫画家なので、この辺はそういったつくりの問題なのかなぁと感じたところでした。
シーンを何個も継ぎ足した跡があり、広江さんも迷いながら書いたシーン、重要なシーンなんだなと再確認しました。
このシーンの順番が違うことによって颯太がシリウスとシマザキセツナを被造物として現界させるという案を出す重みも変わってきています。
アニメ版では松原達の創作者たちに触発されて、自分も何かしなければという思いから案を思いついたという感じになっています。ですが、NAKEDではチャンバーフェスの準備中に松原に懺悔の言葉を聞いてもらった流れで切り出されています。そのため、シマザキセツナへの思いによって、考えついた案であるように取れます。
なので、シリウスとシマザキセツナに対する重みというのがアニメとNAKEDで異なっているんですよね。
狂言回しであると颯太自身はモノローグで語ってますが、主人公はやっぱり颯太なんですよね。彼の眼を通してみた世界、それがRe:CREATORSの世界であったわけですから。
そんな重要なシーンから2巻は始まっていました。

また、颯太が用意しているシリウスとシマザキセツナについて、実際に登場上するまでどんな登場人物なのかは明確には明かされないものの、用意しているというのが作中で語られるのが印象に残りました。アニメ版では登場するまで、颯太が何をチャンバーフェスで行ったのかは触れられずにいたので、この辺はアニメ制作時に登場まで語らない方がインパクトがあるという判断がされたんでしょうね。
また、逆にセレジアの恋人であるカロンについてはNAKEDではずっとひた隠しにされていて、印象がずいぶん違うなという感じを抱きました。カロンとアルタイルがしゃべっているシーンもないため、ロボットを伴った存在が現界しているという情報があるだけで、唐突に出てきて、セレジアに対してわからず屋な雰囲気をぶちかます男という印象が残ってしまい、アルタイルの甘言に乗せられている印象が無かったですね。NAKEDではカロンは貧乏くじを引いてかっこ悪いというか悪役然とした感じになってしまっていました。

そしてアニメ版と大きく違うのはメテオラが現実世界に残る理由。
アニメ版では作品世界へ帰還するのに門を開いて安定させている必要があり、誰かひとりはその門を維持するために残らないといけないから、その役目をメテオラが買って出たという流れになっています。
NAKEDではそういった制約はなしで、メテオラは現実世界へ残ることを選択して残ります。
ここは大きく印象が違うシーンとなっていました。
アニメ版でも別段戻れないことに後悔や残念な気持ちがあるというよりは、現実世界で創作活動をしてみたいという気持ちがある様な事は伝わってきましたが、現実的に戻る手段がないから選んだのと、あるのだけれども選んだのと、そのウェイトって違うと思うんですよね。
どちらがストーリー的に良かったかは判断が難しいところですが、メテオラの様に残ることが許されるのであれば、残ると言い出しそうな人物がほかにもいたような気がしないでもないです。(ブリッツね)

1巻、2巻と全2巻で広江さんが構築したRe:CREATORSの原石を読んでみたわけですが、前半を描いた1巻に比べて、2巻は広江さんが書き足した跡が多くみられ、また、アニメ版との相違も多く見られたなと感じました。
特にチャンバーフェスが始まってからの描写は、アニメ版の方がアクションの連続性がありシーン的には少なくなっている印象があります。
NAKEDではカットインしてイメージがいろいろ挿入されていた印象があります。
どちらがスピード感があるかというのが問題になるのだろうけれど、文章で見たときとアニメで見たときの印象の差から、制作時に取捨選択して作られていったんだろうなと感じました。
この違いを見てるの結構面白かったです。
こうして、原作というか原型を見れるアニメ作品って少ないので、貴重ですよね。
物語を作るということで、ストーリー的にもそうなんですけれど、かなり参考になる作品だなと感じました。

 

Re:CREATORS NAKED1

Re:CREATORS NAKED1

広江礼威:著・イラスト
サンデーGXコミックススペシャル


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アニメRe:CREATORSの原作テキストと銘打たれた本です。
本のブランドはGXコミックスになってますので、本屋さんが扱うときはコミックとして扱われます。が、内容は漫画ではなくて文章が書き連ねてある小説のような作品となっています。
本屋さんによってはコミックコーナーにおいてあったり、小説コーナーにおいてあったりでまちまち。本屋さんで探すときに少し苦労するかもしれません。
原作テキストというのは果たしてどんなものかというと、帯にはシナリオのもとになったありのまま(NAKED)な原作テキストとあります。一見して小説のように読める作品ですが、実際は脚本に近いものです。シェークスピアの作品みたいな感じになっていて、登場人物の台詞の前には誰がそれを言っているかの名前が振ってあります。また、シーン毎に章分けされていて、短い章がいくつも連なっているという形になっています。
まさに脚本と言ったらそうなんですけれど、脚本と違うのは場面の状況が小説の様にに描かれていること。脚本の様に場面がト書きだけということはありません。
なので、読んでみると小説と脚本の中間のような印象を受ける作品となっています。
本の説明を読んでみるとこの辺はどういったものなのかが書かれていますので、納得はいくと思います。
アニメを作る際にコンテというものを作りますが、これは絵の代わりに字を使って書かれたコンテなんですよね。字コンテ。
かつて発表された作品で字コンテとされる作品は何個か読んだことがあるので、あまり違和感は無く読めました。
また、アニメを作る際のコンテ、脚本に先立つものという性格上からか、キャラクターの心情は台詞以外では基本外面描写にとどまっていて、小説のように内面を描写するというのはこの作品では行われていません。何か所か例外的に描かれている分もあるのですが、基本は心理描写は外面で表れている描写の実となっているのが特徴です。

シーン毎にナンバリングがされており、制作過程で後から挿入したり、順番を入れ替えたりした跡が分かるようになっているとされています。
が、僕はさらっと読んでしまい、挿入された箇所や順番を入れ替えた形跡ってなかったように思いました。あったのかな?
2巻をパラパラとめくってみた感じ、2巻には挿入した跡というのが見て取れるのですが、この1巻にはなかったように思えました。

基本的にストーリーはアニメと同じですが、アニメ本編と比べてみればいくらでも違う描写がされているところとかあると思うのですが、それをほとんど感じさせないほど完成度高い感じがしました。
これが原作として作者の広江さんから提示されたものだとすると、すごい熱量というか、細かく作りこんだうえで原作として提示しているんだなぁと感じました。
1巻のストーリーはチャンバーフェスについて、メテオラが提案をするところまでなのですが、ほとんどアニメ本編と変わりがないように感じました。
ただ、ストーリーに直接関係しないコミカルなパートとかは減ったかなと思いましたし、全体的にアクションシーンなどの描写はアニメ本編より少なくなっているなというよりも簡素に書かれている感じがしました。そして、アニメとは違う描写になってる部分もなくはないです。
その辺は、まだ原石である感じは否めない感じがしますね。
ここからもっと肉付けをされてアニメ本編が作られていったんだなぁという感じです。
でも、前述したとおりほとんどアニメ本編と違いを感じさせないほど、作りこまれた作品となっていました。
これを原作として提示した広江さん、さすがプロなんだなぁって思いました。

感想となるとアニメと同じになってしまうので、ストーリーの感想は割愛しますが、作品としてはやっぱりRe:CREATORS面白いなと感じました。
あの面白かったアニメがどうやって作られていったか、それの原石がここにあるという感じのものがこの本。
2巻で完結ですが、この1巻と違った印象を受けるんですかね?

 

されど罪人は竜と踊る11 Waiting Here to Stop the Noisy Heart

されど罪人は竜と踊る11 Waiting Here to Stop the Noisy Heart

浅井ラボ:著
宮城:イラスト
ガガガ文庫


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11巻です。
今回は10巻を読んでから間をおかずに読みました。
まず、思ったこと。表紙だれこれ?ということ。
過去の巻を引っ張りだして名前が書いてある口絵を確認したり、ネットで調べたりしたところ、モルディーン十二翼将の大賢者ヨーカーンらしいです。
ヨーカーンさん、この巻では出番がそれほどあるわけじゃないというか最後2ページに満たない部分で出てきて思わせぶりなことのたまうだけなのに、表紙を独占ですよ。
いやはや。
確かに、この巻で表紙を飾るのはだれかとなると、困るっちゃ困るのですけれど…。
アンヘリオはこの先の12巻だかで表紙を飾っていますし、カジフチやロレンゾじゃ華がありませんし、パンハイマは10巻で表紙を飾ってますし。
そうなるとガユスが一番この巻では表紙に相応しい人物だったと思うんですけれどね…。
いろいろあったし。
なぜかヨーカーンでした。なぜ?(笑)

ザッハドの使徒編はこの巻では終わらず、何人かの使徒が退場したものの、状況はますます悪化の一途をたどっているという感じの巻でした。
唯一の救いはガユスたちの連携がうまく回り始めていること。ただ、それでも被害がでて徐々に欠員が出て戦力が減っていくのは悲しい感じがしました。
途中にチェレシアvsジヴーニャのやりあいがあったり、ガユスたちが事務所を連合化した結果、どう回していくかの話し合いのシーンがあったり、ザッハドを閉じ込めている場所でザッハドと会話するなどのこまごまとした戦闘以外のシーンはあるものの、分厚いこの本の大半を占めるのは戦闘描写となっています。
頭から、最後までずっと戦ってる。そんな印象を受けました。

前半は個人で人外の戦闘能力を持つ者たちの激戦。
ギギナvsカジフチ、アンヘリオvsロレンゾvsカジフチとなんかもう戦闘能力がおかしい人たちの戦いを描いています。
基本、場面場面で戦ってる相手は変わるものの1対1の構図で戦っているのにその被害で地形が変わるっておかしすぎでしょ。
あのギギナが単体でほとんどかなわずに敗北して重傷を負うようなカジフチ相手に、タイマンで戦えるアンヘリオとかロレンゾとかどうなってるの?しかも騙しあいもそこに入れ込んでくるし。
目まぐるしく戦っている中で、ペトレリカの所有権(人権無視)は次々に移り変わって、この巻で最後にペトレリカを連れてるのはカジフチとなります。
その事でアンヘリオが人間らしい怒りをあらわにしているのは印象的でしたが、子供っぽい感じがする意外でした。でも、これは意図的な描写だと思う。アンヘリオは感情というものがわからないから、自分の玩具だとみなしていたペトレリカを奪われた上に奪還に失敗して切れるしかない。周りに苛立ちをまき散らし喚き散らすしかない。彼自身も悲しい人なのかもと思いました。ペトレリカによって救われる可能性があったのかもしれない。それを奪われてしまって彼自身がどうして良いか分からなくなっている、そんな印象を持ちました。
でも、切れたアンヘリオに異貌のものどもが怯えるってどーなの?単体でもアンヘリオのが強いのがビビりました。

後半はチーム戦。
基本は使徒対ガユスたちが戦うという感じになりますが、ガユスたちが知恵を絞ってぎりぎりの策略をもって使徒とやりあうのが印象的でした。
結果的に使徒を倒すキーになっているのはガユスで、他人の肉体と同化する使徒には、自分に同化させて自分ごと巻き込んで咒式を使って倒したり、前巻で出てきた心筋梗塞を起こさせる心臓の音を感知するエミレオの書の能力に対抗するために、心臓を止めるという暴挙に出たりします。
そのせいでチームの若手にビビられて、使徒と同じだとか言われているのが印象的でした。
これロレンゾと同じだなぁと感じて読んでました。復讐心が半端じゃない状態になっていて使徒と比べても変わりがないくらい恐ろしい存在になり果ててる、そういう感じです。
戦いへの恐怖心から抜けたいと言った若手を留める策略を実行したりして、人としてどうなのというレベルに足を突っ込んでいる。でも、一人でも抜けられると全体の士気に関わるし、戦力的にも問題っていうことで心を鬼にしているのがわかるんですよね。
また、9巻でガユスに生命維持装置を止めてくれと依頼してきた老人、彼が実は使徒で血の祭典にガユスを巻き込むためにそういうことしたというのが分かってしまい、ガユスの精神がどんどん追い詰まってるように見えました。いつもの事ではあるのですが。かなりきつい感じです。

最後は、一人の使徒の策略によりパンハイマ咒式警備会社が崩壊していく戦いで締めという感じです。パンハイマも精神を敵に乗っ取られてしまったりして、この先どうなるのという感じ。
なんだかんだいって、ガユス、ギギナ組が残った使徒を倒していくのでしょうけれど、まだ大物が残ってる状態です。
最終目標はアンヘリオなんでしょうけれど、パンハイマがもとに戻ってくれないと、さすがにきつい気がするんですよね。それにペトレリカの話もあるしパンハイマが正常化してもらわないと困るという感じなんだけれど…。
どうなっちゃうのという感じで次巻へ続くでした。

分厚い本なのにずーっと戦いっぱなしの熱量は半端じゃなかったです。
使徒編、まだ続くのかよ…。

 

キノの旅ⅩⅩⅠ -the Beautiful World-

キノの旅ⅩⅩⅠ -the Beautiful World-

時雨沢恵一:著
黒星紅白:イラスト
電撃文庫


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21巻です。
さて、キノの旅ですが、この巻の発売と前後してTVアニメの放送が始まっています。
かつてキノ役を前田愛さんでアニメ化してTVと2本の映画作品が制作されましたが、今回のアニメはまたそれとは別にキノ役は悠木碧さんが務められている新しいシリーズとして制作されています。
前にアニメ化されたとき、カラーのあとがきとして、口絵部分にあとがきがあったんですが、今回もカラーのあとがきがついてました。
アニメ化するとカラーのあとがきが付くらしいです。
前回はあとがきで苦労させられましたからね。
カラーのあとがきや、普通のあとがきがあるのはかわいいものです。

さて本編。
最近はキノの話多めですね。一時期、シズ一行や師匠と弟子、フォトとソウの話の比率が高くなった印象があったのですが、最近はキノの話以外は各1話がせいぜいな感じです。とはいえ、いくら比率が高くなったといっても一番多いのはキノの話なのですけれど。
今回印象に残ったは、口絵のプロローグエピローグ、満員電車が走ってる国、完璧な国、女の国でした。

プロローグエピローグはフォトとソウの話で、悲しい老人のために一芝居打つ話です。とは言え、フォトの事ですから、できるのは写真関係。
嘘写真を仕立てて騙すのですが、これが優しい嘘で、こういう嘘は良い嘘だなぁって思いました。
満員電車が走ってる国は、刑罰として満員電車に乗せられるという国のお話。ある国からの旅人の話で何よりもつらかったことが通勤で満員電車に乗らないといけないことだったと聞いたことから、刑罰として満員電車に毎日乗らないといけないという罰則がある国の話でした。これを読んだとき、この話を伝えた人、日本人だと思いました。
完璧な国はAIがとても発達した国の話で、子供たちの学習をAIに任せてみたらどうなるかという話でした。AIは完璧な教育を保証してきたけれど、「ただし」というのがあって、それが薄ら寒いほど怖い感じの話。ちょっとしたサイエンスホラーですね。
AI発達してもそれ任せにしてはいけないという教訓が含まれているかのようでした。また契約書は隅々までよく読もう。
女の国は師匠が旅立つ話。どういった経緯で師匠が旅を始めたのかというのが描かれてました。ミステリアスな人物である師匠の過去の一面が見れて面白かったです。あぁ、こういう国の生まれだからああいう感じの性格に育ったのかとちょっと感慨深いものがありました。

全体的に今回は秀作ぞろいで、とても面白い巻でした。
さらっと読めてしまって、アッという間に読了してしまった。ちょっともったいない感じがしました。
もう少しゆっくりと楽しむのもいいかもと思う作品が多かったですね。

 

新約 とある魔術の禁書目録19

新約 とある魔術の禁書目録19

鎌池和馬:著
はいむらきよたか:イラスト
電撃文庫


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新約19巻。
もう新約に入って19巻目なんですね。神の右席とかと戦ってたのが無印のこれくらいの巻だったような気がします。
ずいぶん脇道にそれたような気がしないでもないですが、前の巻からアレイスターとのやりあいとか出てきてるので、やっと本筋に戻ってきたという感じなのでしょうか?
本来、「とある魔術の禁書目録」という一連の流れを構築しなおすと半分以上の巻は不要な巻になってしまいそうで恐ろしい感じがしますね。いろいろ脇道に寄ったのも含めて「とある魔術の禁書目録」だというのも正しいとは思うんですけれど。
作者が描いた1巻の話とそれから繋がっていって、作者が考えている最終巻の物語までを一本の話として構築する為の要素としては割と少ないような気がしないでもないです。
実際のところどうなんだろうね。

この巻ですが、割と読みにくい巻だなぁと思いながら読んでました。
視点が主要な登場人物がそれぞれバラバラに動いているように見えるから。なんかそれぞれ違うことをしていて、それが繋がっていないように見えるんですよね。
今回は上条ちゃん、浜面君、一方通行と、主役をはるキャラクターが出てきて何か行動しているのですが、最後の方まで方向性というかやってることの繋がりが見えなくて、読んでる間で視点が変わると「んんん?」ってなる感じがしました。
結果的には最後で繋がってるのがわかるし、話が互いに関係している面もあったりするのですが、ちょっと困惑する感じがしました。たぶん作者の意図的。
浜面君と一方通行は途中で邂逅するんですけれど、上条ちゃんは最後まで合流しませんしね。

話の中心として描かれるのは浜面君。
いきなり襲われて気絶している間にプロセッサースーツってのを着せられて困惑しているときに、赤ん坊を拾ってその赤ん坊を保護するために頑張るというのが主としての流れです。
一方通行はわかりにくいですが、プロセッサースーツ自体に用があって絡んできます。
上条ちゃんは一度ローラに殺害されて可能性の分岐という形で復活したアレイスターとともに、ローラ(悪魔コロンゾン)と戦っている。見事にばらばらです。
最後には話がひとつにまとまるのですけれど、それまでが訳が分かっていない浜面君の視点で訳が分からないままに赤ん坊を救おうとしているというのがね…読みにくくした要素だったかなと思います。軸がぼやけちゃった感じがしました。
それでも浜面君が頑張って守ってる赤ん坊が「リリス」であるということから、アレイスターの絡みであるというのはわかるのですけれど、リリスそっちのけで(気が付いてないので)アレイスターはコロンゾンとやりあってますからねぇ。

結果的にこの巻ではエイワスによって救われて肉体を得ることができたリリスと、父親アレイスターの感動の再会話であるはずなのに、アレイスターは美少女の体になってるし、なんとも締まらない再会になってました。
感動のシーンなのになぁ。
そして舞台はイギリスへ移っていくことになるのですが、今まで敵っぽく描かれていたアレイスターが味方とは言わないまでも、理由や目的に片がついてしまったので、最後の敵はアレイスターじゃないんだなって感じになってきました。
言われてみれば、インデックスを支配してあれこれつらいことをしていたのは必要悪の教会=イギリスな訳で、そこと戦って、インデックスを完全に支配から解き放つのが目的になりそうな雰囲気で幕を閉じてます。
浜面君や一方通行にもアレイスターから和睦条件、共闘条件みたいなものが提示されてましたし、ローラ=コロンゾンを倒すのが一応の今後の目的になるのかなというところです。それで、長いこの物語に幕がくるのかはわからないですけれど。
上条ちゃん、また海外か…留年確定っぽいよね。

それにしても、悲劇的な別れがあった親子の再会なんだから、きちんと感動的にすればいいのに…。
締まらな過ぎです。

 

されど罪人は竜と踊る10 Scarlet Tide

されど罪人は竜と踊る10 Scarlet Tide

浅井ラボ:著
宮城:イラスト
ガガガ文庫


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10巻です。
9巻を読んだときに10巻はすぐに読もうと思うとか言った記憶がありますが。実際に手を付けたのは1年以上空けてしまいました。他の作品を消化するので手一杯で、1冊が分厚い「され竜」には手を出しにくいというのがありますね。
最新巻は20巻なのでちょうど半分まで追いつきました。前の巻を読んだときの最新巻は17巻だったので引き離されてるとも言います。困ったものです。
読み始めると割とサクサク読めるんですけれどね。
やっぱり他の本よりは時間が掛かる本なので。

血の祝祭が本格的に始まって、ザッハドの使徒が次々にエリダナに集まっていく過程が描かれます。もちろん、ただ集まっただけではなくザッハドの使徒たちは凶悪な殺人者の集まりですので、1人来ればそれだけ人死にが出るというような展開。
それに対してハーライル率いる特別捜査官たちとギギナ、ガユスたちが対抗するという図柄が出来上がっています。パンハイマは何度かの説得にも応じることなく独自路線を貫くという形でした。
互いの思惑が絡み合って複雑に見えますが、結局のところ殺すか殺されるかの単純な構造だったのかもしれないなと読み終わってから思いました。
ハーライルは警察官であるので使徒の逮捕を試み一網打尽にする罠を張りますが、その罠を巡る一連の出来事がこの巻のハイライトだったかと思います。
ほぼすべての登場人物がその場に出てきますしね。

終わってみれば最初から最後まで血と狂気が暴虐の嵐となって吹き荒れていったという印象。ペトレリカに対するアンヘリオの扱いが非常に狂気的で、さらにそれを真顔で何事もないかのようにやる狂気、狂人性がすごくうすら寒かったです。
また、イディスという女性がちらちら出ていましたが、アンヘリオの勘違いによりチェレシアの代わりに虐殺されてしまうという悲しみもあって、その手口がやっぱり狂気に満ちていて怖かったです。
全体的にアンヘリオの狂人性がどんどん浮彫になっていっている感じです。
他の使徒も狂人ではあるんですけれど、描写があまりないのと殺人自体が目的であってその死体をもてあそんだりしないのが、アンヘリオとの大きな違いなのかなぁって思いました。
アンヘリオ自信が自分はザッハドの使徒ではないと言い切っていますし、確かに違う存在なんだなと思いました。

そんな狂気が吹き荒れる中で、何とか自分の愛する人や元恋人を守ろうとするガユスの姿はなかなか熱いものがありました。
どちらを優先するかとかいう問題で悩まされたり、彼自身、不幸体質が染みついているなぁと思いながら読んでました。
でも、ガユスの悩みや思い、苦しみや怒りとかってこの本を読んでる間で、自分を正常に保つためのカンフル剤みたいな役目になってる気がしました。それくらい、狂気の描写が連続するので、ガユスの心情に同調できる自分を発見して安心するみたいな、そんな読み進め方になってましたね。

何人かの使徒が退場しましたけれど、やばそうなのがまだまだ残っているし、これからどう対処していくのか、ペトレリカは救えるのかとか気になるところはいっぱいです。
ロレンゾも復讐心に駆られていて、味方っぽく見えないんですよね。ポジション的にはパンハイマと同じところかなという感じで。
次はどうなっていくのかしら。また暴虐の嵐なのかしらねぇ…。

 

Occultic;Nine③ -オカルティック・ナイン-

Occultic;Nine③ -オカルティック・ナイン-

志倉千代丸:著
pako:イラスト
オーバーラップ文庫


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発売予定が伸びに伸びて、もともとの刊行予定がいつだったか忘れたころになってやっと刊行されました3巻です。
2巻から3巻までの間にオカルティック・ナイン関係ではいろいろなことがありました。アニメ化があって、ゲーム化の発表がありました。ゲームの発売はもうすぐそこまで迫ってるという感じです。
アニメは1年前に放送開始って感じで、それ以前から3巻の刊行予定は出てましたから最低でも1年は伸びた計算になりますね。
あとがきでは反省しているのだか反省していないのだか、よくわからない事情があったということで(アニメ作中で出てきたアデリーヌ・レポートに関係して)延期せざるを得なかったということです。
たぶんですが、アニメ化、ゲーム化が決まったことで、原作の小説としてどのような落としどころへ持っていくかが大きく変わったんじゃないかなと推測しています。

ストーリーとしては、我聞たち登場人物たちがニゴロ事件の被害者であると認識する過程を描いています。
そして、自分たちが幽霊であるけれどという前提に立って、事件に向き合い始めるところまでという感じになってました。
ストーリーの流れとしては多少前後する部分はあるけれど、アニメ版とほとんど変わることが無かったかな。
FBI捜査官の鬼﨑あすなも出てきてサイコメトリーで事件の真相に迫っていったり、我聞とコンタクトを取ったりしていました。
やはり、話のキーになるのは我聞だよなぁという感じ。
あすなのサイコメトリーに反応しないという特色があるので(これってその場に我聞がいたから?という見方もできるとは思うんだけれど、いまいち判然としない)、後々に我聞がキーになって話が収束していく切っ掛けになるんだと思います。
話としてはまだまだ途中で、実優羽がやっと立ち直りつつあるところまでで終わってます。

アニメ版と大きな違いは我聞が自分が幽霊であるということを認識するまでの時間経過にかなり差異があります。
アニメ版ではけっこう長いあいだ、自分の死を認識できずにうだうだしてましたけれど、原作である本作では結構早くに立ち直って、事実を検証し始めているというのがありました。
周りに認識されないというのを利用して女風呂を覗きに行ったりするあたり、少しアニメ版よりアクティブな印象を持った感じです。

とりあえず、八福神の会とかが出始めてるので、流れ的にはアニメ版を今のところなぞってる感じではあります。
たぶん、ラストは変わると思うけれど。
この巻を読んで気が付いたのだけれど、稜歌視点のパートってないのね。
ということは初めから、稜歌は9人の中に入ってなくて、あすなが10人目の登場人物なのではなくて9人目なのかしら?
やっぱり稜歌=アデリーヌってことで話が今後展開していくのかなぁ…。
4巻はいつでるのだ?

 

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