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とりあえず日々思ったことなんかをつらつらと。

 

悲終伝

悲終伝

西尾維新:著
講談社ノベルズ


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伝説シリーズ10巻目。最終巻となります。
最後の最後にタイトルに終わりが入っていて、10をあらわす読みがされるとかできすぎでしょ。
これまでの2巻から9巻まではあまりタイトルと内容が一致していなかったですけれど、さすがにこれはきちんと内容と一致しています。
物語に決着がついて、そしてエピローグへという形になってます。

時系列が少し9巻と前後します。
物語のスタート時点で、まだ空々たちは行方知れず状態になっていません。
8巻の直後からつながる形になります。
地球(の擬人化)が太陽と惑星たち9人(の擬人化)を小さな悲鳴で葬ったところから始まります。
空々がとっさに地球にアタックして首を絞めて殺害しようとしたのですが、途中で剣藤との過去を思い出してしまい、最後までやり切れませんでした。
すんでのところで地球を取り逃がすという出だし。
ここでちょっと思ったのは、空々くん変わったなということ。
1巻のころの空々だったらたぶん、地球を取り逃がすことはなかった。剣藤とのことを思い出して手を緩めるなんてことはしなかったと思うんですよね。
感情がないとはずっと言われていましたが、全くないわけじゃなくて感情の片りんみたいなのは持っているんですよね。空々。それが顕著になったというのがこの巻かなぁと思いました。
たぶん、もう一度読み直してみれば、1巻とそれ以降の巻では空々の感情の振れって違うんだと思います。1巻ではほぼ振れないなんですよ。でも2巻以降では剣藤を殺していることから、折に触れて感情は少しだけれども揺れている。
それが致命的なところで出たという感じでした。

そこからは怒涛の展開。
地球との対決に失敗した時点で宇宙船「悲衛」が静止軌道を外れたりして、てんやわんやの状態に。
地濃さんがリビングデッド2で蘇生を試みていた月が一瞬蘇って重力で「悲衛」を月に着陸させるものの、着陸自体は墜落と変わらない状態で好藤の土の魔法で何とか受け止めたような状態。
ここで、通信機などが壊れたことにより9巻冒頭の行方知れず状態が開始されます。
とりあえず、「悲衛」としては地球と月がリンクしてることから死んだふりをすることに。
で、空々が脱出方法とかを検討するのだけれど、その間にトゥシューズが実は四国ゲームを秘密裏に脱出していた地濃以外のチームウィンターの一員だったとか明かされたり、火星が生きてて人間王やってるとか、いろいろな話が展開していきます。
空々の脱出方法は結果的にジャイアントインパクトと同じことになるということで、地球人類が死滅しちゃうから却下となります。
そんなこんなしてる内に、地球にいる手袋から月を通して連絡が入り、人間王のところにいるんだけれどとかそういう話がつながっていきます。
そして、ぽろっとでた、「破壊丸」をマルチステッキに変えたアイテムの存在が人間王に伝わったとたん、空々が立てた脱出プラン通りに月が地球に向けて動き出して、どうするの状態に。
月を近づけようとしてた方法を応用して月を止めつつ、今度は鋼矢たちと会話がつながって空々の中で最後のプランが出来上がるという流れ。
結局9巻で出てきた宇宙船とかその話も盛り込んで、地球と再び会話することになります。

最後の地球との会話で、いろいろ危ない橋を渡りながら、感情というものを空々を理解すると同時に、プランがうまく行って大団円を迎えるという感じ。
初期はでは地球と戦うということで地球陣とバトルしたりしてたけれど、結局は西尾維新らしく最後の最後は会話劇だけで話が進行して終わってしまった感じでした。
エピローグは100年生きた空々と地濃の会話で幕。
結果的に地球を救ったけれど、ほめられはしなかったみたいですね。英雄は。
でも、それでも、感情というものを得て、人として100年過ごすことができた。
それが結果なんだなという感じで終わっていきました。

この伝説シリーズ。
最終巻なので全体を振り返ってみて思うのは行き当たりばったりが多すぎて、あんまり楽しめなかったなぁという感じ。
空々があんなであるので、基本状況に対処していくという感じで物語が進むのですが、能動的に何かをするということがないのでフラストレーションがたまるというかですね。
あまり僕の好みにはあってなかったなぁ。
そして、あまりに冗長な気がします。
分厚い本で2段組みなんですけれど、半分でいい感じです。
そもそも四国ゲームもやたら長かったですしね。
最後の方の怒涛の展開とか考えると西尾さんはもっと続けたかったのかもしれないなぁと思いました。四国ゲームの話が地球と戦ってる話なのに地球そっちのけで何やってるんだろうと思っていたんですけれど、その後、展開のスピードが上がって9、10巻の内容的にはいままでだったら2冊3冊使ってたよね?という感じでしたので。
バランスがあんまりよくなくて、起承転結がはっきりしない作品でした。
キャラクターの会話を楽しむというのが西尾作品の特徴でもあると思うのですが、それも本作は物語シリーズなどと比べると、魅力があんまりないなぁと感じてました。
でも、終わりまで読めて、そして最良の終わり方ではあったので、それはそれでよかったかな?

一番お気に入りのキャラクターは地濃さんです。
クズクズ言われていて、キャラクターどころか地の文でまでクズ呼ばわりされた彼女ですが、一番なんか空々の事をわかってたんじゃないかなって思うんですよね。
自分をクズな立場に置くことで回りを潤滑に動かす人だった。そんな感じがしてなりません。
まぁ、本当にクズなのかもしれないですけれど。
愛すべきキャラクターだと僕は思いました。

長かったなぁ。伝説シリーズ。
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日記は思考が結構、鬱っぽいので鬱日記になること多し。
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