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とりあえず日々思ったことなんかをつらつらと。

 

零崎人識の人間関係 匂宮出夢との関係

零崎人識の人間関係 匂宮出夢との関係

西尾維新:著
竹:イラスト
講談社文庫(西尾維新文庫)


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人間シリーズ4冊目。
4冊目から7冊目までが零崎人識の人間関係となっていて、各巻で1人ずつ他の登場人物との人間関係を描いていくという形になるようですね。
人間シリーズはここが書きたかったから故に前の3冊があったんだと思うのですが、どうなんでしょう。戯言シリーズ本編では人識は主人公いーちゃんに絡んでくる重要な登場人物ではあるものの、その他の人物との関係とかはあまり描かれておらず、どういう人となりなのかというのは、本文に書かれた分だけで想像するしかなかったのですが、これまでの人間シリーズで他の零崎や出夢、遊馬、玉藻との関わりが描かれることで、一段、深く理解できるように(共感はできない=殺人鬼であるので)なります。
その上で、彼に大きな影響を与えることになる4人の人物との関係を描いていくという感じでしょうか。
ナンバリングがされてないのでどこから読もうかなと迷ったのですが、栞などに書かれた順番で読むことにしました。で、この巻を手に取ったのですが、あとがきに人間関係4部作の頭巻となるとありましたので、この順番でよさそうです。

匂宮の組織内での立場が危うくなった出夢が、玖渚直の暗殺の指令を達成するべく、人識に助力を求めにくるところから物語は始まります。
ひょんなことから人識の学校にまぎれていた玉藻もつれて、玖渚直の殺害に向かう3人。
その中で直の護衛である直木三銃士と戦いながら、出夢が人識との人間関係を見つめ直すという話になっています。
人識から見た出夢について描いていくのかな?と当初思っていたのですが逆でした。出夢にとって人識がどういう人物であったかということが描かれていきます。
もちろん、人識からみた出夢についても書かれるのですが、こちらは人識の一言の台詞で済まされています。「家族みたいなもの」という人識の思いっていうのは意外でした。
何度も殺し合っている相手であるのに、最後にはじゃれ合いになっていたとはいえ、そういう人物にそういった印象を抱いていたというのは意外でした。人識からみたら出夢ってひたすらうざったい人物であると思っていたので。
同じ零崎ですら双識以外を家族と認めない人識が、家族みたいなものと言い切るのはよっぽど特別だったんだなぁと思いました。

対して、出夢から見た人識というのは、恋愛対象に近い感じであったようです。そういった弱い感情を切り離さないといけない出夢はそれによって弱くなってしまっています。
それゆえに匂宮での立場が危うくなっていく。そして逆に妹である理澄が人識に対する感情を得た故に強くなってしまう。
匂宮出夢/理澄の兄妹は人識に関わっていったことでアイデンティティを失いつつあるということに敵である直木飛縁魔との戦いの中で気づいていってしまい、どうするべきかという究極の決断を迫られることになってしまう。
読者としては、普通の人間の感覚を持った読者としては、殺し名としてのアイデンティティなどすててもいいのではないかと思ってしまうのですが、それでは彼らは成り立たないのです。
結果的に出夢は殺し名として以外の人識との関係を終わりにしてしまいます。
決別。
なんだかんだで仲の良かった二人の間に訪れてしまった決別がこの物語の最後でした。
それはすごく悲しくて、そうせざるをえなかった出夢の哀しみがすごいつらいなと思いました。
それに巻き込まれちゃった人識のクラスメイトにはとんだ災難ですが…。

ひとりの殺し屋の悲しい恋物語。
それが出夢と人識の関係でした。
こんな形で終わらなければよかったのにと本当に思ってしまう。
終わらなければ、出夢/理澄は匂宮をやめられたのではないかなと思ってしまう。もちろん、匂宮の追手を振り切らないといけないだろうし、殺し名としては生きていけなくなるのですが…。まっとうな道に、踏み外してないところに着地することもできたのではないかと思ってしまい、残念に感じました。
殺し名としてのアイデンティティを優先してしまった悲しみがそこにはありました。
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