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零崎双識の人間試験

零崎双識の人間試験

西尾維新:著
竹:イラスト
講談社文庫(西尾維新文庫)


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戯言シリーズのスピンオフ作品。人間シリーズの1作目です。
当初はノベルズで刊行されていたものが、文庫で出版されたものを読みました。
ノベルズの刊行が2004年。文庫版が2011年末の刊行になってます。
結構古いですね。
西尾維新の初期作といってよく、物語シリーズで爆発的に有名になる前の西尾維新作品となると言ったところでしょうか。
会話劇がメインとなっている面とか、当初からの西尾維新作品の作風は出ていますが、物語シリーズのように紙面の半分が雑談で占められており脱線しっぱなしといった風な感じはありません。
登場人物が常に考え、動き、その結果どうなったというのが淡々と書かれている。
そんな印象を受けました。
ただ、戯言シリーズのスピンオフではあるのですが、ミステリ要素あるわけではなく、あくまで戯言シリーズの登場人物に視点を当てたといった感じのひとつの事件のあらましが展開されるサスペンスものという感じになっていました。

戯言シリーズは戯言使いこと「いーちゃん」の語りで、「いーちゃん」が事件を解決していく物語でしたが、この人間シリーズはひとりの人物に焦点を当てるのではなく、ある団体に焦点が当てられているという感じになります。「零崎一賊」に焦点を当てたのがこの人間シリーズのようです。
全7冊刊行されていますが、最初の3冊は新しく登場する零崎の個人名がタイトルになっており、後半の4冊は戯言シリーズでも「いーちゃん」と対をなす人物として登場した零崎人識の名前がタイトルになっています。
今回は、零崎の長兄である双識が人識を探しているところに、偶然、出くわした少女無桐伊織がその本質に気が付き、目覚め、そして「零崎」の一員になっていく過程を描いています。
例外的に両親が「零崎」であった人識以外の零崎がどうやって誕生するかというのがこの巻で描かれたことになっています。

その過程で戯言シリーズにも出てきた殺し屋である匂宮の分家筋の早蕨兄弟の仇討がストーリーに組み込まれていて、末妹を殺された恨みを晴らすために人識を、そして零崎と戦うという話になっています。
その過程を通して、一般の殺人者と殺人鬼である零崎の違いというのを、徐々に浮き彫りにしていくという話。
そしてその中でも人識がひときわ違うものであるという話でした。

しかし復讐という大義があったとしても零崎にかかわるということはこういうことかとつくづく思い知った感じがしました。
出てくる零崎は双識と人識、そして新しく零崎になる伊織(舞織)だけなのですが、結果的に早蕨は全滅してしまいましたし、零崎にかかわったというか零崎を利用するように時宮に使われた挙句の結果ですが、すごく悲しい結末だった。
言いように使われて捨てられて、零崎にかかわってしまった挙句に誰も残らない。
救われない話だなぁと。
早蕨によって家族を殺されて天涯孤独になってしまった伊織にしても、結果的に零崎に拾われて生きる道を見出したと言えば聞こえはいいですが、それは殺人鬼としての覚醒であったわけで、それが幸せだったとは全く言えないです。
誰もかれも救われない。そんなお話。

誰もかれも救われない話なのにそんなに読後感が悪くない。
西尾維新マジックなのでしょうか。それとも戯言シリーズで零崎の事を知っているから誰も救われることはないんだと僕が初めから思って読んでいたからでしょうか…。
実際に零崎みたいな人が居たら嫌だなぁ…と思いました。
それでも双識はいい人だった。殺人鬼だったけれども、いい人ではあったと思います。
双識は出会う人達を合格か不合格かを人となりなどから試験していましたが、自分が失格であると自覚してたんでしょうかね?家族は試験を受ける資格がないとしただろうと人識が語りますがそれ以前に零崎である時点で試験を受けるに値しない気がします。だから、家族を試す馬鹿がどこにいると言ったのではないかと推測されていますが、それ以前に零崎は試験にはそも失格なんだよね。だって人の意識からかけ離れてる殺人鬼だから。
優しかった双識ですらそうなんですから…。人識や舞織が試験を受ける資格があるわけない…。そういった話だったと思いました。
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