FIL:Blog

とりあえず日々思ったことなんかをつらつらと。

 

PSYCHO-PASS GENESIS 4

PSYCHO-PASS GENESIS 4

PSYCHO-PASS GENESIS 4
吉上亮:著
サイコパス製作委員会:原作
ハヤカワ文庫JA


このアイテムの詳細をみる
4巻目。
吉上氏による一連のPSYCHO-PASSの小説では通巻で6冊目になります。これが氏の執筆するPSYCHO-PASSシリーズの最終巻となります。

前巻で離れ離れになってしまった滄と茉莉。
前半は滄が茉莉を取り戻すために行動していく話になっています。「帰望の会」を追いながら、茉莉を奪還するべく動いていきます。対して、茉莉の方は秋継に利用される形で、後天的免罪体質者の謎に近づいていく。秋継に利用される身の上から、OW製薬での「帰望の会」の構成メンバーへの尋問役、「帰望の会」の本当の目的を知るために再びエイブラハムの元へと立場を転々としながら、免罪体質者とはどんな存在なのかというのに近づいていってました。
地道な捜査を続ける滄よりも、茉莉の方が本質に近いところにいるというのが、なんとも皮肉な感じです。
滄の場面は基本的に手に汗握る展開が多く、茉莉の場面ではハラハラさせられてという感じが多かったですね。

そして、最終局面では「帰望の会」がノナタワーの落成式でのテロを計画していることが分かり、それに向けて罠の張り合いになります。
滄が採った手段というのが、TVのPSYCHO-PASS本編の厚生省では絶対取らない方法で、まだサイマティックスキャンによる犯罪係数による執行が行われてないからできる手段。
「帰望の会」が活動するときに後天的免罪体質者を連れているために、そこだけ色相が綺麗な状態が発生するというのを逆手にとって、色相汚染を人為的に引き起こして、敵の場所を把握するという手段でした。
それに協力するのが、泉宮寺豊久というのはなんとも皮肉な話。
後にシビュラによって裁かれる彼がシビュラを守るために協力するというのは印象的でした。
また、ネタばれになりますが、シビュラがノナタワー内に無いというのも読んでいてびっくり。TV版ではノナタワーの地下区画に設置されていたので読者へのひっかけにもなっていた感じですね。
そして、お互いを守るために死力を尽くしていく滄と茉莉という構図になっています。
最後の一瞬、二人は邂逅しますが、結局それが、最後の別れになってしまうのが悲しかったです。

結果的に、滄と茉莉、二人がどうなったかというのが意外な結末でした。
滄の方は先天的免罪体質者であるということから、なんとなく想像していたのですが、茉莉の方は意外でした。そのためにこうゆう仕掛けを持ってくるかとひとしきり感心してしまった。全体的にこのGENESISの物語はTV版の1期、2期、そして劇場版、すべてをかなり意識して構築されていたなと感じました。
二人の犠牲の上に生み出されたシビュラのユニットが、シビュラというシステム全体の中でどういう位置づけなのかというのが最後の最後に語られます。
それは、希望だったのではないかと僕は思いました。
TV版や劇場版などを通じて、シビュラってのはどちらかというと、悪い面が強調されていました。一部の特殊な人によって人類が管理される社会。それがシビュラシステムで構築された世界の本質です。
しかもシビュラのユニットは免罪体質者で構成されているので、色相が計れない。良きも悪きも計測できないうえに、元犯罪者の脳が利用されていることが多いというのが、ネックだったわけです。社会を維持するために人を犠牲にすることいとわないシビュラの姿がこれまでは朱の言う問題点であったわけですが、朱と考えを同一にし、彼女の行動を是とするシビュラのユニットがあることは希望なのではないかと思えました。
2期のラストで、総体としてのシビュラは正しいかというのが問われましたが、理想郷としてのシビュラは未完成なものであり、ただ、そのシステムがもたらす恩恵が人類のために悪いものではないという面もあるというのが、PSYCHO-PASSの管理社会のありようでした。ですが、滄と茉莉、二人の犠牲で生み出されたユニットが、シビュラを正しい道へ導いていってくれるのでは、決して最悪の最後の一線を越えさせることはないのではないかと思わせてくれて、希望が少し持てるラストでした。
滄と茉莉、二人の意思は朱に引き継がれていっているというのが、この悲しい物語の救いであり希望であったように思えました。

TV版では嫌な印象しかなかった禾生壌宗。
この作品では本当の禾生壌宗がどのような人物だったのかが描かれた感じです。
いつか、本当の禾生壌宗と常守朱が会話する場面を見てみたいですね。
でも、物語には引き際というのがあるから、たぶんそれを見ることはないでしょうね。それがあるとしたら、シビュラの電源が落とされる日でしょうから。
スポンサーサイト
Comments

Body

« »

07 2017
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
アクセスランキング

ぽちっと押されよ。
プロフィール

はがね

Author:はがね
日記は思考が結構、鬱っぽいので鬱日記になること多し。
購入して読んだ活字媒体と購入したCDのレビューやってます。
オタなので、ジャンルはオタ方向に傾倒。

チベタン・スパニエルという珍しい犬種の愛犬記事もありまする。

月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム
アフィリエイト