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とりあえず日々思ったことなんかをつらつらと。

 

キリングメンバー ~遥か彼方と冬の音~

キリングメンバー ~遥か彼方と冬の音~

秋月陽澄:著
さらちよみ:イラスト
電撃文庫


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電撃小説大賞の最終選考で選考委員に衝撃を与えたという触れ込みの作品。
この作品を電撃文庫で出してよいものか迷った模様。
内容としてはサイコサスペンスです。

登場人物を絞って、ある殺人事件の犯人捜しをするのかと思いきや、登場自分物たちの過去のトラウマと今おかれている状況を描いていて、女子中学生の殺人事件、夫婦を狙った連続殺人事件、無差別連続殺人事件、女学生の連続失踪と、大事件がおおむね絡んでくるという物語。話の根っこは6年前の起こった凄惨な事件(少年少女を親から買い取って、殺し合わせてスナッフムービーを撮っていたという事件です)に根差していて、その事件から助け出された少年少女がその後どうなっていったかという話になっています。
狂気の世界に囚われてしまい、精神的に壊れてしまった少年少女。その彼らが救い出されて、まともになったのかと思いきやという展開で、読んでいて吐き気がするほどの話。
気持ち悪いというのが正直な感想でした。
この手の作品ですから、そう思わせたら勝ちなのだと思います。

罪は罪としてあるけれど、それを贖えないとは思えないんですよね。
特にこの話の最初の事件の被害者たちはそれぞれ、強制的に加害者になることを強要されていたけれど、それは家庭環境が劣悪だった、売られた先が最悪の地獄だったということに起因している。
彼らは強要されたのであり、まだ、それに対抗するだけの精神は育っていない年齢です。
仕方のないことなのですが、その後、罪の意識によって壊れいった彼らが、起こしていく事件がなんとも切ない。そして気持ち悪いほど純粋な悪意に彩られていて、短絡的で「壊れている」という感じを読者にたたきつけてくるようなそんな作品でした。

唯一の救いは彼方と詩織の恋心、最初は名前を伏せられている登場人物と詩織の優しいふれあいなのですが、それがさらなる悲劇を生んだというのが、悲しすぎる。
救われないのです。この話。誰も。
例外なく救われないのです。
最後はぼかしてあるのですが、その行く末ってのが見えてしまっていて、悲しくなります。

狂気に彩られたこの作品。
できはすごい。
でも電撃文庫で出していいものかと迷う。理解できます。
つか、出したらダメだと思いました。
電撃文庫てライトノベルよ?
ライトノベルで出す内容じゃないんですよ…。これ…。
ガガガ文庫なんかでは、かなりきつい高年齢層というかラノベを大人が読んでることを前提に出してくる作品もあるのですが、そのレベル。
電撃文庫は比較的、大人も楽しめますが、内容は中高生が読んでも問題ない作品が大多数を占めています。
そのブランドでこれを出すのはちょっとなぁと思いました。
衝撃的でした。そして気持ち悪かった。そういう作品です。
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日記は思考が結構、鬱っぽいので鬱日記になること多し。
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