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とりあえず日々思ったことなんかをつらつらと。

 

甲鉄城のカバネリ 追憶の邑

甲鉄城のカバネリ 追憶の邑

笠岡淳平:著
甲鉄城のカバネリ:原作
美樹本晴彦、たまきまさひろ、柏木仁:イラスト
マッグガーデンノベルズ


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甲鉄城のカバネリのスピンオフ小説第2弾。
前の暁は前日譚でしたが、アニメの作中の出来事で描かれなかったエピソードというスタイルで書かれた作品となっています。
時系列としては八代駅で黒けぶりと戦った直後という話になっています。
視点は何人かの登場人物の間を渡り歩くことになりますが、生駒が視点を持つシーンが短いのが新鮮でした。その結果、他の人物が視点を持っていることが多くなるのですが、他人の視点から見ると生駒ってこんな感じに見られてるんだというのはなかなかに面白い要素でした。だいたいが、バカという印象を持たれていてそれゆえに心の芯の強さを持っているというのが他人から見た生駒像というところでしょうか。

本作で主役的な立場になるのは郁那、無名、巣刈といったところです。あとはこの作品のみの登場人物である若乃という女性を中心に、アニメでは描かれなかった人間模様が描かれていきます。
特に、郁那と無名の過去にかかわる話であり、設定的に重要な要素である狩方衆がカバネ研究を行っていた場所(アニメでは克城の中で研究していたように描かれていましたが当然、それだけでは足りないし不便なので拠点を持っていた)についての話になっています。
カバネに飲み込まれて不幸にも滅びてしまったひとつの村。そこを後に狩方衆が拠点としたことでさらなる不幸が起こっていくという話。
昔話として語られて、食料補給に立ち寄った甲鉄城の面々がその村に残された資材によって助かるという話なのですが、重要になってくるのは過去にこの村にいたことがある人物がいるということになります。
狩方衆の一員である無名はもちろんとして、郁那がこの村の出身者ということになっていて、かつてあった悲劇を思い出していく。また、郁那、無名の両名に若乃がかかわっており、悲劇の連鎖がそこで起きるという話になっています。
結果的にその悲劇は生駒や無名の活躍によって断ち切られましたが、少し悲しい終わり方でした。
この作品の世界で生きていく、生き残っていくことの意味を今一度、読者でありアニメの視聴者であった人たちに伝えるといった内容になっていました。
悲しい終わりだったけれど、未来が無いわけではない。そんなエンディングでアニメのエンディングにも重なるような感じがしました。

よくまとまっていた作品だったと思うんですけれど、それ故か、ちょっと偶然が重なりすぎてないかな?って思う部分もありました。
立ち寄る村である弥津村の出身者である郁那や若乃が甲鉄城に乗り合わせるとか、そこに狩方衆のひとりとして、かつての若乃と面識のある無名がいるなど、ちょっと偶然が多いなぁと読んでいた間は思っていました。
でも、カバネリの世界って、駿城の数は限られているし、世界も駅と駅を結ぶ線路に限られているので、人の数も少ないことが想像できます。
そう考えれば、こういった偶然の比率も高いかなと思えて納得できました。

あと気になる点としては、話がものすごく甲鉄城のカバネリという作品の核に近いところを絡めてきているため、どうしても、この時点でそれを知っちゃいけない人物が知識を得てしまうということが起こっています。
それが、ちょっと気になりました。
ただ、このエピソードを入れるとしたらこの位置しかないですし、仕方ないところでしょうか。
あとから書かれたスピンオフであるつらさといったところが見えてしまう作品でもありました。

内容的には3つの時系列がひとつの村で語られるという、なかなか読み応えがある作品でした。
そして、無名などのセリフから甲鉄城のカバネリの世界観が広がる感じがして面白かったです。
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日記は思考が結構、鬱っぽいので鬱日記になること多し。
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