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新機動戦記ガンダムW フローズン・ティアドロップ13 無言の賛歌

新機動戦記ガンダムW フローズン・ティアドロップ13 無言の賛歌

隅沢克之:著
矢立肇、富野由悠季:原案
あさぎ桜、カトキハジメ、MOGUGA:イラスト
角川書店


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13巻目。最終巻です。
無言の賛歌というサブタイトルが付いてますけれど、半分以上は前の巻からの続きでゼクスファイルの内容になっており邂逅の協奏曲となっています。
ゼクスファイルと名前はついていますが、視点はゼクスのものではなく、三人称視点で物語が進んでいきます。
メインになるのはTV版のEVEウォーの直前の前日譚となる、第2次月面戦争を描く話になっていました。
ここで活躍するのが、結局若き日のガンダムパイロットたちでした。というか幼き日といった方がいいのかもしれないですけれど。10歳前後なはずなんですけれど、普通にMS乗ってるし、暴れまくりです。読んでいて受ける印象はTVのオペレーション・メテオ時の彼らとほぼ変わらない印象です。それはほかの登場人物にも言えるのですけれど。
年齢的にトレーズだって若いし、ゼクス達だって未成年です。それが、1線級の兵士や士官として動いているというのは読んでるときは気にならないのですが、ふと息をついたときとかに設定や時代背景を思い出してみると、ものすごい違和感を感じました。
でもこれくらいの時期に設定しないと、彼らを活躍させられないというのはあるのでしょうけれど。
あと、ものすごい違和感を感じたのが、五飛の妻の父、ロン・タウヤーの行動。彼は連合軍に対する対抗組織の一員として、魔法使いとかを使って戦っているのですが、それに娘を巻き込んでいること。いくらなんでもさ、10歳前後の娘を戦争に巻き込みたがる親がいるかなぁって違和感を感じました。そうするしか生きる術がないって感じでもないし、事実、五飛の一族関係は普通に暮らしてたわけですし。今回、五飛も戦いに参加していたのですが、それも違和感がありました。そのころの五飛って戦闘は嫌いで学問の道を目指していたころです。なんだかんだ理由をつけていますが、彼を戦いへいざなったのはやっぱり妻の死であってほしかったなぁと思うんですよね。だからそれ以前に戦いに参加するようなことはしないような気がして違和感を感じました。

後半は、やっとゼクスファイルのローディングも終わって、リリーナの記憶が完全な状態に復活し、クライマックスへ突き進んでいきます。
戦争を巻き起こした張本人として、戦争裁判の場へ駆り出されるリリーナ。そして言い渡される死刑判決。
周りではガンダムパイロットたちと、ラナグリン共和国側の戦いが繰り広げられていて、クライマックスを盛り上げるのですけれど、いまいち盛り上がりに欠けるんだよなぁ…。予定調和的に、ヒイロがリリーナを救うための時間稼ぎをしているだけに思えてしまうのと、ガンダムパイロットたちが、あからさまな勝者側にいるのが、盛り上がらない理由だと思いました。これまでのガンダムWではガンダムパイロットは最終的に勝ちを手に入れるけれど、いつも敗者側の人間であり続けたから。
勝者として誰かを追い詰めていくという展開が、ガンダムWにはあってないような気がしました。

結末は、リリーナを救うこともでき、戦争も集結させることに成功し、ガンダムパイロットたちはそれぞれの道へ進んでいき…。やっとヒイロがリリーナときちんとくっついた!という展開でした。
登場人物が多すぎて、全員の行く末は書いてなかったけれど、デュオ(小さい方)、名無し、カトリーヌはたぶん、五飛の元でプリベンターとして活躍していくんだろうね。ヴァンも。ゼクス一家は平和に暮らしたという記述がありました。デュオは火星の2代目大統領に選ばれたということでヒルデと言い合いながら暮らしているという感じらしいです。ヒルデといえば、ちょっとおかしくなってましたが、それが治ったのかとかは描かれてなかった。
ラストシーンはよかったのですが、いろいろ紙面の関係で語られぬままに終わってしまったことも多かったと思いました。

総括。
ガンダムWのエンドレス・ワルツに続く物語として始まった本作ですが、TV版以前の話が大半を占めていて、それにかかわってくる人物がいちいちガンダム・パイロットや、ゼクス、トレーズ、ドクターたちといったTV版の主要人物にまとめられていて、戦争が小さくこじんまりしたものに感じられてしまった感がありました。
ものすごく大きな事件を扱っているのに、かかわってくる人物が常に同じ枠内に入る人物たちだけで、拍子抜けしてしまう。世界はこの人達だけで動いてるのかよと言いたくなっちゃうのね。
ピースクラフト王家が、地球圏の戦争にかかわってきてしまったという歴史を描きたかったというのはあるのだろうけれど、それにかかわる人物がいつも同じである必要はないと思えました。ひとつの戦いが終わったら、また別の人物がかかわってくるという方が自然だし、物語が広いものになったような気がしました。
また、無理にトレーズ以下の年齢の人物をかかわらせるべきじゃなかったと思いました。
トレーズですらまだ若輩と呼べる年齢ですし、ちょっと子供が世界の命運を変えすぎてる。特にゼクス。
火星編では結果的に活躍するのがTV版時代のガンダム・パイロットたちであるならば、2代目達は不要だったように思えました。その方が登場人物が無理に増えすぎずに綺麗に収まったんじゃないかと感じました。
過去編が大きいのですが、それが火星編を描くのにどこまで必要だったのだろうかとちょっと考えてしまいます。半分以上は不要に思える。でもガンダムWというストーリーで明かされていない部分に答えを付けようとしたらこうなったというのは分かるきがしました。それが楽しかったか面白かったかというのは別としてですけれど。
ガンダムWが好きだからこそ、ちょっと違和感などに苦しみながらも、設定がどうなっていたかを知りたいという欲求に任せて読破したという感じの作品でした。
設定に対する知識欲は満たされた感じはあるけれど、それが面白かったかというと、また別の話かなぁという気がします。
ちょっと余剰部分が多すぎる感があって、食傷気味な感じの読後感。
人によってはこれを読んで、ガンダムWはエンドレス・ワルツまで!と割り切る人もいるんじゃないかなぁ。ちょっと蛇足感のある作品でした。
まぁ、それなりに僕は楽しみはしたけれど。やっぱりガンダムというメカが持つ魅力ってあるんだよね…。小説媒体でデザイン画が出てなくても、ガンダムというものの魅力が放つものって大きいなと思いました。
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日記は思考が結構、鬱っぽいので鬱日記になること多し。
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