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とりあえず日々思ったことなんかをつらつらと。

 

ソードアート・オンライン オルタナティブ クローバーズ・リグレット

ソードアート・オンライン オルタナティブ クローバーズ・リグレット

渡瀬草一郎:著
ぎん太:イラスト
川原礫:原案・監修
電撃文庫


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川原さん以外が描くソードアート・オンラインのスピンオフであるオルタナティブに、時雨沢さんのガンゲイル・オンライン以外の作品が登場しました。
渡瀬さん作です。また、大物持ってきたなという感じがするんですけれど…。
ガンゲイル・オンラインの時とは違って、巻数表記がありません。なので、これ一冊で完結するものだとして読み始めました。
実際、話は完結していて、登場キャラクターを利用して別のお話を描くことはできるでしょうけれど、それはその時にという感じです。
時雨沢さんのガンゲイル・オンラインとの大きな違いは、あちらはGGOという仮想世界で遊ぶ新しいキャラクターに焦点を当てていて、あまりソードアート・オンライン本編にかかわった人物や設定は登場しないこと。さすがに共通点としてSAOサバイバーなどに関する言及や、GGO編でヒロインだったシノンについての言及が少しありますが、舞台設定を流用しているものの、ほぼ独立して読める作品として仕上がっているガンゲイル・オンラインに対して、このクローバーズ・リグレットはソードアート・オンライン本編に登場した人物に関係する事象、組織、SAOサバイバーのその後やSAOで友人や家族を亡くした人といった、直接的にソードアート・オンラインという作品の設定を引き継いで書かれているという点が大きく異なる点だと思います。
帯にも、スリーピング・ナイツのユウキがかつてプレイした和風VRMMOアスカ・エンパイアでの話であると書かれています。つまり、スリーピング・ナイツが関係することがにおわされています。
僕はこのアスカ・エンパイアに関しては知らなかったのですが、どうやらアニメのDVDやBDの特典として執筆された作品で描かれたもののようです。その設定を引き継いでいる作品となります。

和風の世界観のVRMMOであるアスカ・エンパイアで、ザ・シード利用のVRMMOが乱立することによる顧客離れとかに対するテコ入れとして、ユーザーによる投稿シナリオをイベント配信するという企画が進む中、主人公であるナユタはとある初心者プレーヤー、ヤナギと出会います。
ヤナギはあるシナリオを1週間以内でクリアするために探偵を雇う算段をしており、道案内をしたナユタ、コヨミ、そして探偵であるクレーヴェルを含めた4人でシナリオクリアを目指します。
ヤナギのレベルの低さやクレーヴェルの極端なステ振りによりいったん撤退を余儀なくされたメンバーですが、その直後、目的のシナリオが運営から公開中止の判断が下されてプレイできない状態になる。
理由はシナリオ内でありえない「幽霊」を見たプレーヤーが失神するという事故が起きたこと。
クレーヴェルが知り合いの運営側の人間にコンタクトをとり、シナリオの調査を名目に1週間以内でのクリアを目指すというストーリーになっています。

はじめはソードアート・オンラインとのつながりが希薄に感じられ、VRMMOでのよくある出会いを描いているように思えて、ちょっと単調かなぁと思って読んでいました。
事件が発生して以降、ヤナギが1週間と区切った理由が明かされたり、ナユタたちだけが遭遇した狐面の少年の正体や「幽霊」の正体が次々に解明されていくうちに、あぁ、これSAOだ、ソードアート・オンライン本編ではキリトたち主人公たちだけに焦点が当たっていたけれど、他にも当然居るSAOサバイバーや残された家族について描いていると感じられたところから、急に物語から受ける印象がガラリと変わった感じがしました。VRMMOであるとして読んでしまうと生死がそこには伴わないので緊迫感が薄れますが、SAOがらみであるとなると直接アスカ・エンパイアで生死は伴わないとしても、かつてあったSAOでの命のやり取りを下地にしているというのが感じられ、緊迫感が変わりました。
また、別の意味でもこの作品のテーマには人の生死が込められていて、決して軽いライトな小説ではありませんでした。
生きる意味とは何なのか、若くして死ぬ、老いて死ぬ、志半ばで死ぬ。死にはいろいろありますが、そのひとつの例を満ち足りた死、受け入れられた死というものを描いていました。また、SAOで大切な人を失った者の死と向き合い方の一例も描いています。
総じて死と向き合うということが描かれていて、すごく考えさせられました。
死とは悲しいもの。でもただそれだけではないこと。
死とはつらく逃げたくなるもの、でも生者はそれに囚われたままではいけないということをこの作品は伝えてくれたと思います。

まさか、ソードアート・オンライン本編を読まずにいきなりこの作品を読む人はいないと思いますが…。
最低限、マザーズ・ロザリオは読んでおかないと、この作品の良さが半減するので、そこまでは読んでからこの作品に触れた方がよいですね。
あとがきから読む人はそのことに気付けるのですが…。まぁ、いないか。この作品から読む人って。
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