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とりあえず日々思ったことなんかをつらつらと。

 

マルドゥック・フラグメンツ

マルドゥック・フラグメンツ


冲方丁:著
寺田克也:イラスト
ハヤカワ文庫JA


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マルドゥック・スクランブルの完全版、改定新版が出た後のタイミングで刊行されたのが本書。
マルドゥック・シリーズの短編集っていう位置づけですが、内容的にはヴェロシティの短編やダイジェスト、そして、今、刊行中であるアノニマスのさわり(なのか?)を伝える作品集といった方がいいかもしれません。スクランブルの名前がついている短編作品は、まだヴェロシティが発表される前に掛かれたものだったため、タイトルがスクランブルになっていますが、内容はヴェロシティのストーリーからのスピンオフなので、一見した目次を見るとスクランブル関係の短編が多いのかな?って思いますけれど、実際には半分がヴェロシティ関係と思った方がいいです。そして、これの後に刊行されるアノニマスをやる準備って感じです。スクランブルの関係の作品は冒頭の事件をウフコックとドクターの視点で描いた短編だけになってます。

本書に収録されている中で重要なのは冲方さんへのインタビュー記事。
何故、完全版、改定新版を書いた理由がインタビューの内容になっています。
アニメのマルドゥック・スクランブルが公開されているタイミングで行われた、このインタビューで、冲方さんはマルドゥック・スクランブルを書き直した理由を語っています。古典化させないため。アニメなどのメディアミックスでその当時に解釈されて別メディアで表現されたマルドゥック・スクランブルに対して、原作である冲方さんの小説が時代遅れものにならないように書き直したとあります。
また、改定新版と完全版がある理由も書かれています。改定新版は天地明察などの文芸作品から冲方さんの作品に触れた人向けに若干削ったもの。完全版はそれとは別に発表当時の若かった冲方さんが表現しきれなかった部分も含めて、時代遅れにならないものを目指して再記述されたものとなっていました。
再記述なんですね。完全版。
これ、読んだら、完全版が読みたくなりました。僕はまだ完全版や改定新版は読んだことがないのですが、当初のマルドゥック・スクランブルを読んでたから、完全版を読まなくてもよいかと思っていました。ですが、当時の冲方さんが描き切れなかったところが補完されたものであるとなると、読まざるを得ないのかなぁって思ってしまいますね。
最初に刊行されたマルドゥック・スクランブルでさえ、完全なものとして読めます。楽しめる作品です。それを不完全なものだったと言い切る、作者である冲方さんがすごいと思いました。
普通、作家さんって一度書き上げた作品を手直しするってことは少ないですよね。
それをやったうえで、自分の当時の若さを認めて不完全だった、表現できてなかったと言い切っている。すごい作家さんだなぁと思いました。

さて、本書に収録された作品ですが、2編を除いては事件の解決とがされるわけじゃありません。マルドゥック・シリーズの雰囲気を伝えるための作品となっています。
雰囲気を楽しむ以外に楽しみ方がよくわからなかったです。
ファンブックといった方が正しいかなぁと思いました。前述したとおり、一番重要なのはインタビュー記事なので。
ファンなら読んでおこう。ヴェロシティの時代に、ボイルドとウフコックが担当した事件のストーリーが読めるし、ヴェロシティをダイジェストで読むことでイメージを強固にできる。また、スクランブルも冒頭の視点が変わることで重さが変わってくる。
そして、今刊行されているアノニマスへの期待が膨らみます。

さて、アノニマスに着手できるぞ。
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