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とりあえず日々思ったことなんかをつらつらと。

 

業物語

業物語

西尾維新:著
VOFAN:イラスト
講談社BOX


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物語シリーズ最新刊です。
まだ続くのかよという気にもなってきていますが、オフシーズンに入ってからは、外伝集のような扱いになっていて、この巻も外伝集といった風情の本となっていました。
中心になるのは忍というか吸血鬼の話で、食に対する業、生来の美しい精神や美貌による業について書かれていました。
この吸血鬼の話が中編で、あと短編レベルの長さの話が2編含まれています。また、アニメの副読本であるヒロイン本の忍の巻に含まれていた短々編の童話が収録されています。これが収録されている中編へのプロローグになっているのが面白い作りでした。

中編は忍がキスショットになる前の話。すなわち、吸血鬼になる前の話。キスショットは真祖(つまり誰かに吸血鬼にされたのではなく、初めから吸血鬼として生まれたもの)だと思ってたのでちょっと意外でした。
そのキスショットの前身であるアセロラ姫と吸血鬼デストピアの物語。
その美貌と内面の美しさから、呪いとも祝福ともいえる魔術を掛けられているアセロラ姫に出会った人物は、その美貌や内面の美しさに感動したり、自分の内面の醜さを嘆いて自殺してしまうという状況で、その噂を聞いた吸血鬼デストピアがアセロラ姫を何とかして食物にしようと奮闘する話。
何度も自殺や餓死で死にながらも、アセロラ姫を何とかして下拵えしようという、デストピアの涙ぐましい努力の話。食への業という話なんでしょうけれど、語り部であるデストピアの口調が割と軽快であるので、テーマ性とかそっちを抜きにして楽しめてしまい、何度も死にながら頑張る努力家さんの話に思えてしまって笑えました。
本来は美しさのあまりに人を死に追いやるアセロラ姫の業、吸血鬼故に人を食らうデストピアの業、それらのぶつかり合いという話であるのにです。
忍=キスショットの口調がこのデストピアが、彼女に掛けられた魔術を騙そうとして植え付けようとした結果であるとか、そういう面も楽しめました。
最後に業故に吸血鬼にしてくれと懇願するアセロラ姫が悲しかったです。
結果的にはキスショット時代にはそんな呪いのような状態からは脱しているので、吸血鬼になったからか、吸血鬼になってから克服したかは分かりませんが、アセロラ姫の業は拭われている。それが救いって感じでした。

短編の1本は火憐が自分探しの為に山籠りする話なんですが、アフォの子である火憐は普通ならまだ危機ではないようなところで危機に次々と見舞われ、彼女を心配してお目付け役としてつけられた忍に何度も助けられます。忍はふだんは火憐の影の中に潜んでいてピンチになると出てくるという話。謎の金髪美女に助けられながら、最後の最後で本当の強さって何だろうという面で彼女の背負っていた業が振り払われるという話でした。
タイトルがかれんオウガとなっていて、オウガ=鬼を指すのが忍なのか、それとも彼女の内面に居た強くあらんとする意思の事なのかがよくわからない。
それはそうとしても火憐のアフォの子っぷりがすごくて面白かった。

短編のもう1本は羽川さんが忍野さん探しのさなかに出会ったエピソードを忍野さんに聞かせるというエピソードで、双子の吸血鬼に囚われてしまい、そこから脱出する話。
傷物語に出てきたドラマツルギーがゲストにでてるのは、やっぱり映画の宣伝効果も兼ねてなのかしらと思いながら読んでました。
これも、双子の吸血鬼の業と羽川さんの背負った業のぶつかり合いで決着がつくのですが、双子の吸血鬼の言動に怒りを覚えるのは羽川さんも変わったなぁと思いました。
以前であれば落ち着いて知略で切り抜けたような気がしますが、今回は怒りに任せていたような気がしました。
それにしても、羽川さん、その身に幾つの怪異の種をもってるんですかね?猫、虎、そして吸血鬼。まだ隠し種がありそうですよ。

オフシーズンはまだ2冊は続くようで、そちらも楽しみです。
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日記は思考が結構、鬱っぽいので鬱日記になること多し。
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