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とりあえず日々思ったことなんかをつらつらと。

 

蒼穹のファフナー ADOLESCENCE

蒼穹のファフナー ADOLESCENCE

冲方丁:著
平井久司:イラスト
ハヤカワ文庫JA


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2004年にTVアニメシリーズ、2005年にTVアニメ特番、2010年に劇場版アニメ、そして現在TVアニメシリーズで続編が放送中のアニメ、蒼穹のファフナーの第1作目当時に電撃文庫から出ていたノベライズの再版です。再版にあたって、TVアニメ特番だった「RIGHT OF LEFT」の脚本が収録され、表紙イラストが新しくなりました。
この本が出たのはちょうど去年の今頃で、あとがきでは現在放送中の「EXODUS」について言及されていて制作中という風に書かれていました。
刊行時に買っておいたのですが何時読むかなと思っていたもので、現在「EXODUS」をみている最中、第1期目を思い出す意味も込めて読むことにしました。
実は電撃文庫版を読んでいるので再読ということになります。

これ、実は1期目の途中というか序盤までの話しか書かれていないんですよね。
アニメでは前半部分の説明不足や描写不足によって不評だった部分なんですけれど、そこの部分というか、1話目を濃密に描く事でファフナーと言う物語はこう言う物語なんですという説明のための小説といった印象です。
これは再読した今回も変わらない印象で、尻切れトンボで終わる。結末は描かれていません。ラノベとしてはそう言うのは途中で刊行が打ち切りにでもならない限りないものでしょうけれど、これは純文学の様に描かれていて、主人公である一騎がある心情にたどり着いたところで終わります。
そこまでを本当に丁寧に丁寧に描いて行く小説。
絶望的な戦いの中で自分のあるべき場所、居るべき所、自分の本当の思い。そういった事から目を背けてきた一騎が、それを認識して慟哭するところで幕を引いてしまう作品です。ファフナーという作品はアニメではドンドン先へと描写され行き、一騎の思いなどは先へ進んでいくのですが、小説ではそれで終わり。
一騎の絶望と慟哭が描かれているという小説になっています。

それは、とても不完全にとれるけれど、小説作品としてみるとこれはこれでありだと思うんですよね。ラノベ的にはダメかも知れないけれど。
純文学的な小説に仕上がっていると言っていいかもしれないです。
これを通して感じる事は、一騎の様には成りたくないという事でした。少なくとも深い悲しみや苦しみから目を背けて、絶望を得た時にそれらと向かい合ってこなかった事を自覚し悔やみ、慟哭するというようなことはしたくないと思いました。
勿論、ファフナーの世界のような絶望は現実には無いのですが、それまでに体験する後悔などから目を背けていく苦しみを味わいたくないなと思いました。素直に、謝ってしまう方を僕は選ぶと思う。それによって苦しみを得るだろうけれど、そうしなければ、一騎のように苦しむと思うから。そして一騎が味わったような苦しみの方が、より苦しい道だと思うから。

「RIGHT OF LEFT」についてはアニメの脚本なので、もうそのままだなぁと思いました。
これ、読んでて苦しいんですよ。
絶望に向かっていくので。希望を見せつつも結果的に絶望で終わる話なので、読んでて苦しい物語です。
ファフナーの第1期の前日談なんですが、もう絶望しか読み取れないんですよね。配置されたガジェットが全て悲しさを強調させるように置かれていて、もうなんでしょうね。冲方さんも悲劇の描き方が徹底しているなと思います。
アニメで見た時よりも、脚本で読んだ今の方がその思いが強い感じですね。
活字の力かな。
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