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とりあえず日々思ったことなんかをつらつらと。

 

フェノメノ 伍 ナニモナイ人間

フェノメノ 伍 ナニモナイ人間

一肇:著
安倍吉俊:イラスト
星海社Fictions


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5巻目です。
前巻のラストで凪人が事故で死んだ様に思わせられる描写を引き継いでこの巻となるのですが、語り部となる霊体の「己」が凪人なのかはきちんと明確になっていない状態で物語が語られていきます。
今までの巻で展開された現世からオカルトの世界をのぞき込む形ではなく、今回はあの世、死者の視点から現世を見ると言う形で語られていきます。
また、今までは章毎に短編形式で語られる事が多かったですが、今回は章毎で物語が終わるのではなく、1冊で1つの長編のストーリーが語られるという形になっています。

読んでいて直ぐ気がつくのですが、これが過去の話であって、夜石の過去を扱って居るんだな?という事。
そのうちに明確に本編(凪人が事故った時点)より10年前の出来事である事が語られます。
霊的なものが残す「違和感」って言うものがテーマとして扱われていますが、その説明とかも淡々としていて今までの巻で感じたような怖さってのは前半は感じ無いですので、淡々と読んでいけます。ただ、明らかにこの子が夜石だろうという女の子を語り部である「己」が「M」と呼称していて夜石と繋がらないのは何故だろうと思っていた所で、がらっと恐怖が舞い込んでくるという作りになっています。
そこからのテーマは一転して「違和感」ではなく「悪意」という事になるのでしょうかね。もともと「夜石」の名前を持っていたモノの悪意が前面に押し出されて、その怖さがひしひしと伝わって来ました。
あの世側からの描写がされていますので、「夜石」は人に取り憑く悪い霊なのですが、この悪意が、昨今の理解出来ない犯罪心理と重なって怖かったです。こういう「理解出来ない」って言うのはすごく怖いモノだと思うんですよね。
だって、何をするか分からない、その動機も分からない。それでは相手とコミュニケーションを取ることも出来ないですし、何かされそうになったときに、それを回避する術すら残っていないんです。ただ何かをされるのを待っているしかない状況というのは本当に怖いものだと思い知った感じがします。

そして事件の末に、「M」が我々読者が知る夜石になってしまった経緯が語られます。その悲しさが苦しい。
描写から悪意に取り込まれた訳ではないのは分かるのですが、少なからず影響を受けたのは確かで…。自らその名前を名乗る様になるに至る経緯が悲しすぎて切なすぎて胸が苦しかった。
救えなかった、救いようがなかった、仕方なかったというのがこの物語の結果なんですが、それでも救いを求めてしまう。そう言う内容になっています。
続きの巻で凪人が夜石を救ってくれると信じたいです。
そうでなければ、あまりに夜石が可哀想過ぎる…。
しかし、それには凪人にまた立ち上がって貰わないといけないんですけれど…色んな事がエピローグで語られるのですけれど、彼、立ち上がれるのかしら…。
夜石を否定してしまったけれど、また夜石のために動けるのかしら…。
次巻で終わりらしいですけれど、どうまとまっていくのかな?夜石には救われて欲しい。本当に。
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日記は思考が結構、鬱っぽいので鬱日記になること多し。
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