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とりあえず日々思ったことなんかをつらつらと。

 

新世界より

2クール25話構成のアニメ作品。原作は同タイトルで貴志祐介氏の小説です。
貴志氏といえば僕からすると、ISOLAや天使の囀りといったホラー作家さんという印象がありますが、この作品はSFにジャンルされる作品でした。
怖い印象があるのでホラーであるといってもあながち間違いでは無いような気もしますが。

舞台は遠い未来。
今の人間の文明が滅び去って数百年たった世界です。
作中出てくる過去の遺物が今より進んでいるので現代よりさらに進んだ世界が一度滅んだあとの世界で、文明はだいたい明治か大正くらいのレベルまで退化してる感じです。
人間の産業は農耕が主であり、殆ど人は残っていない。舞台は関東地方ですが、出てくる人間の社会が村社会で閉塞した感じがあり、他の人間の社会が出てこず、関東が自然の宝庫になっていると言う世界です。
そして人間は呪力と言われる超能力を手にしていて、それをもってバケネズミと呼ばれる、人間に近い知識を持った生物を奴隷として管理、利用していると言う世界観となっています。

主人公の成長に伴って、大きく3章に分けることが出来ます。
12歳、14歳、26歳と、視点がそれぞれ変わっていくのを描いています。12歳時代の描写を見るとこの世界の社会に不自然と不信感を抱き、14歳の時の描写で不信が確信に変わります。人間の社会には何か裏があって、隠されてきた歴史が有るのを確証します。26歳の描写、物語はバケネズミとの戦争状態(人間から見れば反乱状態)の中で、世界の真実を知ると言うストーリーになって居ます。
ストーリーの根底にあるのは徹底的な格差意識と差別。
呪力がある人間と無い人間の差。呪力を上手く使えなかった人間がどうなったのかと言う不信。バケネズミという生き物の差別された生活。
どれをみても醜い差別意識がそこにあり、不快さがこみ上げる。
そして真実として語られる、バケネズミと人間の関係。
何度も何度も徹底的にその格差を各キャラクターの台詞や行動によって、印象を付けて行ってどんでん返しが最終話で待っていると言う。
視聴者は自分が人間側であると言う意識をもってこの作品を見るでしょうけれど、それは間違いで、普通の人間の視点はどっちに有るべきなのかというのが、貴志氏らしい恐ろしさの描写だと思いました。

この世界の人の歩んだ道は悲しい歴史であり、辛い。
今の世界を生きる僕たちがそうならないかと言うと、分からない。悲しいかな、そうなってしまう可能性は重々に有るのを承知しないと行けないと思う。
そして、この物語はSFであったけれども、世界中を見渡してみれば、この世界の人間とバケネズミのような関係性が成り立っている場所がそこらかしこにある恐怖を実感しないと行けないのだと思う。

主人公の早季は最終的にはバケネズミと人間の間を掛け持つ存在となっていますが、これはたまたま、早季が真実を知りながらもそれを隠し通す事に成功した上に生き残ったからですが、彼女の存在が、これからのこの世界の救いになっていくのだろうという所でストーリーに幕が降ります。
世界中の人が早季のように悲しい現実を受け入れた上で、それを改善していく努力をする事を切に願う。

アニメで見るより小説で読んだ方が情報量が多くてよさそうだと思いましたね。

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