アクセル・ワールド7 -災禍の鎧-
川原礫:著
HIMA:イラスト
電撃文庫
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6巻の時にはこの巻でハルユキが抱え込んだクロム・ディザスターのエピソードには片がつくと思ってたんですがなかなかそうも行かないようで。
と言うよりいろいろな事が平行して起こっているのでなかなか問題が片付かない印象です。
この巻は前半がクロム・ディザスターの誕生秘話&追加設定話だったのですが、そう言う設定話を補完するのは嫌いじゃないです。
小説のノリとしては流れの勢いを削ぐのでどうかと思う事も有るんですがラノベのシリーズものだと紙面に余裕がありますし少しくらいの寄り道はありかなと思います。
このシリーズは毎回毎回新設定が増えていくのでやり過ぎな気がしないでもないですが、新しい要素ってのはオンラインゲームには必須ですから、致し方ないかとかも思ったり。自分がゲームやってる様な感覚にさせるという事なのかと思って居る。
今回、クロム・ディザスターの誕生について描かれました。
システムを破壊してしまい兼ねない危険なアイテムなので元々システムで用意されたものであったとは思ってなかったのですが、この作品で描かれている正方向の感情と負方向の感情のどちらかに傾くかというものの負方向の極致な誕生エピソードでした。
希望が絶望に変わるとき、人の醜さを見せつけられ傷つけられたあげく大切なものを失う辛さ故、この災禍の鎧は生まれた。
致し方ない事なのかも知れないです。ですが、ずっと呪いっぱなしなのは悲しいなと思う反面、ハルユキが所有者になっていることから、この思いはいつか報われる時が来ると安心してしまったりしました。
ただエピソードは思いっきり途中段階です。
この巻では終わっていません。
巻の後半はタクム君の背負い込んだ罪悪感にまつわる話。
ハルユキ君が大変な状態なのにいろいろ背負い込んでくるタクム君はもうちょっとタイミングとか考えようよとか思ったりする。
もちろん、抜き差しならぬ状況が発生しているからこそ、急いで対処してる訳なんですが、この子は鬱々スパイラルになってるので、もうちょっと冷静にタイミングとかを操作することを覚えようとか言いたくなった。
でもタクムってその傷のあり方が妙にリアルで分かり易い共感しやすい人物でもあるんですよね。
他のメンバーはどこか強い面があるんですがタクム君は精神的に打たれ弱いというか、ハルユキやチユリにおんぶだっこなのが親しみ易い。
だからこそなのだが、もう少し冷静になろうと思う、責任感とかに彼が押しつぶされないか心配でならないと思ってたらこの有様…。
ソードアート・オンラインやこれまでの展開を見る限り、ハルユキが何とかするんだろうとは予想はつくんだけど、この引きは地獄だなぁ。
もの凄く盛り上がったところでぶつ切りですよ。
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