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小説 BLAME! 大地の記憶

小説 BLAME! 大地の記憶

冲方丁:著
弐瓶勉:原作・イラスト
講談社


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アニメ映画も公開されにわかに活気づいているBLAME!の小説版です。
原作はシドニアの騎士で人気を得た二瓶さんの作品、つまりコミックです。
結構古い作品になるので、なんで今頃?という気がしないでもないですが、映画化に合わせて小説などを出版したという感じでしょうか。
原作も新装版が出てますしね。
さて、BLAME!ですが僕は原作を連載していた雑誌を読んでいた関係でちょこっと読んだことがあります。単行本も買いました。1巻だけ。原作は10巻まであるのですが、1巻で挫折したという苦い経験がある作品です。1巻の内容以降は雑誌でも読まなくなってしまったので、ほぼ初見といっていいでしょう。
原作でなんで挫折したかというと、主人公の霧亥が強力な武器を片手に何かを探しながら巨大構造物の中を移動していくという話で始まっているのですが、情報量がものすごく少なくて、何がなんだかよくわからなかったから。科学者のシボが出てくると少し情報量が増す感じはありましたが、基本、霧亥はしゃべりませんし、敵と会話すら成り立たないことが多いように思えました。
そういった中で、目的がなんなのかも良くわからないまま、独特の世界観と絵柄で押してくる作品は当時の僕には早すぎた感じがします。
挫折した作品であるのですが、小説ならば少しは情報量が多くなってるだろうということと、冲方さんの作品であるということで、手に取ってみました。
読後に少し情報を検索しましたが、ほぼ初見と同じ感覚で読み始めました。どうもこの作品は原作の2巻までをノベライズ化した作品ということのようです。

無尽蔵に高い構造物が建てられて、その中で人類(またはその系統分岐種)が暮らしているという世界観。構造物を建造しているのは基本機械でオートメーションされていて、またセーフガードという存在が、中で暮らしている人々を見つけ次第排除しにくるという危険な世界となっています。端々に出てくる時間の情報から、この構造物が「地球」に建てられている構造物であることと、とんでもない高さと広さを誇っていることがわかります。そして、人類が進化していろいろな種へと分岐して存在していることからとんでもなく未来の話であることが分かります。
その中でネットスフィア(構造物を維持管理しているネット空間)に接続できるネット端末遺伝子を持った存在を見つけることを使命とした霧亥が旅を続けていくという話になっています。その過程で出会った特殊な遺伝子を持った存在のサンプル収集などをしながら、旅をしていきます。基本的に霧亥の行動指針は人類を守る存在であり、依頼さればそれを遂行します。ただ、その依頼がなければかかわらないなど、自分を律するルールがややロボット的に感じました。本作で最初につれている少年と接するときや、シボと出会ってからは人間的なところも見せるのですけれど。
シボに請われることで生電社の頭取と戦うことになり、塊都という空間を救うために戦い、勝利を勝ち取るところで本作は終わっています。
そこまでで霧亥が空を見ることと大地についての記憶の断片を思い出すことをして、霧亥という存在がどんな存在なのかをおぼろげながらに説明して本作は終了となります。
ある一つの結末ではあるのですけれど、これ途中だよね!という感じになりました。

遠い未来において、都市から人々が切り離されて生きている時代に、霧亥という人がどういう風に感じてどういう風に生きていくのかを描いていた。それは冲方さんの感覚で現在の人たちにも投影できる感覚らしいですけれど、僕の実感としてはあまりそういうのは共感できず、読後感としてどう受け止めていいかすごく迷う作品になってました。
人によって受け取り方は違うと冲方さん自身も言ってるのでそれでいいのだとは思いますけれど。面白かったかといえば、原作のコミックよりはわかりやすかったし、作品世界を理解できたというのはあるんですけれど。満足感はちょっとない。
この先に霧亥がどうなっていくのかとか、結局、ネット端末遺伝子は手に入っていないので旅は続くんだということとか、人類が滅びに向かっていることが示唆されているとか…。この先が読みたくなることがいっぱい残っていて…。原作を読めってことなんでしょうけれど…。小説の終わり方としては不満足感がありましたね。先を読ませろと言いたい感じです。
でも、雰囲気からして小説版はこれで終わりなんですよ。
大地という大切な場所の記憶を断片的にでも霧亥が思い出したという点で、人類にとって帰るべき場所というのがどこであるのか示唆されている気がしました。この構造物に寄り掛かって生きている間は、人間は滅びの道から逃れられない。そんな気にさせられる物語、語りでした。

冲方さんのネームバリューを壮大に使った原作の宣伝小説。
そんなポジションなんですかね?これ。
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日記は思考が結構、鬱っぽいので鬱日記になること多し。
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