FC2ブログ

FIL:Blog

とりあえず日々思ったことなんかをつらつらと。

 

魔術士オーフェンはぐれ旅 魔術学校攻防

魔術士オーフェンはぐれ旅 魔術学校攻防

秋田禎信:著
草河遊也:イラスト
TOブックス


このアイテムの詳細をみる

ラチェットでてこねぇ!(問題はそこなのか?)

読んでいてすごくわくわくする所はあるモノの、事件の背景はとても政治的なモノが大きいです。キエサルヒマ大陸の利権者と、原大陸の人々の思惑の交差とか、カーロッタ派を初めとする旧キムラック協会の思惑とかそう言うのが入り組んだ結果、複雑で分かりにくい状況になっている。
しかもその中心で登場してないくせに愉しんでる奴がいる。スウェーデンボリーがその当人で、でも結局何もしていない。恐らく回りをけしかけて状況を作っている。自分の望むような。人では理解出来ないようなその思惑を動かそうとしている。
オーフェンやエド(この呼び方がやっとしっくり来るようになった)は、それを分かっていながらも神人通しの馬鹿な争いに対処しなくてはならない上に、原大陸の人に植え付けられてしまった対魔術士への恐怖感との戦いと言う2面、3面の戦いを強いられている。
しかも、その本来の能力を使えば、悪い結果が待っていると言う状況下が何とももどかしいです。
オーフェンが問答無用で脱獄してきてもあんまり状況変わらなかった。爽快感はあったけど。

そんな中がんばるのはやっぱり子供世代。
ラチェットは未来が予知できる=たぶんネットワークの片鱗を利用出来るので、他の人物に比べて有用性が高く効率良く動けるキャラである事がこの巻で良くわかりました。
オーフェンやエドすらも把握仕切れない彼女の動きってのはやはりそれだろうし、考えても見ればオーフェンもエドもネットワークの完全な管理者ではないんですよね。だから、それ以上の使い手が居ると出し抜かれる。
しかも小娘に。なかなか痛快でした。
子供達は結果的に学校に集まっているし、大人達もばらばらの立場ではあるけれど原大陸の人は殆どが、オーフェンを慕って集まった人達。

現在の戦争状況のはじまりが、どのように流れていくのかが興味があります。
この巻はあくまで途中の舞台背景の説明巻だったので。
読んでいくことで、関係している勢力が分かってきて、それぞれの利権なんかが分かる。そして、あのコギーやドギーといった面々やオーフェン、エド、イザベラたち、あの戦乱やドタバタを切り抜けてきた人達の青筋がそろそろやばい感じになってるのが、面白いというかわくわくしてしまう。
状況は決して芳しくないし、世界が掛かっていると言う嫌な状況ではあるんですけれど。

文句タレながらも諦めないで、へりくつで理屈を押し曲げて、力ある言葉で相手を上回る暴力で解決していくと言うオーフェンのスタイル。
まだ少し、大人になってしまったからなりを潜めていますけれど、あと少しで出てきそう。彼自身が、本当に彼しか対応出来ないような相手(エドがいるから少ないんだけど)にであったら、かの往年のオーフェンが見られそう。
そのわくわく感が楽しい。
でも話を読んでると鬱になるのは秋田仕様です。(笑)

そういえば魔術学校攻防ってそう言う攻防かよとオーフェンの台詞に突っ込みました。そこがキモだと思います。
スポンサーサイト



 

OUT OF CONTROL

OUT OF CONTROL

冲方丁:著
ハヤカワ文庫JA


このアイテムの詳細をみる

僕から言われたところで冲方さんはうれしくもないだろうけれど、これれまで何シリーズか冲方さんの作品にふれた上でこの本を読んだ感想が、冲方さんどんだけ天才なんだ?と言うことだった。
天才故に悩み、天才故に色々な表現でもって普遍的なテーマを描いていると思う。
このOUT OF CONTROLに収録された7編の小説はある状況下に置かれた人間の心の変化にテーマが置かれてる。しかもそれはホラーだったり、歴史小説だったり、SFだったり、自伝的なものだったりと描き方はもうバラバラも良いところである。僕が冲方さんを天才だと思うのはこういうところだ。筆を選ばなさすぎる。もっともそのテーマを描くのに適した舞台を持ってくる。その姿勢とそれをやるための準備、努力を惜しまない人なのだなと思うのです。

人間とは?人はある状況下でどのように考えどのような行動をとるのかか?この短編集に収録されていた各エピソードはどれもが特殊な状況化を提示した上で、登場人物がどう考えて行動しどうなるのかと言う形にまとめられている。定型と言えばその通りなのですが、それを感じさせない雰囲気が、冲方さんのすごい所だと思う。
特に最初の『スタンド・アウト』、『日本改暦事情』、『箱』なんてのが同じ体裁、流れでもって描かれているのなんて普通は気が付かない様な気がするんですよね。

天地明察を読んだ直後に『日本改暦事情』を読んだのでとても面白かった。
同じ事件、同じ人物を描いているのに長編として仕上がった天地明察と『日本改暦事情』では少し人の考え方が違う。『日本改暦事情』の方が急であって、それはやはり長編と短編の差を思い、感じさせるものがあった。
『スタンド・アウト』は作家になる前の冲方さん、そして『OUT OF CONTROL』は作家になった後の冲方さん。常に苦しんでる人だなぁと思った。
作家さんのものの考えってのはこうなのか、現実と創作の境の一歩が危うくなるようなそんな世界に彼らは住んでるのだろうか?そう思わざるを得ない。
もちろんそれは僕がその作品が大好きでしょうが無い冲方さんだからかも知れないけれど。

 

« »

12 2012
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
アクセスランキング

ぽちっと押されよ。
プロフィール

はがね

Author:はがね
日記は思考が結構、鬱っぽいので鬱日記になること多し。
購入して読んだ活字媒体と購入したCDのレビューやってます。
オタなので、ジャンルはオタ方向に傾倒。

チベタン・スパニエルという珍しい犬種の愛犬記事もありまする。

月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム
アフィリエイト