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とりあえず日々思ったことなんかをつらつらと。

 

マッド・バレット・アンダーグラウンドⅣ

マッド・バレット・アンダーグラウンドⅣ

野宮有:著
マシマサキ:イラスト
電撃文庫


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4巻。完結。
ハイル・メルヒオットの謎の目的に利用されそうになっているシエナを救うために奮闘してたラルフとリザの二人の賞金稼ぎの話もこれにて終了です。
前の巻でまだ全然、「イレッダの深淵」にたどり着いてなかった二人ですけれど、この巻ではうまく立ち回って「イレッダの深淵」へたどり着き、ハイルとの決着に持ち込むことが出来ました。
それまでが怒涛の展開で、ちょっとこの巻で終わらせるために頑張ってる感があったかなぁというのは仕方ないかなぁ。
でも、これくらいの長さで終わるってのは最近の冗長な長さのシリーズが多いラノベ界においてはちょうどいい長さで楽しめて終わるっていうのは大きなメリットだと思う。
ただ、ラノベ界、完結したシリーズに冷たいので、このシリーズが本屋さんに並んでるかどうかは、この先のこの作者さんのシリーズが次々に売れていくかというところですかね。
僕はこのシリーズはおおむね満足して読めました。

結果的にこの話で重要だったのはあきらめないってことだけなんだけれど、そのあきらめないってのはこの話の舞台となるイレッダでは重要なことだったのではないかなぁって思います。
背徳と不正が横行するギャングたちの街であるイレッダで、あきらめないでいるってのは難しいのでは?という感じ。
そして、「銀の弾丸」によって悪魔の誘惑により戦闘や暴力を望むようになってしまうという呪縛に対抗していくってのは難しいことだっていうのが、これまでの巻で繰り返し語られてきて、その呪縛に囚われたキャラクターの末路ってのがお決まりの末路だったわけですが、もとよりその悪魔の誘惑から無縁だったラルフはともかく、リザも前回のラーズとの戦いを経て悪魔の誘惑よりも自分自身の意思を確保することに成功していました。
今回はそんな二人だったからという感じで話が進行していき、最後の戦いに臨むという感じになってました。

話の消化度合の問題で、いくつかの戦いと「イレッダの深淵」の場所を突き止めるという捜査の過程を描かないといけないというジレンマがあって、展開を急いでる感があったのは前述の通りです。
そのせいか、ひとつひとつの戦いや謎解きみたいなところに紙面をとってるわけにはいかなくて、昨今のラノベでありがちなひとつの戦いで1冊終わりみたいな展開ではなくて、1つの戦いで1章が終わるみたいなスピード感がある巻になってました。
僕はちょっと急ぎすぎに感じましたが、人によってはこれくらいのスピードが良いって人もいるかなぁって所ですかね。
この辺はバランス感という感じではあるけれど、それほどこの話人気は出てなかったかなぁというところです。
4冊で終わったというのもその辺の都合って感じかなぁと想像していました。
僕は面白いと思って読んでましたが。
1巻、2巻で感じてた読みにくさってのも3巻以降ではあまり感じなくなってましたし。その辺は作者さん成長したんだろうなぁという事ですかね。

もう1冊使ってもよかったんじゃないかな?って思いました。
ラーズとの決着をつけるのと、アントニオから「イレッダの深淵」について聞くシーンを順序を逆にして、4巻でラーズとの決着をつける、5巻で「イレッダの深淵」への謎を解いてハイルと対峙するという展開、ペースで書かれてても良かったんじゃないかなって読み終わって思いました。そんな読後感。
もうちょっとこの話に浸ってる時間があっても良かったかなと。

ともかく最後は予定調和かもしれないけれど。
ハッピーエンドで終わって良かった。
ただ、シエナとの関係がこれで密接さを失っていくというのは悲しいかな。
ラルフの横にいるのはあくまでリザであって、シエナじゃないってのは分かってるんですけれど。
ラルフの平穏の場所にシエナがいても良いじゃないとは思った。
そういう終わりにならなかったのは残念ではありますが、まぁラルフの年齢とシエナの年齢じゃ開きがあるからそれが自然なのかなぁって。

作者さんの次回作に期待したいですね。
こういうクライムアクションが作風になっていくのかな?
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Fate/Apocrypha Vol.3 「聖人の凱旋」

Fate/Apocrypha Vol.3 「聖人の凱旋」

東出祐一郎:著
TYPE-MOON:原作
近衛乙嗣:イラスト
角川文庫


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Apocrypha3巻目。
赤と黒が本格的にぶつかり合った前巻。聖杯大戦を扱ったとされるApocryphaで大戦って感じなのはそこまでなんですよね。
実は。
それ以降は天草四郎の願いを助ける側と挫こうとする側での戦いで、片方の規模が少ない戦力なので大戦という感じにはならないです。
何となくですけれど、大方全部揃ってる赤の側にたいしてボロボロの黒の側が挑戦者という感じがするんですよね。
戦いも集団戦ではなく、集団行動しているけれど発生するのはひとつひとつの戦いになっていて聖杯戦争の延長でしかない印象が出てきます。というのはアニメを見て先を知っているから語れることで、実はこの巻は大きな動きってない巻なんですよね。
実は。

前巻のラストで天草四郎の言に乗るか反るかを強いられたサーヴァントたち。
赤のサーヴァントではセイバーが反旗を翻したけれど、他のサーヴァントは納得はしないけれど反旗を翻すまでもないということで残留。黒のサーヴァントではキャスターが天草四郎陣営に鞍替えするという事が起きて終わりました。
で、この巻ではその黒のキャスターが自分の理想を追い求めるという話で、それと黒の面々+赤のセイバーが戦うというのが前半。
中盤は自我を強くしていくジークを中心に、人間関係が構築されていく様を描いて、ユグドミレニアが残してしまった問題点、黒のアサシンに対する戦闘を行うという流れになっています。
黒のアサシンは召喚したマスターである魔術師を即殺して、別の人物の魔術士じゃない人をマスターとしているので、魂喰いをしないといけない。
それで、赤の陣営の先兵だった魔術協会の魔術師を殺して回ってる、一般人にも被害が出てる、隠しきれないので対峙しておかないといけないという感じの展開ですね。
ただし黒の陣営(ユグドミレニア)は天草四郎を負わないといけないので、アサシン狩りに使える時間は3日間という短期の話となっています。

まずはアヴィケブロン戦。
アヴィケブロン、一見して自身の望みとか出してないキャラで、裏切ってまで何か行動をするって考えにくいキャラだなぁという感じなんですけれど、彼には彼なりの理想っていうのがあって、その為には黒の側にいるよりも赤の側に寝返った方が効率的に望みを果たせるという理由が彼が裏切った理由。
しかも裏切った直後から行動すれば、ユグドミレニアの魔術師に事態を察知される前に事を起こせるという事情からの行動でした。それは彼の宝具である王冠:叡智の光と呼ばれるゴーレムを完成させること。
このゴーレム完成すると、原初の人間であるアダム、しかも楽園に居た頃のアダムを再現できるというもので、その核として有能な魔術回路を持った人物が必要という事だった。ユグドミレニアに居たころは、ジークがその候補に挙がったんだけれど、逃げられちゃったし、それの代わりに上げられたのはゴルドだった。でもアヴィケブロンとしてはゴルドでは不満で、できれば自分のマスターであるロシェを使いたいという事情があったところに裏切りの打診だったので乗ったという感じでした。
これだけ見ると、アヴィケブロンがすごいひどい人に思えるんだけれども、彼は彼ですごく純真で、虐げられた過去を持っていながらも人々を救う宝具の発動を目指したというところでした。ただ、それは現在の営みを破壊してエデンに地上を書き換えるという暴挙なので、ルーラー・ジャンヌ・ダルク以下、黒の陣営としては認めるわけにはいかない。ロシェも犠牲になっているということで、アヴィケブロンをさくっと排除した上で(本当にあっさりしたものでした)、王冠:叡智の光を描くという感じでした。
考えると、天草四郎の考えに一番似ていたサーヴァントはアヴィケブロンだったなぁという気がします。ただ目的が人々の救済である天草四郎に対して、アヴィケブロンの方は結果、アダムが救済するかもというだけで目的としてはアダムの再生であったのが大きな違いですかね。
アヴィケブロンが純真だっただけに、恐怖と悲しさを感じました。

ジャック・ザ・リッパー戦は、ジャック陣営有利で進んでる感じですね。
ユグドミレニアの城塞に入り込まれて被害が出たり、狩りだそうとしたら、ジークがやられそうになってこの巻終了となるなど、その特性を存分に生かして戦っている感じです。
山の翁(ハサン・ザッバーハ)を呼んだ時に比べてジャックの能力がえらい、暗殺や謀殺に向いている上にアサシンとして有能すぎる気がします。
山の翁がだいたい1つの能力しかもたないのに対して、ジャックは霧の毒や記憶阻害なんかを持っているので、すごく有能なアサシンに見えますね。
山の翁とジャックが戦ったら、山の翁が勝つ気がしますけれど、普通のサーヴァントだと1人でマスターを守り切れるかという風になると難しい気がしますね。
このジャック・ザ・リッパー、反則的にアサシンとして有能ですよ…。
多少の油断があったにせよ、ユグドミレニアは狩りだそうとして逆に逆襲されてマスターを一人倒されそうになってますからね。

タイトルは聖人の凱旋となっているこの3巻。
聖人と言えば、ジャンヌ・ダルクか天草四郎で、この場合天草四郎を指していると思うんですけれど。
彼についてはあまり描かれてません。
描写的には赤のライダーが彼を試すとか会話とかしていますけれど、ほんの少しです。
タイトルが内容とあってない気がするのはApocryphaのお約束なんでしょうか?ここまで3冊。全部、なんかずれてる感じがしないでもないです。
たしかに、天草四郎さん、ユグドミレニアから大聖杯を奪取してご帰還する移動中ですけれど…。

内容的に派手な動きがあった巻ではないですけれど。
ジーク、ジャンヌをはじめとして、いろいろなキャラの内面が見れる巻になってましたね。
マスター陣ではカウレスやゴルドですかね。ゴルドはだんだんいい人になってるのが面白いところですけれど、まだもうちょっとですかね。
カウレスとかはほかの作品(ロード・エルメロイⅡ世の事件簿)にも出てますし、内面とか掘り起こしがされてると、これからもちょいちょい出番があるんじゃないかなぁって期待できますね。
そういえば、この巻でロード・エルメロイⅡ世が出てるシーンがあって、彼が参加した聖杯戦争についても言及されてました。やっぱりイスカンダル破格のサーヴァントなんだなぁ…。ギルガメッシュとは相性が悪かったですけれど、あれが無ければ彼が勝者になっていたのは目に見えていて、今回の聖杯大戦に放りこんだら、サーヴァント率いて世界征服始めそうって言われる始末。
まぁ好きなキャラですし、こうやって登場や言及されるのはうれしいところ。
このシーンて文庫版じゃなかったところにはあったのかなぁ。あまりにもこの作品が書かれた時にはまだ執筆されてなかったロード・エルメロイⅡ世の事件簿に準ずる描写がされていたので、書き直しとかされたシーンかなって思いました。
さすがに、この文庫版を読んだあとに新書版を読む気にはならないですけれど。
次は4巻ですねー。先長いなぁ…。
アニメだともう終盤に差し掛かってるところなんですけれど。
本が分厚いわりに、進みが遅いのでびっくりしています。

 

ソードアート・オンライン24 ユナイタル・リングⅢ

ソードアート・オンライン24 ユナイタル・リングⅢ

川原礫:著
abec:イラスト
電撃文庫


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SAO24巻目。ユナイタル・リングの3巻目です。
SAOも長いですね。とおもったんだけれども半分くらいはアンダーワールド関係で、エピソード的にはこれまだ4つ目なんですね。
最初のSAOが2と短編集と少ない割に、アンダーワールド関係が冊数が多くてアンバランスさをちょっと感じないでもないなぁって読み終わって巻のナンバリングを再確認した時に思いました。
ユナイタル・リングは果たしてどれくらいの長さになるんですかね。

前の巻がメインがGGOだったシノンが合流する話で、今回は前巻のラストでリアルで合流したアルゴが合流する話となってます。
それが前半。後半はアンダーワールドに不審なアクセスがあったということで、調査に乗り出すという展開。
ユナイタル・リングと銘打っておいて、その他の事件を同時進行で描いていく必然性ってないからこの事件もユナイタル・リングにからんでくる話なんだろうなぁって思って読んでました。

アルゴが合流する話ではアルゴとのリアルでの邂逅から続く話があって、それで合流するという話。アルゴはどうやらSAOが終了した後はVRMMOから離れてたようでSAOのキャラからの直接のコンバートとなった様子。
SAOからのコンバート組はどうもALOと同じ位置からのスタート(ALOがアインクラッドを内包してたから?)だったようで、合流はそんな離れた位置ではないという感じで行われました。
その間の展開としてはキリトが町を作ったという話と、アルゴとの合流時に回りの状況を得てみたらどうも他のプレーヤーから不本意にキリトたちが狙われているということ。
特にキリトなんでしょうけれど、ムタシーナという女性が謎の強力な魔法を使って他のプレーヤーたちを支配下に置いてキリトたち一行を殲滅しようとしているという話でした。それでキリトも呪いにかけられてるんだけれども、とりあえずアルゴの他には内緒で行動中というところ。
このムタシーナさん、ユナイタル・リングでレベルが下がったはずなのに強力過ぎる魔法を使うってことでも不信なんですけれど、所属してる組織名が「仮想研究会」っていうんですよ。SAOはアンダーワールドからこっち、ちょくちょくアクセルワールドを意識させるワードがちょくちょく出てくるんですけれど、この「仮想研究会」ってのもAWを意識させるワードでしたね。AWでは諸悪の根源として主人公たちと戦っているのが「加速研究会」ですからね…。ネーミングからして怪しいです。
「加速研究会」の前身なんじゃないですかね?SAOとAWは数十年の隔たりがありますけれど、なんとなくそう思いました。

アンダーワールド関係の方は、調査にキリト、アスナ、アリスが参加して調査に赴くということで、アンダーワールド大戦が終わってから200年たった世界へ調査へ向かうというところ。
今回は調査はじめということで2時間に区切ってのダイブ。アンダーワールドはキリトとアスナが帰還してから等速に固定されてるそうで(それでも等速にするまでの時間経過で30年たってる)、キリトやアスナの事を記憶している人もいるという感じ。
ただ、なんか違和感を感じさせる状態になっていて、30年しかたってないのにキリト、アスナの事を一般の人たちが星王、星王妃の事を知らないとか、心意についての扱いがキリトの知ってる状態とは違うとかそういう状態で、謎をはらんでいるところでちょっとした事件によってキリトが拘束されるのですが整合機士団が救い出してくれるという展開。そして登場した機士団長がユージオをイメージさせる人物でというところで時間切れ強制ログアウトという感じ。
こちらは整合機士団が仲間になって不正アクセスした人物や目的を追うんですかね。

ラストはユナイタル・リングに戻って、今後どうするかとか話してるところに地震。
地震の原因を探る為にその方向(VRMMOでは地震があると震源方向がわかるらしいです)をみてみるとキモイ虫が何かと見おぼえのある敵と戦ってるという展開。
このキモイ虫、以前スリーピング・ナイツが遊んだといっていた虫になるVRMMOのキャラでエギルの奥さんがプレイしているキャラらしいです。エギルの奥さん趣味わるいなーって笑いながら読んでたら、見覚えがある敵として出てたモンスターがザ・スカルリーパーつまり、アインクラッドで最後に戦ったボスで、そんなのを相手に貧弱装備&レベルでどうするのよ!って感じで終わってました。

AWとの繋がりを感じさせるワードが頻出する、キリトの仲間といえる人物が総登場し一同に集まる、ユナイタル・リングとアンダーワールドで同時に事件が起きている、スカルリーパー登場と、いろいろ要素はてんこ盛りでしたけれど、どれも話の過程で終わってしまっているので、感想とか書きにくい巻でしたね。
楽しんで読めましたけれど、これからの展開を期待させるための巻であってこれで完結するわけじゃないですし、仕方ないかなという感じ。
盛り上がりとしては前の巻の方が強敵との戦いとかあって盛り上がりました。
この巻はこれから盛り上がる!というところで終了しているのがきついですね。
次を早くってなります。
前はSAOは1巻2巻でエピソードが完結してたんだけれどなぁ。アンダーワールドからこっち長丁場を感じさせる書き方なんですよね。
20巻を超えて人気があるのだから、もっと伸ばしたいのはわかるんだけれども。
アンダーワールド大戦で終わったと思ってたらまだまだ続くよSAOってかんじでねー。どこまで続くのかなぁSAO。

 

86―エイティシックス―Ep.8 ―ガンスモーク・オン・ザ・ウォーター―

86―エイティシックス―Ep.8 ―ガンスモーク・オン・ザ・ウォーター―

安里アサト:著
しらび:イラスト
I-Ⅳ:メカニックデザイン
電撃文庫


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8巻目です。
帯やあとがきにも書いてあることなんですけれどアニメ化だそうです。
早いですね。アニメになるスピード。まだ8巻くらいのラノベでアニメ化って人気作な証拠だろうなぁと思いました。
アニメに関して読書感想で書くのは反則だと思うんですけれど、せっかくだから僕がこのアニメ化に関して思ったことは、1巻を1クールで又は3巻までを2クールでやってほしいと思ったことでした。
戦闘シーンの見せどころも多いし、エイティシックス達の心情を丹念に描いてほしい。
その為にはそれなりの話数を割いて描いてほしいなと思ったんです。
だからいったん話が完結風になる1巻まで(これは新人賞応募作だったんので1巻完結は前提だったはずです)か、最初の電磁加速砲型との決着がつく3巻まで。
その辺でやめておくのが綺麗だと思うんですけれど、どうなんですかね。

さて本の方の感想。
どこまで追い込むのよ作者さん。
今回はシンが主役というよりもセオに焦点が当たった巻でした。
もちろん全体の主役としてシンがいてという形ではあるんですけれど、最後の攻防戦などはシンは途中で居なくなりますし、前半の戦闘前の心理描写パートでもセオが中心に描かれて行くという形になっています。
これは最初のスピアヘッド小隊で生き残って連邦にたどり着いた5人の内のひとりに焦点を当てていくという形なので、割と自然に受け入れられました。
前半の本当に前の方はいつも通りシンがストーリーを引っ張っていく形で、前巻で明らかになったレギオンの停止手段について、シンやフレデリカやレーナやヴィーカといった戦隊の指揮をする面々が懊悩するという展開で始まります。
すなわち、フレデリカという犠牲で戦争が終わる手段を是とするか否か。
これはまだレギオンのその停止コードを発動できる場所が分かっていないことから棚上げになりますが、シン達の思いとしては誰かひとりを犠牲にしてというのは、少数を犠牲にいて生き残ろうと考えた共和国のエイティシックスを生んだ思考と同等だという事で拒絶するという感じです。特にシンがそう思ってる。それに対してフレデリカは自分が犠牲になることで戦争が終わるなら犠牲になるという覚悟を見せるんだけれどという感じのエピソード。
最近、ラノベ界ではこのネタ多い気がします。
少数を犠牲にして少しでも多い方を助ける正義が是か否かというやつね。前々からそういう話は幾度となく繰り返されてきて、その物語にあった結末が迎えられてたんだろうけれどもFate/Zeroからこっち、この問いかけの比率が上がった気がしますね。
少々またこれかと思わないでもないです。
でも、盛り上がるんだよね。この話。どちらに転んでも格好良く描けるし、主人公たちの苦悩を描けるというのは物語の紡ぎ手としては使いやすいんだろうなぁと思いました。
本作の場合、エイティシックスという土台があるので、フレデリカを犠牲にしないというシンの覚悟を聞くとよしっ!ってなるんですけれどね。

戦争が終わったら海を見に行く約束をしたら、次の戦地が海だったお二人。
シンがレーナに告って盛り上がりを見せた本作。
レーナが答えなんて決まり切ってるくせに、パニくって回答保留してますが、まぁ、この二人の恋愛はこれくらいの進行度であるのが良いのかもしれません。
で、周りも周知している二人の間の約束事である「戦争が終わったら二人で海を見に行く」ですが、連邦の戦いがひと段落していることからか各地を転戦することになってる機動打撃群。今度の戦地は無常にも海でしたというネタ。
吹きました。えぇ吹きました。大笑いしながら読んでましたよ。
海に行くって約束してて、戦争も終わってないのに強制的に海を見せられる二人。微妙な空気。
まぁ、せめてもの救いが平和なビーチではなくて荒波たつ暗い海で、二人で見ようと思ってたものじゃなかったことですかね。
周りのみんながプークスクスしてるのが面白かったです。
86の世界では制空権はレギオン側に取られていて、自由に飛行できないので飛行機が衰退してるという設定になってましたが、海はどうなんだろうというのが今回に感じた疑問。
今回舞台になるのは沿海州とかよく言われるような設定の場所で、海関係に強い小国が寄り集まって集団を形成しているところ。
そこではレギオンとの戦いはどうだったの?という感じの疑問に答えてくれる巻になっていました。
つまりは負け。滅びるぎりぎりのところまで来ているという感じです。
86の沿海州である征海船団国は歴史的にはクジラと戦ってきた国という設定。86の世界のクジラ半端なくて原生海獣と書かれています。お怒りになるとレギオンの奥の手が一発で崩壊するほどの生物です。
それと戦う船団を使ってレギオンと戦ってきたけれど、もう船も残ってない、国も失った、誇りさえ今回の作戦が終われば船が全滅し手放すことになるという状態で、連邦などから救援できるよという打診が来たところに飛びついて救援を求めたということで、機動打撃群が派遣されるという展開です。

ここで問題なってくるのが、征海船団国軍の長として戦っているイシュマエルの態度がエイティシックスの面々にそれなりの影響を与えるというところ。
征海船団国は国の集まりですがイシュマエルの国はレギオンの大攻勢を防ぐ為の盾となって滅びており、彼に残ったのは戦い抜く誇りだけという事。エイティシックスと同じだという事なんですけれど、彼はそれさえも捨て去ってでも、残った人々を救う道をという選択をしています。船団はこの作戦が終われば残ってないことが予想されているのに、もう戦う誇りを失ってしまうのにという事で、セオの心を大きく揺さぶる結果になります。
戦い抜く誇り以外の何かを見出しつつあるシン、アンジュ、ライデンに対して、クレナとセオはそれが出来ていなくてアイデンティティがもとのエイティシックスから抜け出せてないという状態です。
そんな思いを抱えながら戦い、征海船団国軍の船がドンドン沈んでいく、イシュマエルが戦い抜く誇りをどんどん失っていくというのを目にするという展開がまっていました。
セオはそれを見て、なんで?って葛藤することになるという感じです。
そんな中で、誇り以外の何かを手に入れていたシンが行方不明という事態に陥り、その代わりを果たそうと奮闘しようとするセオ。
シンじゃなくて自分がそうなるべきだったみたいに思いながら戦うという話になっていて、エイティシックスの悲しさっていうのを感じさせてくれました。
そして戦いが終わろうというときに、セオを襲った事態で幕。
シンが無事だったというのを確認したとたんこれかよ!というところで途切れていて、この先どうなるのよ!という感じです。
ただでさえ精神的に追い込まれてたセオにさらに追い打ちかけるかと。

セオの状態がすごい気になる終わり方。
早く次をってなりますね。これは。
それと、クレナが予想以上にシンに依存してて、これも困った感じ。だってシンはレーナに取られちゃうわけで。戦争が終わったら彼女の居場所無くなっちゃうんですよ。
もとから、クレナはシンに惹かれてる描写はありましたけれど、そこはエイティシックスなので、仮にシンが死ぬという事態になったらなったで奮起して敵をとってってなるかと思ってたんですけれど、予想外でした。
彼女のこれからもとても心配。

 

Fate/Apocrypha Vol.2 「黒の輪舞/赤の祭典」

Fate/Apocrypha Vol.2 「黒の輪舞/赤の祭典」

東出祐一郎:著
TYPE-MOON:原作
近衛乙嗣:イラスト
角川文庫


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Apocrypha2巻目。
大々的に聖杯大戦がはじまるって感じの巻。
主人公であるジーク君やヒロインであるジャンヌ・ダルクの影がいまいち薄いのが気になるのですが、物語的には一番盛り上がるところじゃないかなぁと思いました。
というのも、この後、ごちゃごちゃと陣営が入れ替わるのですが、大きな大戦としての話はここで終わりなんですよね。
と、アニメを見て物語を知っている僕としては、この部分ってこんなに早くに訪れるところだったっけ?と思いながら読んでました。
アニメだともうちょっと後ろにずれてたような…。

パートとしては大きく3つに分けられます。
章立ても3章ですし、おおよそ話が大きく区分けされてて読みやすいですね。
まずは今まで登場していなかった黒のアサシン、ジャック・ザ・リッパーを討伐する話。今、話が展開中のFate/strange Fakeでもジャック・ザ・リッパーは出てきますけれど、あちらは男性で成人してる感じです。こちらのジャック・ザ・リッパーは少女ですね。大きく違います。Fate/strange Fakeの方は本人じゃないって話になってますし、それはそれでという感じですかね。
マスターが魔術師じゃないので(もともと召喚したマスターではないらしい)、殺人による魔力補給をしているところに、フィオレ&ケイローン組と獅子劫さん&モードレッド組に追われるという話。この2組って聖杯大戦に参加しているマスター&サーバントの組では能力高めの人達だけれど、手傷を追ったものの逃げれちゃうのはさすがというところでしょうか。
マスターをお母さんと呼び幼い感じでしゃべる、ジャックにちょっと怖いものを感じますが、背景がちらっとでてて、それゆえにというのがわかる感じ。
フィオレと獅子劫さんが連携とってれば、勝てたんだと思うんですけれどね。

真ん中のパートは聖杯大戦そのもの。
赤と黒のサーバントのぶつかり合いというのが描かれます。
ただし、モードレッド、ジャックが不参加で、セミラミス、シェイクスピアは基本動かないので、それ以外の人達という感じです。
アニメを見ていた時にも思ったんですけれど、いまいちカルナの強さがわからない。土地補正を受けたヴラドⅢ世と同等にやりあえてるのでかなり強いんだと思うんですけれど、もともとの彼の話であるマハーバーラタを知らないものだから、感情移入がしにくいんですよね。それよりはやはりギリシア、ローマ神話系であるケイローンやアタランテ、アキレウスなんかの方が魅力があるキャラにうつるという感じです。
ただ、ちょっとこの辺はキャラが多すぎて、コマ的に動いている感じですかね。
あまり、各個人の感情とか目的とかそういう面を前には押し出されていなくて、ちょっと残念な感じはしました。
もちろん、全くないという感じではないんですけれど、赤も黒もどちらのサーバントも目的意識が別々なので、陣営を超えて戦う素振りってのが全くないのが違和感といえば違和感かな。
特にケイローンについては目的をはっきりと大戦序盤で語るシーンがあるので、唯々諾々としてヴラドⅢ世やダーニックに従う気がないっぽいので、展開としては違和感を感じないでもなかったです。
これさ、ジークフリートが健在だったらゴルドがまず、ダーニックを出し抜くようなことしてたんじゃないかなぁ?ゴルド、今現在、飲んだくれおじさんになってるけれど。
それにしても、サーバントの真名ばれるばれる。
ルーラーがいるからというのはあるんだけれど、今までのFateシリーズはサーバントの真名は読者にも明かさないように書かれてたけれど、読者に隠さないのはともかくとして、サーバント同士で相手が誰であるかばればれで動いてます。
現段階でばれてないのってモードレッド、カルナ、アタランテ、シェイクスピア、アヴィケブロン、フランケンシュタインくらいかな?半分以上ばれてるし。
なんか真名あてクイズ的なところがFateの魅力のひとつだとは思うんですけどねぇ…。

最後のパートはジークのジークフリート化(と対モードレッド戦)と、ヴラドⅢ世の吸血鬼化の顛末。
結局セミラミスの「虚栄の空中庭園」によって攻め込まれてしまい、窮地に陥った黒側というかダーニックが令呪をつかってヴラドⅢ世を吸血鬼化&自分と一体化して、強引に聖杯に願いをというところと、それをルーラー権限でジャンヌが阻止を他のサーバントへ命じるという流れ。
結果的にサーバントは誰もヴァンパイアという世界的に有名な怪物には追い付けず倒せずというところに今回のすべての黒幕であるシロウ登場。
シロウが冬木の第3次聖杯戦争で呼ばれたルーラーであることが明かされておしまい。
シロウ=天草四郎時貞って聞くといい人っぽいですけれどねぇ。人類の救済が目的だって言ってますし。
まぁ、でもこういう話で人類の救済を目的とする人ってだいたい悪者だよね。
このパートだけちょっと詰め込み過ぎな気がしました。
「虚栄の空中庭園」によって大聖杯を奪われそうになったとは言え、ダーニックがあんなに簡単に暴挙に出るのちょっと小物過ぎないって思っちゃうのね。
それまで超然とした態度してたのに、攻め込まれたときの事考えてなかったのかしら?って思ってしまった。
ちょっとその辺は残念ポイントかな。
ダーニックの思い的なところをもっと描いてもよかったんじゃないかなぁ。
仮に聖杯大戦の描写が長くなったとしてもそれは許されたんじゃなかろうかと思いました。

まぁ、そんなわけで。
黒幕登場でこれからどうなるんですか!というところで幕です。
アニメを見て知ってはいても、本で読むとやっぱり印象は違うもので、ひとつひとつの戦いの重みというか、展開に面白さが増してたと思いました。
その分、ダーニックの件は残念に思いましたけれど。
あと、3冊。
アニメだと聖杯大戦で半分くらいだったような気もするんですが…。

 

Fate/Apocrypha Vol.1 「外典:聖杯大戦」

Fate/Apocrypha Vol.1 「外典:聖杯大戦」

東出祐一郎:著
TYPE-MOON:原作
近衛乙嗣:イラスト
角川文庫


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Fate/stay nightのスピンオフ作品。
Fate/Zeroが出た後くらいに出た作品だから、割とFateシリーズの中では古い部類だと思います。長らくTYPE-MOON BOOKSでの刊行だけだったのですが、この度角川文庫からリリースされて入手しやすくなりました。
これ、角川文庫なんですよ。角川スニーカー文庫じゃなくて。なんでなんでしょうね。
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿の文庫版もこれと同時くらいにリリースされてたんですけれど、そちらも角川文庫。何故かは分かりません。
それとFate/Zeroの文庫版は星海社文庫で講談社系の会社からでしたが、これらは角川系列になってますね。いろいろあるのかな大人の事情。
全5冊での刊行で、僕が読み始めた時には文庫版は5巻までリリース済みの状態です。
あとがきに全4巻予定と書かれてますが、これはTYPE-MOON BOOKSで刊行されたときのあとがきのままだからだと思います。
アニメ化されて、そちらを見ているのでストーリーは知ってる状態で読むことになりました。アニメ化がどれくらいオリジナル展開あったのかは不明ですがアニメは2クールでしたね。

Fate/Apocryphaの位置づけですが、Fate/stay nightのスピンオフとなっていて、Zero、stay night、ロード・エルメロイⅡ世の事件簿が正史扱いされてるのに対して、この作品はZeroの前、第三次聖杯戦争から歴史を分岐させたパラレル世界の話となっています。
なので、第四次聖杯戦争は冬木で起こっていません。
ただ、Fate/strange Fake同様に亜種聖杯戦争は世界各地で行われるようになったということで、ちょい役で出るロード・エルメロイⅡ世はそれでZeroの様な経験をしているという世界観ですね。じゃないとウェイバー君がロード・エルメロイⅡ世にはなってないはずですから。
で、正史の第三次聖杯戦争ではアインツベルンが通常の7種のサーバントではなくアヴェンジャーを呼んだことになってます。これが語られるのhollow ataraxiaだったかな?それに対してこのApocryphaの第三次聖杯戦争ではルーラーが呼ばれたことになっています。
という違いを抑えておくと分かりやすいというか、正史と混同しないで読めるかなぁと思います。普通にとっついちゃうと正史とごっちゃになるからね。Fateシリーズ。

冬木の大聖杯を奪ったユグドミレニアが満を持して聖杯戦争を始めるというのがこの話となっています。ただし、ユグドミレニアは通常の聖杯戦争をする気はなくて必ずユグドミレニアが勝利する条件を整えて行うという形。その形というのが、サーバントが1勢力にまとまると大聖杯が聖杯戦争が成り立たないと判断して、もう7騎のサーバントを呼んで2勢力による聖杯戦争を行うようになるという性質を利用したものです。
結果的には聖杯に注ぐサーバントはそれなりに必要になるようで最終的な勝利者は1組のマスターとサーバントという事になるようですが、それはそれ。
最終的に地の利を生かしてユグドミレニア側が勝つであろうという状態で聖杯戦争が始まるというのがこの話です。7騎ずつ呼ばれたサーバントが2勢力に分かれてユグドミレニア側が黒、魔術協会側が赤とされて戦う聖杯大戦がはじまるという段階から、ほぼ初戦に当たる戦いの顛末が描かれてるのがこの巻。
主人公であるユグドミレニアが用意した魔力供給用のホムンクルスが自我を持って逃げだしたところを黒のライダーであるアストルフォや黒のアーチャーであるケイローンに救われつつ行動していくという過程で、戦いに巻き込まれてという展開。
そこで劇的な行動にでるのが、黒(ユグドミレニア側)のサーバントで唯一マスターと良い関係を気づけていなかったセイバー、ジークフリート。
彼がホムンクルスを救うために自分の心臓をささげるとことまでがこの巻の話となっています。

文章がとても読みやすい。
難しい漢字を使いがちな印象はありますけれど、それさえなければすらすらと読めるし、話の展開で場面展開が必要な個所も明確になっていて全体が見渡しやすい書き方になっていました。
それと今までのFateシリーズではサーバントの真名は読者にも隠す方向で展開されていくのが常でしたけれど、今回は登場したサーバントはほぼほぼ登場した時点で真名が明かされるのが特徴的だなぁって思いました。
ジャンヌ・ダルクとか、アストルフォとかは明確に名乗っちゃうしね。

主人公は前述しましたがホムンクルスなんですけれど、まだこの巻では目立った活躍がなく、他のキャラの方に焦点が当たってる割合が大きかったですね。
一見して主人公に見えるのは赤のセイバー側。モードレッドと獅子劫さん。
他のキャラクターはそれなりの分量で描かれてるけれど、あんまり主人公的なイメージはありませんでした。

そういえば、途中で聖杯に願う願いの話をしているときに、最終的には同士討ちになるのがこの聖杯大戦という話が出てました。
それを聞いて思ったのがユグドミレニア側のサーバントの質。
明らかにユグドミレニアの長であるダーニックが勝ち残れるようになってるのね。
土地の加護がある上に、素で戦ってヴラドⅢ世が勝てなさそうなのって、ケイローンかジークフリートだけ。ジークフリートには大きな弱点がありますし、ケイローンも土地の加護があればおそらくはヴラドⅢ世の方が有利でしょう。
ダーニック汚い。実に汚い。
まぁ、先の話を知っているので、その辺はまぁ予定調和で読んでましたけれど。
でも、ケイローンなら万が一って可能性ありそうだけどなぁ。
赤側の印象がまだ薄いですね。薄いままスパルタルカスは退場しちゃいましたけれど。
これから、残りのメンバーの活躍を期待したいですね。

アニメを見ていたおかげでイメージはしやすい。
文章が説明をきちんとしてくれてるのでアニメでは解りづらかったところとかも補完されてて原作小説らしい良さがありました。
ちょっと、別作品を挟むかもしれないけれど、ちゃっちゃと読み進めたいですね。
面白い。話知ってても面白かったです。

 

ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインⅩ ―ファイブ・オーディールズ―

ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインⅩ ―ファイブ・オーディールズ―

時雨沢恵一:著
黒星紅白:イラスト
川原礫:原案・監修
電撃文庫


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とうとうGGOも10巻です。
あとがきを読んでいたら前の巻で次は短編集とか言ってたみたいです。記憶にありませんが。(笑)
で、今回が短編かと言われると話は細切れにできることはできるんだけれど、短編ではなくひとつの連作という感じですかね。
章ごとに舞台が変わるので、イメージが異なる戦いをしているという感じになっているのですがひとつのクエストにチームで挑んでいるという体裁です。
タイトルの通り5つの試練という感じで、クエストの中に5つの小クエストが入っていてパッケージになってるという感じです。連作クエストみたいな。
その5つの試練を突破する時間をリアルタイムで他チームと争っているという話になっています。
クエストなので人対人ではなくNPC対人なんですよね基本。
まぁ、ピトフーイという人物がいるので対人戦はねぇ…。という感じの展開。
この巻で時雨沢さんが言いたかったことって、時雨沢さんは犬派ですってことみたいですね。
クエストの案内人が喋る犬なんですけれど、時雨沢さんの作品で僕が他に読んでるのはキノの旅だけなんですけれど、あれにも喋る犬出てきますね。喋る犬好きみたいです。
時雨沢さん。

メインが対人戦では無いんだけれども、人間関係がいろいろ変わった感じになります。
9巻のラストでLPFMとSHINCでカラオケに行ってますが、あのカラオケの中での話からこの巻はスタート。
この話がReoNaさんが神崎エルザとして出したシングルのPrologueの初回限定版だかのブックレットに含まれた話の加筆修正版だそうです。僕、このシングルは配信で買ってしまったので持ってなかった(というよりもそんな本の存在知らなかった)んですよね。
ここで、SHINCのメンバーがピトフーイのリアルを知ったことから、人間関係が少し変わっていきます。SHINCのメンバーがピトフーイを慕っているという感じに変化して(リアルで慕ってるから)、それがゲーム内の関係性にも影響が出てます。
今後スクワッド・ジャムをやるときにはどうなるんですかね、SHINC、LPFMと戦えるのかな?
そんなカラオケ宴会から続いてそんなに時間を空けずにイベントが開始されて今回は12人までOKということでLPFM+クラシャリ+SHINCで12人で参加するという話になっていました。
話としてはとても面白いんだけれども、やっぱり対人の駆け引きをやってるっという印象のあるスクワッド・ジャムよりは緊張感はなかったかなぁ。
もともとゲーム内の話ではあるんですけれど、よりゲーム感が出てた印象が残りました。で、この5つの試練。用意したのは例の作家=時雨沢さんという事になってるのですが、試練のモチーフが作家の作品から取られているという風になってました。
で、作品を読んでいたピトフーイがヒントを作中から得てクリアに結び付けるというシチュエーションがあったんですけれど、キノとかにモチーフになった作品があったのかしら。一応作中作としてタイトルとか内容を言ってたんだけれど、当てはまる話はちょっと思い浮かばなかったです。キノ以外だと僕は読んでないし、キノだったとしても話がありすぎてどれだかはパッと無理かなーと思いました。
ピトフーイやアンナ、パッと思い出してすごいなと思いました。
どんだけ、時雨沢さんの作品を記憶してるんだ。(笑)いや、ピトフーイはスクワッド・ジャムの景品で読まされたんだろうけれど…。

そんなこんなで半分が欠落しつつもラストの5つの試練を乗り越えたところで、出てくる問題。
そして結論を出すための対人戦=仲間割れとなります。
ピトフーイ+SHINCの二人vsレンフカシャーリー。
バランスはレン達の方が良いですが、決めた戦闘ルールのせいでレン達が不利という感じですかね。それをはねのけてピトフーイを追い詰めるまで行くのですが結果は…。というところで結論がでて戦闘終了。
そして大団円へという感じでした。
今回も面白かったですね。それにしてもAM.45、ピトフーイももってたのね。これガスガン化してくれないかなぁ。ヴォーパル・バニーはさすがにピンクピンクなのでパスしたんですよね。
その他にも時雨沢さんの趣味小説なので今回もいろいろ銃が出てきますよ。

まだまだ続きそうですGGO。
これ、人の褌借りて書いてる作品なんだけれどなぁ。人気作になってますよね。
さすが時雨沢さんって感じなんだけれど、ちょっと釈然としない気も…。
しかし、毎回毎回、分厚いなぁ本が…。

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデン エバー・アフター

ヴァイオレット・エヴァーガーデン エバー・アフター

暁佳奈:著
高瀬亜貴子:イラスト
KAエスマ文庫


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ヴァイオレット・エヴァーガーデン完結巻。
時系列的に本編、外伝の後になるお話しが収録された最新刊で、最終巻と帯に書いてあります。
分類上は本編の続編という事になるんですかね。
でもヴァイオレット・エヴァーガーデンは本編、外伝がほぼほぼ時系列に並んでおり、本編内での時系列の前後はありましたけれど、本編の後に外伝のお話しが、そしてその後にこのエバー・アフターがあるという感じになってます。
本編、外伝同様、KAエスマ文庫ですので全国どこでも買えるわけではなくて、特定書店さんだけの取り扱いです。Amazonでも取り扱ってません。(Amazonでの取り扱いはマケプレでプレミア価格とかついてる場合もあるので京アニショップで直販した方がいいです。京アニショップはこちら

基本的にヴァイオレットがギルベルトと再会し、互いの愛を確認しあった後の話となってます。
ですが、ヴァイオレット自身が愛というのを理解し始めたときに再会してしまっているので彼女の中ではその愛というものを持て余し気味な状態ですかね。
最後の夢追い人と自動手記人形で、その愛のカタチをギルベルトとヴァイオレットが互いに恋人のいる人としては、つたない、幼い、そんなやり方で愛を確認しあうというところで終わっています。
結婚とか想像できないんですけれど、お互いにギルベルトしかヴァイオレットしかいないと言い合ってますので、行きつく未来像はそこなんでしょうけれども。
その辺はご想像にお任せしますという感じになっています。
良い終わり方だね。
読者の想像を掻き立てる作品だったという意味でこの作品の終わりにはこんな終わり方は合っていると思いました。

今まで、本編では手紙を書く仕事というものを通してヴァイオレットをみて、外伝ではヴァイオレットを通して自分を見つめ直した人をみてきました。
このエバー・アフターではヴァイオレットの言動によって未来を自分を変えていった、ヴァイオレットに影響を受けて自分で考えた末に何か変わった人を描いていたと思います。
短編でいえば登場人物はそんなに増えてませんし、ディートフリートの話とか、C.H.郵便社の面々の話であったり、ヴァイオレットを中心として行きかう手紙のやり取りだったりと、いままでのレギュラーメンバーのお話しが多いのですが、それでも、それぞれが変わっていくという話であったと思います。
ディートフリートの中でヴァイオレットの立ち位置というのが違くなったり、なにより身内と彼女の事を彼が称するとは思ってなかったので意外でした。これは彼の大きな変化だと思いますし、C.H.郵便社は大きくなって分社化し、ヴェネディクトの立場が大きく変わって行ったりします。それもヴァイオレットだけの力という訳ではありませんが、切っ掛けになってるのはやっぱりヴァイオレットであって。
単独で読めるようになってる短編もやっぱりヴァイオレットによって立ち止まっていた現在から、未来にむけて歩き始めた人物を描いていました。
読んでいてとても希望にあふれている話が詰まっていると感じましたね。

あと。
作為的なところなんですけれど。本編の上巻の一番最初の話。小説家と自動手記人形で出てきたオスカーが、一番最後の話である夢追い人と自動手記人形でキーキャラクターになってるのは面白かったですね。
最初に出てきた人物が最後にも出てくる。
そして、オスカーの事をきちんとヴァイオレットは記憶していて、彼女が積み重ねてきた日々と記憶の数々が彼女の中で、彼女を人として成り立たせる役割を担っているのを感じました。
その日々があったからこそ、ヴァイオレットは人になったし、自分の人脈をつかってレティシアを未来に向けて歩かせることが出来たんだと思います。
獣だったヴァイオレットが、本編上巻の最初ではまだ無機質な人形的だった彼女が、人としていろいろな人々と関わり合い、そして生きて行ってるというのを感じました。
そして彼女の想いの真ん中にはギルベルトがいて。
彼が彼女を大きく人として成長させているのだと感じる作品になっていました。
すこし泣けてくる、優しい涙があふれてくる。そんな作品だったと読み終えて思いました。

さて。最終巻ってなってます。
ということはこの先、ヴァイオレット・エヴァーガーデンの小説は出ないんですかね?
映画館で配ったやつとか手に入らないじゃないですか。
もらえなかった人もいっぱいいると思うんですけれど、そういうのをまとめた短編集みたいなのって普通の作品だったら最後だったり数年後だったりで刊行されますよね。
それを僕は期待してる組なんですけれど…。
出てほしいですね。
またヴァイオレットに会いたい。
もちろん、アニメを見返したり本を読み返したりしたら会えるんですけれど。
新しいヴァイオレットの話に触れたいと思う。そんな作品でした。

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝

暁佳奈:著
高瀬亜貴子:イラスト
KAエスマ文庫


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ヴァイオレット・エヴァーガーデン原作、外伝。
外伝ですがTVアニメに含まれてるエピソードが収録されていますし、「外伝」として劇場アニメ化された永遠と自動手記人形が収録されています。
僕はTVアニメ、永遠と自動手記人形を視聴した後に読んでいます。
本編同様、KAエスマ文庫ですので全国どこでも買えるわけではなくて、特定書店さんだけの取り扱いです。Amazonでも取り扱ってません。(Amazonでの取り扱いはマケプレでプレミア価格とかついてる場合もあるので京アニショップで直販した方がいいです。京アニショップはこちら

本編と同様にいくつかのエピソードが納められた短編集になっています。
本編との大きな違いといえば、~と自動手記人形というサブタイトルじゃない話があることですかね。
カトレアやヴェネディクト、ギルベルトに焦点が当たったエピソードが収録されています。
基本的な形は本編と変わらないんですけれど、ギルベルトの話はホッジンズがヴァイオレットに過去を語り聞かせてるとか、ちょっと毛色が違うのもあります。
また、本編では登場人物の視点が手紙を書くという行動を通してヴァイオレットを見ているのに対して、この外伝ではヴァイオレットという人物を通して、視点を持った人物が自分を見つめ直すという方向性を持っています。
顕著なのが永遠と自動手記人形。
シャルロッテ王女の話が原作にないと思ってたら、外伝に収録されてました。
たしかに、あの話、ヴァイオレットを見るというのではなくて、シャルロッテ王女が自分と結婚相手であるダミアン王子の事を見つめ直す話だったよね。
そう考えると外伝にあるのは必然かなという感じでした。

劇場アニメ化された永遠と自動手記人形をそちらと比較すると、ちょっと物足りない結末で終わるなぁっていうのが気になりました。
エイミー=イザベラがテイラーに手紙を出すところまでで終わっていて、その後のテイラーの話はありません。
話のボリュームが全然、劇場アニメ版と違っていてえーってなりました。
まぁ、他の話は1話分=30分なのに対して、永遠と自動手記人形は90分と3倍に盛らないといけないですからね。仕方ないのかもしれません。

ギルベルトの話はまぁ、あんまり印象に残らないというか、ギルベルトとヴァイオレットって実は似てるなって思うくらいの話でした。
ギルベルトの青年期って家の道具みたいな印象でそれがホッジンズによって人になっていくという過程を取っているので、まぁヴァイオレットと同じ課程を踏んでる感じ?
ヴァイオレットはギルベルトによって少し土台を作られていて、ギルベルトはヴァイオレットほど機械っぽくないところから始まっているというのが違いますが。
あと、カトレアの話は意外だった。アニメでは描かれていない彼女の恋心について書かれているのですが、彼女はホッジンズの事が好きなのかと思ってた。けど実は違いますよという話。
ベネディクトの話は彼がヴァイオレットに対して何故、兄貴風を吹かせるかという感じの話で、彼の過去にまつわる話でした。
なんかカトレアの設定がかなり原作とアニメ版で違う印象を受けたんですけれど、ヴァイオレットを含めてこの3人がC.H.郵便社での三大戦闘能力者だそうで…。
不正な取引をするために襲撃してきた競合他社をぶっ潰す話がラスト。
痛快な活劇風に終わってました。えー。
面白かったからいいんですけれどね。
やっぱりカトレアの扱いがずいぶん変わってる感じがします。
あとアニメ版ではヴェネディクトの過去とか全然描かれてないので、彼がそんなに高い戦闘能力を持ってるとは思いませんでした。
というか、C.H.郵便社は元軍人が多いらしい…。
アニメだとオリジナルキャラクターのエリカやアイリスがいるので、そんな戦闘集団ですみたいな感じはなかったんですけれど。
元軍人であるホッジンズが持ってる人脈で集まった感じみたいですねどうも。

面白かったけれど、永遠と自動手記人形のボリュームが少なかったのがちょっと不満。
テイラーの話とか別途でもいいからほしかったなぁと思いました。
まぁ、外伝だしなぁ。
仕方ないですかね。

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデン(下)

ヴァイオレット・エヴァーガーデン(下)

暁佳奈:著
高瀬亜貴子:イラスト
KAエスマ文庫


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ヴァイオレット・エヴァーガーデン原作、下巻。
本編の下巻になります。上巻同様、アニメを視聴した後に読んでいます。
上巻同様、KAエスマ文庫ですので全国どこでも買えるわけではなくて、特定書店さんだけの取り扱いです。Amazonでも取り扱ってません。(Amazonでの取り扱いはマケプレでプレミア価格とかついてる場合もあるので京アニショップで直販した方がいいです。京アニショップはこちら

上巻ではいろいろな人の視点から見たヴァイオレットを描いていくという感じで、短編が複数入ってる印象でした。短編が複数入っているというのはこの下巻も変わらないんだけれども、大きく違っていると感じたのが手紙の代筆の依頼を通してヴァイオレットとふれあっていくのが上巻だったのだけれども、下巻の各話はダイレクトにヴァイオレットを見ている人達の視点で描かれているというところ。
最初の話がヴァイオレットが戦傷をうけて療養している期間の話でホッジンズに引き取られるまでの話、最後の話が列車ジャック犯と戦う話でアニメにもなっていた話ですが、他はアニメ化されてない話でした。
上巻と下巻でアニメに使われた部分の比率が丁度逆になった感じ。上巻はアニメと同じ話が多かったですけれど、下巻はアニメ化されてない話が多かったです。
また、アニメ化された部分でも決定的なところで違いがあり、アニメではギルベルトが死んでいるような体で描かれていました(今度の映画で実は生きてましたになるみたいですが)、それに対して原作のこれでは明確にギルベルトは生きていて、自分がうまくヴァイオレットを育てられなかった後悔からホッジンズに預け、自分は姿を消すという選択をするのが描かれています。
それが最初の話で最後の話は自動手記人形として成長し、人の心を学んだ、「あい」というものを理解しかけているヴァイオレットと再会し、もう離れないという約束を結ぶというところで終わります。
「あい」の話ですね。いろいろな愛があるけれど全体的に流れていたのはいろいろな愛の形でした。
それをヴァイオレットが学んでいった過程を描いていたという感じがしました。
もちろん、下巻だけでは完成しなくて上巻があってこそなんですけれどね。

下巻はヴァイオレットの変化を少しずつ描いていた感じがありますね。
ギルベルトから「愛している」と言われて別れが訪れて、「あい」とは何かと迷うヴァイオレットが上巻での話や、この巻の花婿と自動手記人形の話や、飛行手紙と自動手記人形でのカトレアとのやり取りなどを通じて、「あい」というものが何なのか、いろいろな形があるけれど、それは人を大切に思うという事に違いはなくて、というのを学んでいく過程を描いているという気がしました。
下巻の話を読んでるうちに上巻の話がもっと深く意味のあるものになっていった気がします。上巻だけ読んでしまうとヴァイオレットという一風変わった子を外からみて、ヴァイオレットが起こす行動が感動を呼ぶというだけに見えてしまうけれど、下巻を読むとその間にヴァイオレットはひとつひとつ「あい」を学んでいっているというのがよくわかってきます。
話の並びを時系列通りにするやり方もあったと思いますけれど、このヴァイオレット・エヴァーガーデンの各話の並び方はそれなりにかなり考えられて配置されているのだなぁと感心しました。
書き手さんてすごいなぁ。

意外だったのがアニメですごい印象を残した、王女様の恋文代筆の話が原作の本編上下巻に入ってなかったこと。
あれでさ、ヴァイオレットは恋文の代筆は上手いという評判を得るわけで、それを上巻とかでも自慢しているわけなんですけれど…。
ないのよ。原作にあの話。
もしかして外伝に入ってる話なのかな?
その他にも、アニメ版で出てくるC.H郵便社の自動手記人形が全く出てこなかったり、いろいろ驚くことが多かったですね。
原作の完成度も高いのにさらにアニメは上を目指していろいろつぎはぎしたり新しく作ったりしてたというのがびっくりです。
どっちがというのは甲乙つけがたいですけれど、原作は絵が少ないのでヴァイオレットのイメージを掴めるアニメを見てから原作を読むとより感情移入しやすいかも。
僕は良い順番でこの作品に触れることができたかもしれないなと思いました。

さて外伝に取り掛かりますかね。

 

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はがね

Author:はがね
日記は思考が結構、鬱っぽいので鬱日記になること多し。
購入して読んだ活字媒体と購入したCDのレビューやってます。
オタなので、ジャンルはオタ方向に傾倒。

チベタン・スパニエルという珍しい犬種の愛犬記事もありまする。

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