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とりあえず日々思ったことなんかをつらつらと。

 

マッド・バレット・アンダーグラウンドⅡ

マッド・バレット・アンダーグラウンドⅡ

野宮有:著
マシマサキ:イラスト
電撃文庫


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2巻です。
1巻が電撃小説大賞、選考委員会奨励賞受賞作だった作品ですが、1巻だけの刊行ではなくそれなりに評判は良かったらしく2巻以降の刊行が決まったようです。
2巻のあとがきによると、今後も続いていくという事なので、それなりには人気あった模様。
僕の評価はまぁまぁな感じの作品でした。ただ読みにくかったという評価を1巻の時にしてましたね。

さて2巻。
1巻で悪魔を呼び出す依り代となってしまったシエナを救うことに成功した、ラルフとリザのコンビですが、それが仇となってしまい、フィルミナード・ファミリーからの依頼を断りにくくなってしまうという状態に。
それまではフリーの銀使いとして、警察なんかの仕事を請け負うことが多かったと描写されてましたが、今回はフィルミナードの依頼で下部組織を狙った襲撃に対して捜査みたいなことをすることになってます。
その過程でフィルミナード・ファミリーの下部組織スクリーム・ハウスと施術士であるドナートを保護するように動くことになります。
そして、ドナートを、そしてスクリーム・ハウスを、その上のフィルミナードを復讐の対象とする銀使いであるウェイドという人物と交戦することに。
なんども戦うことになるのですが、ほぼ毎回命からがら。ラルフの機転で命を拾ってるという展開が続きます。
ウェイドの能力が読めない上、防御攻撃に使えるようであり、悪魔の能力なしでも単体でも体術や戦闘術に優れたウェイド攻略を進めながら、何故、ウェイドがドナートを狙うのかとか、シエナを救う方法を見出したいという希望を抱いたり、覚悟をしたりという巻になってます。

1巻同様、ほぼほぼラルフの視点で話が進んでいくのですが、ラルフの知らないウェイドの過去とかを読者は読むことになるわけで、ラルフとウェイドの類似を意識せざるを得ませんでした。
1巻でシエナを救えなかったら、今後、シエナを失ったら。
ラルフの行く末ってウェイドの様な状態っていう道筋が明示されたような感じがして、ドキドキする感じでした。
しかも、今回、シエナ割と危ない場所へひょっこり出てくるし。
危険危険。
まぁ、ラルフが仮にウェイドみたいになったとしても戦闘力が違いますから、ウェイドの様な行動はとれないでしょうけれど。
ラルフの能力はラルフのように特殊で銀の弾丸の悪魔に精神汚染されてない状態じゃないと有効に使えないですからね…。

1巻に比べて作者がこなれたのか、読みやすくて、展開も早いので楽しんで読むことができました。1巻も面白かったんですけれど、読みにくさはやっぱりネックにはなってたので。
こういう話ですから楽しんで読んでも、最後にはちょっと悲しい展開とかあったりで、純粋に面白い!楽しいという作品ではないですけれどね。
格好良さとか、主人公(この場合ラルフ)の背負ったものなんかをかみしめながら読むという感じでしょうかね。

しかし。
リザが影が薄い。1巻でも割とそんな面があったのはあったのですけれど。
今回、特に影が薄く感じました。
常にラルフと一緒に行動していて、出てない場面がないんですけれど、ラルフの視点がシエナに行ってるのでヒロインという立場ではないんですよ。
この男くさい作品の中で、紅一点の戦闘能力者なんですけれど、ヒロインではないというだけでこうも扱いが微妙になってしまうのか。
今の状態だと、どう考えてもラルフの戦闘オプションです。
もうちょっとリザを掘り下げてほしいなぁと思いました。
シエナと絡んでると普通女の子って感じなんですけれど、それだけだと埋没しちゃう感じ。戦闘狂という描写はされてますけれど、他の銀の使いに比べると理性を保ってる風もあるし(ラルフ程ではないけれど)、今後、リザを掘り下げてほしいなぁ。もしくはリザ視点ってのも面白いかもしれないですね。

最後の最後でウェイドの精神が救われて良かったと思いました。
彼は良い人なので、復讐者として壊れた銀使いとして終わるのではなく、暖かく優しい思い出の中で逝って良かったのではないかなと思います。
その過程はとても苦痛まみれでとてもじゃないけれど救われていたとは思えませんが。
そして、今回から具体的に動き始めたシエナを救うための行動。
うまくいけばいいなぁ。
悲しい終わりは見たくないので。
海に行くという約束を果たしてもらいたいなと思いました。
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86―エイティシックス―Ep.7 ―ミスト―

86―エイティシックス―Ep.7 ―ミスト―

安里アサト:著
しらび:イラスト
I-Ⅳ:メカニックデザイン
電撃文庫


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7巻です。
6巻まででロア=グレキア連合王国での戦闘はひと段落という形になり、第86独立機動打撃群は休暇に入ります。まずはひと月の学業、そしてその後に本格的な休暇という形でヴァルト盟約同盟を隊全体で訪れています。
休暇という形だけではなく、フェルドレスの新型兵装のテスト、シミュレーション、およびゼレーネへの尋問というお仕事もあり、それを兼ねて同盟国で行うという形になったようです。
まぁ、同盟国でそれらをやることになったのは、エイティシックスへの休暇を与えたいのだけれど素直になれない大人たちの事情です。(笑)
ヴァルト盟約同盟は温泉地であるので、白羽の矢が当たったという事です。
ゼレーネへの尋問もあるので、6巻までの登場人物であるヴィーカとレルヒェも帯同しています。

この巻のすごいところは、86って戦闘、戦争の話ですよね?この巻、まったく戦闘描写がないんです。
いや、あるにはあるんですけれど、危機的状況!って見せかけてシミュレーションなので実際にはまったく戦いが無い巻になっています。
あとがきに、「タイトル詐欺とか言わない」と書かれていて、本当のサブタイトルが湯煙旅情編であるとかかれています。
それが、まさにその通りで、温泉地で繰り広げられるあれやこれやを描いています。
もちろん、シリアスなパートとしてゼレーネへの尋問があるわけですし、話のメインになるのはシンとレーナの恋の行方な訳ですし、ギャグ一辺倒というよりは戦闘は無いにしろそれなりにシリアスな話ではあるんですよ?
でも、それを上回る温泉回のギャグパートの印象が強くてですね。
いや、笑っちゃいけないんだと思うんですよ?この巻の内容も一応シリアスですからね?でもそれを越えて笑かしてくるので、イメージが崩れるかもしれません。
でも、それでも86ではあるので、基本は押さえてある感じですけれどね。

シンとレーナの恋の行方はシンの方は6巻までで心が定まった感じで、比較的安定して描かれています。
レーナに対して遠慮するところとか、レーナがよそよそしくなって困惑したりはしますけれど、それでも揺るがない心がある感じでした。
その中で、アネットを幼かったころの様にリッタと呼んだり、今まで切り捨てていた過去の記憶やらと向き合い始めてる描写がされています。
そして、一緒にいる相手として選んだ相手はレーナだというのがシンの立場でそれは崩れてないという感じ。
この巻では今まで揺れ動いていたシンの代わりにレーナ側が揺れ動いて、シンの隣にいるのは何も自分でなくてもいいのではないかと考え始めてぐーるぐるって感じです。
結果的にはレーナも落ち着くところに落ち着いて、シンとの関係を確かめ合うという流れになってました。
焦れるね。この二人の話は本当に。
まぁ、これがこの二人なんでしょうけれど。

ゼレーネの尋問は当初うまくいかず…。
でもシンが話しかけたことで少しずつ前に進み始めて、結果的にレギオンを停止させるにはどうすればいいかを聞き出すことに成功します。
それには帝国の皇帝の血統が必要でという事で、もう途絶えてしまっているという絶望感が漂ったところで幕です。
ただ、読者や軍上層部は知っていることとしてフレデリカが皇帝の血統であることを確認するように明示されていて、これからの戦いの方向性が見えてくる終わり方でした。

まるまる1冊つかってシンとレーナの恋の行方と今後の展開を開示してきたという感じの巻でした。
今までの殺伐とした印象が嘘のような巻でしたけれど、やっぱり次の巻からはもとに戻るんだろうね。
フレデリカがどうなっていくのか、彼女をシンとレーナがどうやって守っていくのかというのが今後の展開になっていくのかなと予想しながら、この巻の幸せな印象の余韻を次の巻まで感じていたいと思いました。

 

キノの旅ⅩⅩⅡ -the Beautiful World-

キノの旅ⅩⅩⅡ -the Beautiful World-

時雨沢恵一:著
黒星紅白:イラスト
電撃文庫


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22巻です。
今年はキノの旅として刊行から20周年に当たるらしく、あとがきが20周年特別ストーリーとして、20年後のキノ達という形になってました。
相変わらずあとがきで遊んでいます。
キノの旅としては本編でも時系列が数年くらいの幅があるのですが、20年という形での時間変動が描写されたのは今までありませんでしたね。
あるのは師匠と弟子がキノの時系列でも登場するくらいですかね。
黒星さんのイラストではキノがまるきり師匠そっくりになってるし、シズは太ってるし。なかなか面白かったです。シズ一行は定住する土地が見つかったようでよかったです。
まぁ、これがオフィシャルの20年後ではないようですが…。
編集さんから没くらってるらしいので。(笑)

今回はプロローグ&エピローグ、口絵2話、本編7話で構成されています。
キノの本としては少し厚めで(一時期やたら薄い期間があったね)、読みやすい厚さでした。
でもなんか途中でいろいろ私生活であったせいでひと月かけてじっくり読む形になりました。
といっても実際には1話を途中で区切って読んでることはしてないから9日間くらいで読んだ感じです。
それでもこの厚さの本としては時間かかりすぎですけれどね。

印象に残るのはなんといっても、師匠と弟子の話とシズ一行の話。
シズ一行の話は時系列がずいぶん巻き戻って、シズがひとり旅をしてた頃、つまり傭兵として腕を磨いていた時期の話となっています。
この話で陸と出逢う事になるのですが、陸も犬、最初はこうだったのねという感じでした。子犬の世話に明け暮れながら旅をするシズの図が面白かったです。
師匠と弟子の話は胸が締め付けられるような内容。
本当の親と育ての親、どちらが大切かというのを究極の選択を突き付ける形で選択するという話になっています。貧乏な本当の親と裕福な育ての親、感謝するのはどっちという形で、選択として登場人物が選ぶのは裕福な育ての親という話。ただ、この話の主人公となる少女はそれを嫌ったのか、貧乏人の子を裕福な子供を失った家庭へ強制的に引き渡す制度がある国を抜け出すという話になっています。
本当は選べない、選んではいけないというところを、お金によって選んだ末路というか醜さというのを描いていてすごく胸が締め付けられるような感じがしました。

あと、キノの話では明確に「フルート」を所持していない話と所持している話が並んでいて久しぶりに時系列的な遊びが楽しめた感じがしました。
キノのライフルに対する要求があって、それゆえにライフルはもっていなかったんだけれども、その次の話(エピローグ)では「フルート」を持っているというね。
どうも携帯に便利なのがよかったようで、分解可能な「フルート」は願ったりだったんだね。
そういえば、「カノン」は師匠からもらったもの、「森の人」は弟子からもらったものということでそれぞれのエピソードあありましたが、「フルート」入手のエピソードってありましたっけ?
さすがにこれだけ話が増えてきてしまうと忘れてるのも出てくるなぁとちょっと感じました。

キノ20周年。
旅の終わりはいつ来るんですかね?まぁ、20年後のキノもまだ旅をしているようでしたから、まだまだ終わらない作品なのでしょう。
もしかして果てしない旅なのかしらね?

 

新約 とある魔術の禁書目録22 リバース

新約 とある魔術の禁書目録22 リバース

鎌池和馬:著
はいむらきよたか:イラスト
電撃文庫


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巻のナンバリングが独特というか23巻じゃないんですね。
新約のとある魔術の禁書目録23冊目です。
リバース…「reverse」なのか「rebirth」なのか迷い処なのですけれど、読んでみるとどちらにでも取れる内容。結果的には「rebirth」の方が内容に合ってるのかなと感じました。
新約のとある魔術の禁書目録の最終巻となります。

ストーリーとしては完全に22巻の後日談となっており、あの事件の後、イギリスで行われた戦勝パーティからお話が始まります。
国を挙げての戦勝パーティになっていて、まぁ要するに学園都市vsイギリスという構図での戦いに勝ったという体でパーティを開いているという感じ。
実際にはイギリス側の首魁であったローラ=悪魔コロンゾンが倒されたという事で、それに功績のあった上条をはじめ、食蜂、美琴、インデックスなどもイギリス王家主催のパーティに招かれてるという感じでスタート。
美琴と食蜂はあとから割り込んできた組ですし、上条やインデックスはアレイスターにくっついてきてイギリスに攻め込んだ側なんですけれどね。
まぁ、そういう風な体でも勝ちとしておかないといけないという感じなんですかね。

最初の方はのんきな感じにパーティの様子をひたすら描いていく感じ。
なお、一方通行や浜面など、あんまりイギリス側のパーティに顔を出しにくいメンバーはそうそうに退散しています。まだイギリス国内にはいて後々絡んでくるけれど。
ヒロイン連中のパーティ準備の様子を描いた後で上条が登場。
で、わちゃわちゃ騒ぎながら、パーティを楽しんでいると、スカイブルーとレモンイエローで彩られたドラゴンが乱入してという話になっています。
実はこのドラゴンが上条。パーティに参加していた上条は右手=幻想殺し(を含むなにか)が上条の姿をもしたものとなっています。
上条がこれまで失ってきた記憶とか右手の方はちゃんと覚えていて、上条が取らなかった選択ややらかしてきた失敗を踏まえて上で、救えなかった人を救おうとする意志を感じさせます。それは幻想殺し本来の意思というよりも宿主である上条の性質を引き継いだものだから。
それでも、起こってしまったことはそれなりに受け入れて、それでも前へ進むことを学んできた本物の方の上条は、幻想殺しを取り戻し、元の状態へ戻すことを選択します。
ここで幻想殺しにとってかわられるという選択肢もあるにはあるのですがそれを彼は是としませんでした。
これ、結果的に幻想殺しの方が上条の横やりで失敗して、食蜂をコントロールしきれなかったことやインデックスや美琴を暴走状態に駆り立ててしまったので悪者的に描かれていますけれど、もしそれが無かったら?というのは考えちゃいますよね。
でも、いままで主人公として頑張っていたのは上条なわけで、過去を変えられるわけでもないし、まして、本物の上条であれば、インデックスや美琴に危険が及ぶ可能性のある選択はしないということで、上条は幻想殺しの方を許せないと判断して戦うという結果に。仮にも主人公ですから上条はぶれない。幻想殺しの方は正義の味方として上条の域には達してないところを感じました。
一方通行とか、パーティ不参加組は上条に協力してパーティ警護に当たってる今までの上条勢力との戦闘になるという話。
最終的には落ち着くところに落ち着いて終わりますが、話自体はここ最近で一番緊迫感があったなぁと思いました。
また、魔術理論の展開とかなかったので、読みやすい禁書目録が帰って来たーとか思いながら読んでました。

それにしても食蜂さんは悲しいポジションだなぁ。
彼女のエピソードって時系列でいえばいわば最初の上条勢力なんですよね。でも、その記憶は彼女が上条と出逢った事件での治療の結果失われているわけで…。
しかも彼女の記憶だけじゃなくて、その後、上条はすべての記憶を失う訳なんですけれども…。
彼を慕って陰ながら助力とかをしているのに振り向いてもらえない。振り向いてもらえないだけじゃなくて正確に存在を把握してもらえない。
それはとても悲しいと思います。
そんな状態でもいつかと思ってるところに、記憶を持った上条が現れたらそら喜んじゃいますよね…。
彼女は悪くない。決して悪くない…。ただすごく悲しいだけです。
上条勢力には彼女のように彼を慕ってる人物が結構いますけれど、結果的に上条が最後に選択するのはインデックスなんだよなぁ…。
インデックスだけが彼にとっては庇護対象であって、他のメンバーはどちらかというと協力してくれる仲間的なポジションなんだよなぁ。
そういうことも今回の事で顕著になったような気がします。
新約ではインデックスを差し置いてヒロインしてた美琴でも、それは変わり無いと思うんですよね。
仲間が危機に陥れば助ける。上条にとっては当たり前の行動。
インデックスはその蚊帳の外にいて、できれば危険なことには触れさせないというスタンスを取ってますから少し扱いが違うんですよね。
少しの違いですけれど、そこが上条の思うところの人物関係なんですよね。

あとがきがはさまったあとにエピローグ。
一度崩壊した学園都市が復活していく様、皆が学園都市へ戻っていくところが描かれました。アレイスターは帰ってこなかったけれど、今度は一方通行がどういう学園都市の運営をしていくのかというのが気になるところです。
そして、残されたアレイスターの残滓。エイワスやアンナ=シュプレンゲルの暗躍がどうなっていくのかが楽しみです。
魔神との戦いで幕を開けた新約は終わりましたけれど、禁書目録はこれからも続くようなので…。
なげぇとは思いますけれど、ここまで付き合いましたし、今後も楽しみにしていきたいとおもいます。

 

アクセル・ワールド24 -青華の剣仙-

アクセル・ワールド24 -青華の剣仙-

川原礫:著
HIMA:イラスト
電撃文庫


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あとがきに1年ぶりになってしまいましたと書いてありますが、ぎりぎり1年ではなく11ヶ月ぶり。
まぁ、ほぼほぼ1年ぶりで前の23巻でも同じような状態だったので、白のレギオン・オシラトリ・ユニバースとの戦いに入ってからずいぶん時間が経過したように思えますけれど、作中では2~3日の間の話になっています。
この巻での時間経過も1日前後なので作中時間が全然進んでないのに、現実の日々はどんどん先に流れて行ってるという状態です。
ラノベは読者層が固定化されてるっぽいところがるので、一度読み始めた人は最後まで付き合ってくれる人が多そうですけれど、アクセル・ワールドのように巻数が多い作品ではどうなんだろうって思いました。
毎巻、コンスタントな売り上げってあるんですかね?

1年のブランクって大きくて、読み始める前にちょっとまって前巻ってどんな話だったっけ?っていう思いだし時間が数分必要でした。
幸いにして僕は読書感想を書いているので、それを読むことであぁ、こんな話だったというのはするっと思い出せたんですけれど、作品によってはそういうのきつかったりするだろうし、アクセル・ワールドは割かし話は単純な典型的なラノベに分類される作品ですので、思い出しやすいです。
ですが、これもうちょっと複雑な作品だったら、思い出せないってことで読者離れるんじゃないかなぁ。
作者の川原さんが遅筆なのではなくて、作品を多く手掛けている(4本同時展開)しているので、4ヶ月くらいという一般的なラノベの刊行ペースで刊行していると、同じ作品では次が出るのが1年先ってことになっちゃうんですよね。
なるべく早く、何かしらのシリーズを終わりにしてペースを戻さないと読者が離れるんじゃないかと心配になります。読者が離れて人気がなくなるとラノベ業界は厳しいのであっさり打ち切ってくるので最後まで話を読みたい派である僕にとっては痛いのでそういう事態になることだけは避けてほしいですね。幸いにして本屋での積み方をみるに、アクセル・ワールドとSAO関係は安泰っぽいけれど。

さて今回の内容は太陽神インティ攻略…。なんだけれど、その前にハルユキの修行タイム。前回にローズ・ミレディ―と協力してオーキッド・オラクルを救ったときに、聞いた謎の声の主に会う為、ハイエスト・レベルを目指すハルユキ。
いままでは絶体絶命になったときとか極限の集中をしたときしか、自力でのハイエスト・レベルへの接触はできなかったけれど、それを試すというところから。
10時間の集中によってそれを成功させて、謎の声の主=三代目ディザスターである、セントレア・セントリーとの邂逅に成功します。
既にバーストポイント全損にて、ブレインバーストから退場しているセントリーですが、その意識というか魂のコピーがメインヴィジュアライザー内に残っているのでこうして会えるというようなことが開示されて行きます。
特殊ケースによるポイント全損の場合、こうやって意識が残るようで、その場合、再度バーストリンカーとして復帰できる可能性があるという感じの説明をされ、セントリア・セントリーの復帰に力を貸すことになるハルユキ。
また、女の子と直結することになるのですが、どれだけ女性キャラ増やせば気が済むのか。たしかに、女の子いっぱいの方が華があるのは分かるのですが、ネガネビュラスの主要メンバーで男子はハルユキとタクムだけですよ?
復活したセントリア・セントリーはネガネビュラスに参加することにはなりませんでしたが、今後どう転ぶか分からないなぁというところ。リアル割れが厳禁なブレインバーストにおいて、あっさりとリアル割れしてるし。

そして、ハルユキの修行タイム。
リアル時間では数時間しかないけれど、加速世界では数ヶ月の修行期間があるということで剣の扱いがまだ素人なハルユキが効果や使い方が心意臭いとまで言われるセントリア・セントリーのオメガ流の剣術を修行開始。
タイムリミットが迫るなか、何かのいったんを見出せるかの勝負になっていきます。
そして、やってくるインティ攻略時間。ぎりぎり間に合ったハルユキが突然湧いたエネミー相手に修行の成果を見せつけて、いざインティ攻略開始。
インティ攻略はなんかこれまで引っ張ってきたのが嘘みたいにあっさり終了しましたが、その中から出てくるもの、インティの第二形態というか終焉神テスカポリトカをテイムすることがホワイト・コスモスの目的だったようで、それにはめられたという形で今回の話は終了。
インティは居なくなったけれど、テスカポリトカが居るということで無限EKは生きてる状態という中で、各王が生還しそうになってる=また瞬時にやられるという構図が出来上がってる状態だー!って所で引きになってるんですけれど、アクセル・ワールドっていつもこういう中途半端なところで終わるよね…。
普通のシリーズものだと1冊とか2冊単位で話がいったん切りのいい感じになるようになるんですけれど、アクセル・ワールドの場合、常に話の途中で切れる感じになってるんですよね。
前のエピソードと今のエピソードの境界が非常にあいまいなのもこの作品の特徴かなとも思いますが…。
あまり、刊行ペースが早くない状態でこれやられるの結構つらいですわ…。
もう少し刊行ペースを上げてほしいなぁ。と毎回思わされるのです。

 

小説 天気の子

小説 天気の子

新海誠:著
角川文庫


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映画「天気の子」のノベライズ。
といっても、「君の名は。」の時と同様に映画製作と同時に執筆されていたもので、ノベライズに当たるのか原作に当たるのかは微妙なところ。
発売日が映画の公開前日でしたね。
そうなってくると小説を読んでから映画を見るか、映画を見てから小説を読むかという問題も出てくるかと思うんですけれど、僕は映画を見てから小説を読みました。
で、実際感じたところとしては、映画を見てから小説を読んだ方がいいと思いました。
たぶん、映画の方がいろいろな受け止め方があって、帆高や陽菜に注視するかそれとももっと大勢の登場人物を包括的に見るかで、受け止め方が変わるような気がしました。
それに対して、小説版は絵で見せることができない分、帆高や陽菜以外の人物の内心についても触れてあって、たどり着く感想、感じ方としてはひとつに集約されてしまう感じがしたからです。
小説を読んでから映画を見てしまうと、小説で答え合わせをしたうえで映画を鑑賞することになるので、感じ方がきっと固定されてしまうなと思いました。

映画の感想をBlogに書いたときには書かなかったことなんですけれど、その後、映画を思い返して考えているうちにもやっとした感じを感じました。
結論として「天気なんか狂ったままでいい」ということで世界のありようを変えて陽菜を救いだすことを選択した帆高だったわけですが、その点についてやっぱり違う選択=陽菜救わないという選択をしないといけなかったのではないかと考えているように見れるところが最後の最後まで残っていて、陽菜を救ったことを後悔しているわけではないけれど、責任を重い責任を背負ってるんだという感じがなんとなく受け止める側として感じていました。
RADWINMPSの「大丈夫」がエンドにかかって、自分たちは大丈夫だと語られるのですけれど、それがどこまで実感を持ってるのかなぁというのが曖昧に思えたからです。重圧を背負って生きていくよという風に取れなくもないんですよね。解放されてない感じがあるともとれる。
対して、小説版でも基本流れは変わらないのですけれど、ことがすべて終わって3年後に帆高が東京へ再度出てきて陽菜に再会するまでの流れというののペース配分がちょっと違っていて、まず、神津島での卒業式の後で後輩たちに東京で何をしていたかを聞かれるシーンがあります。これで自分がやったことの振り返りをしたうえで、冨美や須賀に会ってから陽菜に会うわけですけれど、彼らの言葉が帆高がやったことなんか気にすることないという風に言っているように取れるようゆっくりページをかけて語られます。
このペースの違い?本を読んでいることで必要なことが言葉としてそこに紡がれていることと、画面の中やセリフからピックアップしないといけないのでは大違いで、冨美や須賀の言葉の重さが小説の方が重く感じられました。
特に須賀のセリフはことの顛末を知ったうえでのことになるわけで、映画だと場面の軽さから軽くとれちゃうんだけれども、小説だとその部分ってのがもうちょっと盛ってあるせいもあって世界を変えたなんて思いあがるなっていう彼のセリフがすごく重くて帆高を解放してくれるセリフになってるんじゃないかなと感じました。

それでもやっぱり最後は自分たちのしてしまったことへの責任を感じつつの「大丈夫だ」で終わるんだけれども、そこに「許されている」と感じることができているか、曖昧なまま決意としての「大丈夫だ」なのかというのが小説版ではきちっと規定されていて、「許されている」という前提がきちんとあったうえでの背負うものは背負っての「大丈夫だ」になってるように感じました。
そこが、映画を見た後でもやっとした部分との大きな違い。
小説版ではこのもやっとした部分がなかったんですよね。責任を感じてはいるけれど、冨美や須賀に励まされたものを受け取ったうえでの「大丈夫だ」になっている。
これは大きな違いだと感じました。
もやっとしなかったもの。

「天気の子」ってその内容からして、帆高を許す許さない論や、帆高のしたことを許容する大人たちをどう見るか論ってのはあると思う。
そこを許せないと思う人ってのは少なからずいるんではないだろうか?
エンターテイメントだから許す人の方が多いだろうけれど、実際の状態になったらどうかなぁと考えてしまうのはしょうがないと思う。
万人が救われた状態で終わる「君の名は。」とはちょっとその辺が違うところだなぁと思います。
でも「君の名は。」より「天気の子」の方が新海監督の作品らしいっていえばらしいと思うんだよね。
どちらも最後に主人公、ヒロインが別離しないというこれまでの作品とは違う展開なんだけれども、よりいい子ちゃんぶってる(笑)「君の名は。」より、作品に批判を受け入れる余地を残している「天気の子」の方が新海作品らしいなぁと思いました。
鬱屈してる感は欲しい的な?

というわけで、映画を堪能した後に小説版も堪能しました。
あとはBDを待ちたいですね。(笑)

 

ロードス島戦記 誓約の宝冠1

ロードス島戦記 誓約の宝冠1

水野良:著
左:イラスト
角川スニーカー文庫


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まさか出るとは思ってなかったロードス島戦記の新シリーズ。
その第1巻です。
なんでも作者も水野さんが執筆業30周年らしく、ということはロードス島も30周年ということでたぶん周囲の圧力に屈して書くことになったのではと推測しています。
幾らストーリーの案があったとしても、それを発表するかどうかは作者の気分にもよるでしょうし、ロードス島にはTRPGの背景世界であるという一面もあるため、あまり小説だけで展開をしてしまうとTRPGでプレーヤーが活躍する自由度が下がるという事になりかねません。たしかにロードス島コンパニオンやソードワールドは古いシステムになり、ロードス島を含むフォーセリア世界を使ってプレイしている人はもう少ないかもしれませんけれど、やっぱり、TRPGの背景世界にはプレーヤーの自由度を残しておいて欲しいなぁとこの作品が刊行予定に乗ったときに思いました。
まぁ、フォーセリア世界はリウイシリーズで結末としてされていた分が書かれてしまったらしい(リウイシリーズは未読)ので、TRPGの背景世界としては死んだ世界なのかもしれないですけれど…。
それにしても、水野さん自身、代表作「ロードス島戦記」ってのから抜け出したいみたいなことを言っていたと思うのにロードス島を書くってのは意外でした。

物語は邪神戦争から100年後。100年の平和な時間を過ごした後のロードス島が舞台になっています。
100年平和だった理由は、邪神戦争のあと、大賢者ウォートから各国の王にある宝物が贈られたため。それが誓約の宝冠で、これを戴冠した王様(一度戴冠すれば効果は王を退位するまで続く)の国同士では攻め込むことができず、どこかが攻められたら防衛に協力しないといけないというもの。領土不可侵条約と安全保障条約が一緒になったような宝冠です。
それを、ロードスの六王がかぶり、その後100年、それが代々維持されてきたというのが話の前提条件。
で、この宝冠、携帯電話の契約みたいに継続するかしないかを選べる時期ってのがあるのね。それは前の王様が退位して次の王様が即位するタイミング。
そのタイミングで新しい王様が誓約の宝冠をかぶればOKなんですけれど、今回、フレイムの王様が代替わりするときに、誓約の宝冠を拒否って、ロードス統一へ乗り出すという話になっています。
もともと邪神戦争の終結時にもフレイムは強大な国になってましたが、大地が潤ったことでさらに強化されていて、話の段階では他の国を足した軍事力を上回る軍事力を持っているという状態。それに対して主人公ライルの国であるマーモがどう動いてくかというのが話の大筋になってます。

主人公はマーモ王家の末弟ライル。
ライルを含めて、マーモは人材が実に豊富。
これ邪神戦争の時の影響も残ってるんだろうけれど、まず、エルフ族は邪神戦争経験者が生きてる。事実リーフが今も生きてマーモに残っていて協力している。
また、マーモ王国を作り上げるために英雄たちが残した足跡が至るところに残ってて、かつての英雄の影響をそこら中で感じることのできる国になってます。スレインとかレイリアとかニースとか、そしてパーンやディードリットね。
他の国が残す英雄譚が一人二人なのに対して、これがアドバンテージになってる感じ。
なんとなくだけれども、英雄達の行動をまねていれば外れはないです的なところを感じました。特にロードスの騎士パーンはもう死んでいるわけですが、その伝説を生き生きと伝えてるのがマーモ王族って感じなんですよね。ライル自身がパーンにあこがれる若者ですし。
ライルは今回の事件に対して、永遠の乙女と呼ばれるディードリットの力を借りようと行動を起こしていくキャラになってます。
また、マーモって闇の力が強くて子供が死にやすいという設定があるので、王族が多産。ライルも7人兄弟。今回の事件によっていろいろな選択肢は取れると思うのですが、それらを兄弟たちがそれぞれ考えて、マーモ生き残りのために動いていくという感じになります。

主人公ライルはその行動指針がロードスの騎士の伝承なので、結果的に戦争をそもそも止める派として動きます。そして、たどり着いたのがロードスの騎士を名乗ること。
それによって、ディードリットの心を動かし、人の心を動かし、対フレイム戦に備えつつあるという流れになっています。
ロードスの騎士をパーン以外の人が名乗ったら割と反感を食らうんじゃないかなぁと思ったんですけれど、当のディードリットからは感謝される(パーンの伝承を受け継いでくれる人がいてこそ、パーンの伝承が死なないで済むという理由)し、他の人々も割と怒ったり呆れたりせずに、そうかパーンの伝説を伝承するのね?的に動いてくれるんですけれど、ちょっと拍子抜け。反発する人とかいそうじゃない?それこそ、パーン、伝承で美化されてるわけだしさ…。
でも、すんなり受け入れる人が多かったですね。これは好意的に解釈すればパーンの伝説を受け継いでくれる人を望んでたってことなんですかねぇ。

それにしてもマーモの人材の豊富さのせいで、話がいくつかのパートに分かれて進行するのでライルの影が結構薄いです。
あと、妙に性的な描写を入れたがるのは新・ロードス島戦記のころからの癖でしょうかね?別段そういうの入れなくてもいいと思うんですけれど。
とりあえず、マーモが主人公格で今回の敵はフレイム。
今までとは逆のパターンですね。今までは何かと問題が起こるマーモに対して、パーンの要請を受けたカシューが助力してフレイムが動くって感じでしたから。
今のところ、フレイムの王となったディアスにはあまりいい感じを受けませんし、マーモの人材は割と皆、魅力的に描かれていますのでそのままディアス王の野望をくじくところまでが今回の話になっていくのかなぁと予想。
ディアス王のパヤートはそんなに好戦的な人じゃないっぽいし、この人がキーになっていきそうな感じ。

そうそう。
ロードス島の邪神戦争の100年後ってクリスタニアに向けて、統一戦争に負けた国の民が1000人脱出する時期なんだよね。それに合わせてフレイムがということになってるわけだけれど、これ、クリスタニアにつながるように終わるのかな?
というのも気になるところではあります。
クリスタニアの小説も今じゃ入手困難なんだよね。これに合わせて再販されないかなぁ。新装版とかでさ。水野さんの30周年だし。

 

悲球伝

悲球伝

西尾維新:著
講談社ノベルズ


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伝説シリーズ9巻目です。最終巻1歩手前。
前巻では宇宙にでた空々が地球を除く惑星とであって話をするという会話劇。そして最後には地球が乗り込んできて太陽を含め小さき悲鳴で殺害されるという事態に。
って書くとなんかよくわからない感じですが、太陽、地球を含め星々は擬人化した姿で出てきてましたね。
で、星々が皆殺しになったところで幕になったのですが、この9巻では、空々たちが消息をたった音信不通!というところから物語が始まります。

音信不通になった空々たちを救助するべく、地上居残り組が動きますよという話で、メインは鋼矢が「リーダーシップ」に天才の振りをして乗り込んで花屋の人格で行動している悲恋と合流、どう空々たちを救うかとすったもんだする話になっています。
なお、同じく居残り組の手袋は「人間王国」へ退避させられるのですが、その先でよりやばい状況に陥るというね…。運がないなぁ手袋ちゃん。

宇宙で消息をたった空々たちを救助するには宇宙船が必要だろうということで、宇宙船を手に入れるべく奔走する鋼矢と花屋という展開なんですけれど、現存する宇宙船を手に入れてどうこうするという発想がないのか、「リーダーシップ」内で取れる行動ということでそういう風になってるのかは分からないんですけれど、「リーダーシップ」内の天才たちの中でも群をぬいている天才である奇人と変人を捕まえて、宇宙船を作ってもらおうという計画で動き始めます。
話のほとんどはこの天才探しに費やされています。
途中、シージャックするかとか、もうすでに「リーダーシップ」内に宇宙船があるんじゃないか疑惑とかありましたけれど、いろいろすったもんだした挙句にやっとこ、この奇人変人の二人にコンタクトが取れて、「リーダーシップ」の実態と恐ろしい計画を知ることになるという感じでした。
で、この2人のパートはどうしようかと迷っている最中で、とりあえず安全じゃないと思われるところだった「人間王国」へ送り込んでしまった手袋をピックアップしようというところで幕となってます。

手袋の方は「人間王」と謁見して2点という素晴らしい点数(100点満点です)を付けられた上、元魔法少女ということで、実は生きていた火星である「人間王」メランダ(手袋命名)と取引というか、メランダが空々たちからの連絡を受信してたという事実を知らされます。
で、眷属(魔法少女=魔女の廉価版=火星の眷属という話)としてメランダと取引して、空々たちと連絡するために新たな魔法のステッキを用意するという話になってます。
それが火山の噴火でできる火柱ということで、死ぬ!というか手袋死んだ!という感じのところで幕になってます。
手袋本当に死んじゃったのかなぁ…。

宇宙では廉価版である「リビングデッド2」をつかって地濃が死にかけた惑星たちを組成しまくってるという状況下。
割と落ち着いた状態で空々が次の状況を待っているというかんじでした。

読んでいるととても冗長なのですが、まぁ、四国ゲームの時よりは状況が刻刻と動くので面白いと言えば面白かったです。
主人公である空々が出てこないのも珍しいというか新鮮でした。
しかし、状況が最終巻手前でずいぶん動いてるな。
しかも、奇人変人がやろうとしてた地球の複製をつくるという行為も、本当に人の為になるか分からないというね。
考え方のひとつとしての、退避用地としての地球をもうひとつ用意するというのはいい案だと思うんですけれど、これ、たぶん、大いなる悲鳴を人間が使えるようになって全滅するって話のがありそうで怖いですね。
空々は英雄なので彼がなんとかけりをつけるんだとは思いますが…。

次が最終巻です。
既に刊行済みで結構時間がたってますが、ゆっくり自分のペースで消化する予定です。

 

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿10「case.冠位決議(下)」

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿10「case.冠位決議(下)」

三田誠:著
坂本みねぢ:イラスト
TYPE-MOON BOOKS


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全10巻に及ぶロード・エルメロイⅡ世=ウィイバーの旅の物語もこれで終了です。
とはいえ、終わったのはハートレスの引き起こした事件にまつわる部分だけで、彼自身の旅、人生はまだまだ続きますし、グレイという魅力的なキャラクターの今後についてもこの話では語られきっていません。
あくまで、ハートレスの起こした事件、それを解決し解明し謎を解いてきたロード・エルメロイⅡ世の行動が、これで完結する。ハートレスとの因縁に決着がつくだけとなっています。
それはそれで正しい終わり方であるとは思いますが、同時にFateという世界観の中でまだ生き続けていく彼らを持って見ていたいと思うのは贅沢なんだろうか。
出来れば、続編というかこの後の物語をやってほしいですね。
特にグレイ関係。

という訳で冠位決議も3冊目に入り、冠位決議の会議自体に参加するライネス側とハートレスとフェイカーを追ったロード・エルメロイⅡ世側の2本立てでストーリーが展開していきます。
ライネス側は現代魔術科というかエルメロイ派が取り潰されるのを避ける為に、元もとの議題から話をそらしてハートレスという問題があるよと嗾け、その謎解きと事件の糾明に話を持って行きます。
ロード・エルメロイⅡ世側は時間制限がある中、ハートレスの行動を阻止するために霊墓アルビオンの奥深くへ潜っていくという危険な冒険に旅立つという感じになっています。
いままで、この作品で探偵役を務めていたロード・エルメロイⅡ世がほとんどしゃべらず、ライネスを通じて考えを伝えていくという形になっていました。
ただ、ロード・エルメロイⅡ世も作中の段階ではライネスに完全な情報を伝えきっておらず、推理も憶測をたぶんに含んだものとなっている状況。
ライネスはかなり苦しい展開を強いられて、貴族同士の駆け引きをしていくという感じに。読んでいて、味方がかなり心強いロード・エルメロイⅡ世の冒険よりもライネスの推理展開の方が手に汗握る展開になっていたのは致し方ないところですかね。
ストーリーの都合か中立派が出てこなかったのはライネスにはよかったかもしれません。
まぁ、中立派が出てきて、時計塔の12の派閥が全員揃っちゃうと、登場人物がわちゃわちゃになってしまいますし、これまで陰謀に加担してきた人達だけでというのは良い思い切りだったかもと思いながら、ライネスの孤軍奮闘(一応、ロード・エルメロイⅡ世の助言は得られるがいざとなると戦闘中とかで結局助言が得られない)を楽しみました。
さすが、エルメロイ派の姫様ですね。陰謀にも長けていらっしゃる。

ロード・エルメロイⅡ世の方は冠位決議が前倒しで開始されてしまったので、開始前にハートレスとの決着をつけるのには失敗。
ハートレスを追いながら、パスでつながったライネスに助言しつつ、相手を追うという展開です。
ハートレスのやることに魔術師はどういう反応を示すのだろうと前巻で思ったのですが、それを代弁したのがロード・エルメロイⅡ世に同行したルヴィアでした。
2千年つみかさねてきた現代魔術師の歴史、プライドを踏みにじる行為など許せるはずがないというのは面白かったです。
魔術師って目的の為なら手段を択ばない印象はあるんですけれど、自らの行為を否定されるのは頑として拒むというのが確かにTYPE MOON作品で描かれてきた魔術師の姿だなぁと思いました。
実際、冠位決議の方でもハートレスの目的を明かしたとたんに、ライネスの話を聞く体制が整いましたし、やっぱり重要なんだなぁと思いました。
逆に、前巻でイスカンダルに会えるならとハートレスと自分の目的の板挟みになったロード・エルメロイⅡ世の方が魔術師らしくないということなんでしょうね。
ハートレスとの決着はいささか拍子抜けするほど、あっさりと終わってしまいましたが、どちらが余力を残していたかという面で、ロード・エルメロイⅡ世の勝ちという感じですかね。
不完全ながらもロンゴミニアドがあったというのも大きなところ。
アッドが犠牲になることを承知でグレイが使ったというのがちょっと悲しいところでした。

イスカンダルとウィイバーの邂逅はなんとなく暖かく、イスカンダルがウェイバーの言葉を聞いていたという感じでした。
英霊の座に戻る度に聖杯戦争での記憶はクリア、リセットされてしまうというような話がありましたけれど、あれ、登場人物みんながそう思ってるだけな気がするんですよね。
特殊なケースではありましたけれど、セイバーは5次聖杯戦争の時に4次の事を覚えていましたし、僕はイスカンダルは何かしらのウェイバーの記憶を持っていると思っていました。
実際に描かれた内容はその通りでしたし、その方が展開として熱くていいよね。
イスカンダルが待っててくれるんですよ?ウェイバー君は人生を頑張っていきるでしょう?

結果的にアッドも救われたし、大団円にふさわしい終わり方で終わりました。
ただ前述したとおり、彼らの物語がすべて語られたわけじゃない。
この後にもいろいろな事件があるでしょうし、物語があるのだと思います。
この巻を読んで思ったのは、続きが読みたい。
この先にある物語を読みたいという事でした。
Fateシリーズは今後も展開していくでしょうし、そう思わせたら勝ちでしょうね。
すごく面白いシリーズでしたし、今後の事も他作品との連携も非常によく考えられていて素晴らしい作品だったと思います。
これが終わってしまったのは残念ですけれど。
また新しい話がきっとあると信じて、次を待ちたいと思います。

 

東京×異世界戦争 自衛隊、異界生物を迎撃せよ

東京×異世界戦争 自衛隊、異界生物を迎撃せよ

鷲宮だいじん:著
daito:イラスト
電撃文庫


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自衛隊が異世界(ファンタジー世界)の生物と戦う作品。
同じようなジャンルとしては「GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」があると思うんですが、あちらが異世界との異文化交流なのに対して、本作は未知の生物群と戦うということだけに主眼が置かれており、異世界とつながった穴の向こう側に行くとかいうアプローチはされない作品となっています。
なるべくリアルに自衛隊の現状を描くというのが主眼に置かれている印象があり、作品としては「シン・ゴジラ」が似ているんじゃないかな?と思いました。
自衛隊が動くために必要な手続きや、アメリカとの関係、官僚達の動きなどがかなり詳しく、リアルっぽく描かれていて、とても「シン・ゴジラ」の影響を印象として受けました。

ストーリーは有明に大きな穴があいて、そこから未知の生物が表れて人々を襲い始める。はじめは警察が対応していたのだけれど、対応しきれないので自衛隊を出動させるんだけれども、災害派遣なのか防衛派遣なのかとか、法律の問題でどこまで武器が使用できるのかもめるという感じ。
実際に出動した時は防衛派遣で出動となったんだけれども、やっぱり法律の問題で使える武器に制限がありますよという状態で、苦慮に立たされるという話です。
また、基本的に国民の命が優先されるので、退避し損ねた人がいる状況では威力のある武器が使えないという感じに。
その辺をいろいろ根回ししていって使えるようにしたり、命令無視の現場判断で強力な火器を使ったりという感じに進んでいきます。
敵になる異世界生物については基本ファンタジーにいそうな敵がボロボロ出てくる感じであんまり説明はなかったです。ファンタジー好きの登場人物が勝手に命名して呼び名を決めてる感じでした。
最後にアパッチヘリでも倒せないベヒモスをどうやって倒し、穴を塞ぐかがクライマックスになります。
読んでいて思ったのは、今現在、政府与党が目指している憲法改正は何のためかというのを物語を通して説明された感じ。
自衛隊がその能力をきちんと発揮するためには憲法やその他法律が邪魔になるという感じでした。逆に憲法改正に反対している人の主張的には自衛隊が暴走した時のブレーキとしての法律があるみたいな説明だったけれど、日本の自衛隊がそう動くとは思えないので、机上の空論できちんと自衛隊が動けるようにしておいた方がいいよなぁという感想を持つような流れになってました。
僕的にはこの問題は改正はそれなりに必要なんじゃないかと思っているので、素直に読むことができますが、改正反対の人が読んだら、どういう感想を持つんだろうなぁと思いながら読んでました。
僕はまぁ楽しんで読めたと思いますけれど、改正反対の人は楽しめないんじゃない?
これ。

主要登場人物は主人公となる薮木環樹と娘、花音の父娘、防衛省の若手官僚の由見明葉とその父である由見医師がメインの登場人物。薮木環樹はどうしてもGATEの伊丹さんを連想しちゃう感じがしました。イラストのキャラが似てるんだよ。環樹と伊丹。
すれ違う父娘がこの戦いを経てわかりあうというのがもう1つのテーマとして描かれていましたが、ちょっと展開としては薄め…。
自衛隊をどう動かすかというくだりと戦いの方に紙面が割かれているのでちょっとキャラの心情描写とかは薄くて、感情移入するのが割と難しいとまでは言いませんが、伝わってくる感情が戦いのときに理不尽に犠牲になった部下に対するものとかそういった方なのね。家族の感情とかの描写で感情移入するのがちょっと難ありだったかも。

しかし、首相とか架空の人物に置き換えてあるんですけれど、明らかに安倍総理がモデルだし、由見医師が務めてる病院も明らかにサリン事件の時に野戦病院として活躍した聖路加病院がモデルです。いちいちモデルになった現実の人物や組織がわかっちゃうのね。
悪いこととは言わないけれど、先も述べたように憲法改正の必要性を語ってるような面があるので、それが強調されていて物語として読むには事件はフィクションだけれど、抱えてる問題点はノンフィクションだよみたいな印象を受けました。
こういう感じの政治に関する作者の考えを推してくる感じの作品ってのは初めて読んだのでちょっと面食らった感じでした。

とりあえず穴は塞いだけれど、続きありそうな感じ。
完全にふさげてませんとか、そういう感じで何かしらあるのかしらね?

 

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日記は思考が結構、鬱っぽいので鬱日記になること多し。
購入して読んだ活字媒体と購入したCDのレビューやってます。
オタなので、ジャンルはオタ方向に傾倒。

チベタン・スパニエルという珍しい犬種の愛犬記事もありまする。

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