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とりあえず日々思ったことなんかをつらつらと。

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデン(上)

ヴァイオレット・エヴァーガーデン(上)

暁佳奈:著
高瀬亜貴子:イラスト
KAエスマ文庫


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アニメ、ヴァイオレット・エヴァーガーデンの原作小説です。
第5回京都アニメーション大賞の大賞受賞作。
アニメの方を視聴済みですので、話の内容は知っている状態ですが、どうやらちょっと展開とか違うらしいということを情報として仕入れて読み始めました。
これは上巻なのでまだあとに下巻があります。
小説の新人賞を受賞した作品で上下分冊で販売されているってなかなかないことなんじゃないでしょうかね。
普通は1冊で刊行できるページ数の作品で応募されるわけで。
何故分冊されてるのかは上巻を読んだ限りではあとがきとかにも書いてありませんでしたし、理由はわからずです。

そういえばこれ。
アニメを見てから原作を読もうとは思っていたのですけれど、積み本が多い僕の事ですのでなかなか手を出せないでいました。書店で見かけても購入という風にならなかったんです。
でも、あの京アニ事件が起きて少しでも京アニの足しになるならと、書店で見かけたときに購入しました。その時までに本編上下巻と外伝の計3冊が出てたんですけれど、皆考えることはおんなじでKAエスマ文庫が軒並み書店の棚から消えました。
そんな状況下で奇跡的に入荷したのを購入したので気が付かなかったんですけれど、これを読み始めた時に最新刊エバー・アフターの刊行が発表されていて、取扱書店様みたいなことが書いてあったのね。京アニのサイトに。
それで知りました。KAエスマ文庫って全国どこでも買えるわけではなくて、特定書店さんだけの取り扱いなのね。Amazonでも取り扱ってません。(Amazonでの取り扱いはマケプレでプレミア価格とかついてる場合もあるので京アニショップで直販した方がいいです。京アニショップはこちら
僕はたまたま取り扱い書店に行くことが多いので、普通に買える本だと思ってたんですけれど…たしかに会社の近くの本屋さんには入荷してませんし、あー、特定書店だけの取り扱いなんだーって思いました。
よく買えたな僕…。あの状況下で。
そんな経緯で購入した上巻です。エバー・アフターが出るということで読み始めました。

直前にBlu-rayのおまけの短編を読んでますが、この本編も短編の集合体という形式です。アニメのヴァイオレット・エヴァーガーデンではヴァイオレットが自動手記人形として仕事を始めるところから始まって、人の心を学んでいくという流れが構築されていました。途中で過去が語られてギルベルトとの関係や自動手記人形としてホッジンズに預けられるようになった経緯なんかも描かれましたが基本的に時系列がならんで描かれたように思えるのがアニメの方の作り方でした。
それと比べると面食らう感じ。
短編ではあるものの、時系列順に並んでそうではありますが、最初の話の時点ですでにヴァイオレットが自動手記人形として名声を得た後の話から始まります。
上巻の最初の話は小説家と自動手記人形というサブタイトルがついてるのですが、アニメでもあった劇作家のオスカーの仕事の手伝いをする話です。それから、亡くなった母から何十年も手紙が届くようになる話、天文学者の文献写本の話、死の間際の兵士から家族と恋人への手紙を代筆する話と続いていきます。
これらの話、アニメだと後半戦に入ってからのエピソードなんですよ。割と。
話の中でヴァイオレットが恋文の代筆には定評がありますと自慢するシーンがあるんですけれど、これはシャルロッテ・ドロッセル王女の話がベースになってるんですよね。その話がまだないのにいきなりヴァイオレットが恋文の代筆に定評があるとか言い出すので面食らう感じでした。

上巻にはそのほか、境遇がヴァイオレットと似ている戦争犯罪者の話とギルベルトとの出会いと別れのシーンを描いた部分が収録されていました。
戦争犯罪者の話は要は戦勝国であるライデンシャフトリヒの人間であるヴァイオレットと敗戦国である国の人間で戦犯として刑務所に収監された人物との対比になっていました。これは読んでいて心が締め付けられるような印象を抱きました。また、ギルベルトとの話は基本の流れはアニメで語られてた通りなんですけれど、ディートフリートがヴァイオレットを拾ったところから描かれており、ヴァイオレットのより凄惨な過去というか生まれに言及しています。さらにギルベルトに引き渡された後の描写も戦争描写が結構長く続き、軍の内部でヴァイオレットがどういう扱いを受けたのかとか、人とどう接してきたのかとか描かれれてるんですけれど、感情がわからないヴァイオレットの容赦のなさが際立って描かれています。ちょっと引く。
ギルベルトとの別れのシーンもアニメでは爆撃を受けてヴァイオレット負傷、ギルベルト生死不明という形だったと記憶しているんですが、原作ではもっと生々しい戦闘の上、ギルベルトの負傷もそうなんだけれど、ヴァイオレットの腕がちぎれる描写とかいろいろね凄惨な描写が続きます。
だいぶマイルドだよアニメ版。
上巻は負傷したギルベルトを救い出そうとして奮闘しているけれど、自分も両腕ちぎれちゃって気絶したというところで終了しています。

一貫して主人公はヴァイオレットなんですが、各短編の主人公はその話の人物となります。視点はそっちがもってるのね。
感情面とかは各話のゲストキャラの分が書かれるので、ヴァイオレットの描写はあくまで人が見てどう思ったかという風に描写されるフォーマットが貫かれてました。
ヴァイオレットがどう思ったかというのはセリフとしてしか描かれてない。
旨いなぁと思いました。
ヴァイオレットの神秘性みたいなところがうまくそれで表現されていたと思います。
アニメ版と同じ話を読んでる部分が多いのですけれど、かなり受ける印象は違う感じがしました。
原作の方がヴァイオレットが遠い人物に思えますね。その場にいる人物というよりは手が届かない人物に思える。感情とかはあるんだけれど、アニメでみるより希薄に感じるんです。でも、そのヴァイオレットが他人に与える影響の大きさと、他人とかかわることで得ていくものの大きさがアニメ版より大きく感じられました。

さて、続けて下巻と読み進める予定ですけれど。
上巻がアニメの後半部分に寄ってたので、上巻はアニメの前半部分に寄って描かれるのかな?
期待して読みたいと思います。
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ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 エイミー・バートレットと春の木漏れ日

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 エイミー・バートレットと春の木漏れ日
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -[Blu-ray]

暁佳奈:著
京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン制作委員会
ポニーキャニオン
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映画、ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝-永遠と自動手記人形-のBlu-ray/DVDに付属してくる小冊子による短編です。
Blu-rayを購入したので喜び勇んで一気に読み終わりました。
短い短編ですのであっという間に読了です。

実は、ヴァイオレット・エヴァーガーデン本編は未読なんですよね。
さらにこの短編、劇場で公開されてた時に配られていた、短編である「イザベラ・ヨークと花の雨」に関係しているような説明がBlu-rayの帯に書いてありました。
単体で楽しめるかしらとか、劇場の来場特典もらえなかった口なんだけど大丈夫かしらとちょっと心配したんですけれど、映画の方を見ていれば問題なく楽しめる内容になっていました。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン本編は今後読みます。京アニ事件のときに少しでも京アニにプラスになればと購入して積んであるので。

さて。
このエイミー・バートレットと春の木漏れ日は時系列的にはヴァイオレットと別れた後、女学院を卒業して結婚したエイミーがヴァイオレットとの文通を断ってしまった後、ベネディクトがテイラーからの手紙を届けるまでの話となっています。それプラス、数年後の後日談。
ヨーク家の娘として政略結婚を強いられてしまったエイミーですが、ヨーク家との関係が欲しかっただけの旦那様とはうまくいってなかったようで、鬱屈した日々を過ごしているという感じの日記風の小説となっています。
そうした鬱屈した日々をヴァイオレットに伝える気がしないということから、文通がストップしてしまい、さらにそういった日々とテイラーといた時期やヴァイオレットと過ごした3ヶ月の記憶とを比較して、境遇に不幸さを感じているという風なところ。
エイミーって女学院でも鬱屈した生活をしてたようですが、境遇が境遇なせいもあって周りが定期的に持ち上げてあげないとどんどん沈んでっちゃうみたいですね。
そのどん底に近い状態から、テイラーの手紙が届いて世界に一人じゃないし、愛する者たちが自分のことを思ってくれているという事を再確認する話になっています。
映画では描かれなかった部分ですが、割と不幸というか独りぼっちの結婚生活を送っていたようで、家族とか生活とかにはあんまり恵まれてないよねエイミー。

展開としては映画を補完して鬱屈した表情をしていた理由がわかるのと、テイラーの手紙で持ち直して前向きになっていったことがさらに明確になった感じの短編でした。
そして、数年後、大きくなったテイラーと再会するところまで描かれています。
テイラーやヴァイオレット、そして幸せを運んでくれるベネディクトとの交流で持ち直したようですけれど、女学院で良い感じに友達になりかけてた彼女とかどうなった!とか思いました。
あの子ではエイミーの心の闇は埋められなかったようですね。
やはりテイラーやヴァイオレットは特別だったようです。

神にたいして恨み言を言っていたエイミー。
その神の仕打ちに対してやる行為が、善行であるのはすごくいい人なんだなぁと感じました。テイラーを拾って妹にしたときもそうなのです、困っている人を放っておけないんでしょうね。
良い人だなエイミー。
だからこそ、最後には幸せがやってきた。
そう思える作品でした。
短いけれど、ぎゅっと感動が凝縮されていました。

 

PSYCHO-PASS Sinners of the System 下

PSYCHO-PASS Sinners of the System 下

吉上亮、茗荷屋甚六:著
マッグガーデンノベルズ


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PSYCHO-PASS SSのノベライズ。下巻です。
Case.3 恩讐の彼方に_が収録されています。
あとがきによれば意図的に恩讐の彼方に_を1冊にしたらしいんですけれど、1冊にまとめていたら分厚すぎだし、上巻のCase.1とCase.2を分冊して3分冊で出してたら前2冊がちょっと薄いかなぁって思いました。
このサイズ(B6判)の小説ってある程度の厚みがあるのが普通ですよね。
Case.1とCase.2は単体だとその厚みに達しないような…。となるとこの上下分冊はなんとなくですけれど最初からありきだったような気がします。
上巻同様、イラストに関する言及はなし、表紙と中表紙以外にイラストなし。
純粋に物語を楽しめスタンスのノベライズとなっています。

SSで最も長い尺を持っていたCase.3ですので、ノベライズも一番長くてこれ単体で1冊として成り立つ厚みがある作品となっています。
そして秀逸なノベライズだと思いました。
アニメ本編では内戦状態にあるとしかわからなかったチベット・ヒマラヤ同盟王国の内情がどんなものであるのかとかわかりますし、ガルシアがどういう目的でああいうことをしていたのかとかもわかるようになっています。
その辺はストーリーを追っていくのに非常に助かる部分でした。
背景的なところをセリフと画面の絵からしか取れなかったアニメ版の方と比べて、設定面の説明補足がすごくスムーズで、わかりやすく入ってきましたね。
チベット・ヒマラヤ同盟王国がどういう国なのかも明確にわかりましたし、その裏にあった日本棄民の問題なんかもしっかりと浮彫になった感じでした。
アニメだと棄民の話、ちらっと出るんですけれど、そんなに重いものに取れませんでしたし、日本人の性質みたいなところまで踏み込んで構築された作品だったってのがよくわかりました。
アニメ版の補足としてすごくありがたいノベライズだったよ。
かといって、これを読まないとアニメ版がひどい出来なのかというとそういうわけじゃないんですけれど…。これを読むとよりアニメのCase.3が楽しく見れるという感じですかね。

そして秀逸なのは狡噛さんとテンジンの比較。
復讐をなしていき場をなくした狡噛さんと、復讐をなそうとしてできないテンジンの比較。内面の比較。思いの比較。
テンジンの背負っているものと狡噛さんが背負ってきたものの違いとかそういうのがもう余すところなく開示されてた感じです。
テンジンはやっぱり純粋ですし子供らしいところがあって復讐の愚かさとかそういうところを理解していない。それでも、物事の優劣を決めることがちゃんとできるし、撃てなかったことを後悔はするものの、それでいいんだという大人の言を受け入れることができる素直さってのがちゃんとあって好感がもてる子でしたね。素直ないい子です。
そして狡噛さんの内心。
結果的に逃げてきたという負い目、槙島との内面でのやり取り、そして決別。
逃げないで罪と向き合うという選択肢を選ぶというのはアニメでは描写はありますけれど受け取りにくい部分でした。そこの描写が文章で書かれることでより分かりやすくなっていて、あぁあのシーン以降、狡噛さんは槙島とは決別できたんだと安心しました。
それまでの狡噛さんはやはり槙島に縛られている面があって不安なところがありましたからね。
PSYCHO-PASS3に出てる狡噛さんは槙島を吹っ切ったあとの狡噛さんなんだ。あの強い狡噛さんなんだとちょっと今後の展開に期待を持っちゃいました。
PSYCHO-PASS3は狡噛さん端役だけどね…。

人物描写の妙と、チベット方面の文化と物語上の現状、それらを詰め込んできちっとひとつの物語としてスムーズに読むことができる作品でした。
秀逸なノベライズ。
これ単体でも作品として読めますし。素晴らしい作品だっと思います。
それはCase.1もCase.2も同様で、ノベライズだからといって避けないでよかったです。
これを読んだことでPSYCHO-PASS3の映画がより楽しみになりましたね。
狡噛さんの活躍を期待したい感が沸き上がってきました。

 

PSYCHO-PASS Sinners of the System 上

PSYCHO-PASS Sinners of the System 上

吉上亮、茗荷屋甚六:著
マッグガーデンノベルズ


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PSYCHO-PASS SSのノベライズ。
上巻でCase.1 罪と罰とCase.2 First Guardianの分が収録されています。
イラストは表紙と各Caseの頭にキービジュアルが使われていますが、イラストに関する言及は本の中にはありませんでした。また、キービジュアル以外の新規イラストもありません。まぁ、PSYCHO-PASSの小説関係はだいたいこのパターンが多いですかね。
普通はキービジュアルとか使ってたらそれを描いた人の名前とか載ってるんですけどね…。この本ではありませんでした。

アニメの方を見てから読んでますので、ストーリーは知っている状態で読みました。
どれくらい深くキャラクターたちの心理描写とかが描かれているかが、こういったノベライズ作品を読むときの楽しみになるかと思っています。
最近はノベライズはあまり読まないようにしてましたが、PSYCHO-PASSは小説化されたものは読んでいるのでその流れに従ってこれも読むことにしました。ノベライズを読まないようにしている理由は元のアニメなり小説なりをただ文章に起こした作品が多いからなんですけれど、PSYCHO-PASSに関してはそういうことが少なくて、きちっとそれ単体で読めてアニメでは描けない心理描写などに踏み込んだ作品となってることが多いので、安心して読み始めました。(初期にはPSYCHO-PASSでもあまりで気の良くないノベライズもあったけどね。)

基本的に一人称視点ではなくいわゆる天の視点で書かれています。
場面によって出ているキャラクターが違うので一人称視点では書きづらいというのはあるのでしょうし、これまでのPSYCHO-PASS関連の小説に共通する書き方ですね。
ただ、その時に焦点の当たっているキャラクターというのは決まっていて、その人物の内面などの描写が入るという感じになっていました。
これはCase.1、Case.2に共通する特徴ですね。
基本的にその場面で一番目立っているキャラクターが視点を持って何か考えているという感じではあるのですが、基本的な視点の保持者はCase.1だと霜月と宜野座さん、Case.2だと須郷さんと征陸さん。Case.1がほとんどこのふたりに絞られているのに対して、Case.2では少々他の人物の視点が入ってきていました。主に宜野座さん。
なんか、Case.1では六郷塚さんの視点もあるにはあるんですけれどあまり目立たない。それに対して、Case.2の宜野座さんの視点は目立つ印象がありました。

アニメでもわかることではあるんですけれど、Case.1で霜月と宜野座さんの関係性がSS以前とSSでの状態では変わってきていることや、霜月が朱をどう思っているのかとかがアニメより補完されている感じでした。
思ったより霜月が朱の事を信頼していてほっこりしました。その上で霜月は霜月のやり方ってのがあって、それとは違う朱のやり方への不満とかいろいろあるなというのが内心として描写されてて面白かったです。
Case.2では軍人としての須郷さんの在り方があって、それに従って彼は動いているんだけれども、刑事としての征陸さんを見てその在り方に感化されていく過程があって、最終的にCase.2で花城さんのスカウトをけるきっかけになったのは、征陸さんの生き方を見てたからというところを感じられてよかったと思います。
アニメだとそこまでは読めないですからね。今は刑事でその生き方に誇りを持っているという感じに答えてたと思うんですけれど、その核になっている思いや迷いがあることが示唆されていていい感じでした。
この迷いの部分が、きっと狡噛さんが帰ってきた後に外務省の引き抜きに応じるきっかけになるんだと思います。

しかし、アニメを一本一本見てたときはなかったんですけれど…。
こうCase.1とCase.2を1冊の本として読んでみると、Case.2を読んだ後だとCase.1の話かすれますね…。
話の重さというか重要性というかそういうところでCase.1とCase.2では重みが違う感じがします。シビュラの思惑とかそういうのが結果的に背後にあることにはなるんですけれど、その重みが違うというか…。
Case.1がTVシリーズの重みだとしたら、Case.2は劇場版の重みというかそういう感じを受けました。
シビュラシステムという存在の描写はCase.1の方が多いんですけれど、あくまで普段からシビュラシステムがやってる実験の一環でよくない場所を暴いたというのがCase.1であって、Case.2はシュビラシステムの名前こそあまり出てこないですけれど、これからシュビラがどう日本を動かしていくのか暗躍している印象があって、裏で動かれている感じと手が届かない感があるからか、Case.2の方が重く感じられました。
Case.1だとシュビラに対して要求とかできてますからね。

アニメを見た時と大きくは印象は変わりませんでしたけれど。
各キャラクターの内面を見れたことでより深く話が理解できたと感じました。
ノベライズはこういう読後感があってほしいなって思いますね。

 

創約 とある魔術の禁書目録

創約 とある魔術の禁書目録

鎌池和馬:著
はいむらきよたか:イラスト
電撃文庫


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2度目の再ナンバリングでの再スタートです。
イギリスでの黄金やコロンゾンとの戦いを経て学園都市に帰ってきての騒動を描いています。これ単体で話が一応完結する内容になっていますし、また、これ以降に話が続くようにもなっています。
ただ、もちろん、これまでの禁書目録は読んでる必要はありますよ。
禁書目録の1話完結式の話が戻ってきたという感じです。

話としてはクリスマスにうかれる学園都市で、最終信号を狙った事件が発生してそれに上条、美琴、御坂妹(10032号)、インデックスでことに当たっていくという感じになっていて、相手するのは最初のところは学園都市の暗部組織だったり、結果的に最後の敵になるのは統括理事だったりで、初期のころの無印の禁書目録の中頃の巻を彷彿とさせる内容だったりします。
まぁ、あのころの上条は魔術サイドのトラブルで忙しくて、学園都市の暗部の問題を解決するのは一方通行だったんですけれど。
ちょうど、一方通行が主人公だった話を上条が主人公でやったという感じになってる印象を持ちました。
もともと上条って新約になるまではあんまり学園都市内の人と敵対はしないんですよね。
3巻くらいまでで一方通行と片が付いてしまうのでそれ以降は、学園都市=科学サイドの問題を解決するのは一方通行の役目という感じだったと思います。
それが今回からある事情によって科学サイドの問題も上条が主人公としてやっていきますよというのを見せられた感じがしました。
ただね?
この話。誰が主人公なの?って考えた時にちょっと疑問が湧かなくもないんですよね。

活躍しているのは間違いなく上条です。
彼が幻想殺しをつかって能力者の攻撃をかわしながら、時に頭をつかって回避しながら戦っていく姿を描いています。
でもね?
そのようになるように状況をコントロールしたのが一方通行なんですよ。
統括理事長になった一方通行。それで彼は考えた。彼のような存在が生まれてしまった学園都市の暗部を排除するということを。例外はなくという形で。つまり彼自身も排除するという状態で暗部を消していくという覚悟をした一方通行が、檻の中から状況をコントロールできるかという話になっているんです。
10000人以上のクローンを殺した罪やその他の罪を全部自白して、罪を償う道を選んだ一方通行が学園都市を運営できるのかというテストを兼ねていたという話なんです。
これ。
そう考えると本当の主人公が一方通行に見えてきませんか?
最後にドア越しに会話する一方通行と最終信号のシーンが切なかったです。

今までの枠組みと似ているようで、今までの無印のころの禁書目録のイメージを持たせながら、今までとは約束事が違うというこの巻のストーリー。
科学サイド、魔術サイドという枠組み、区分けが取っ払われてしまうという状況。
今回は上条がその力と意思をもってして片を付けましたが、これからどうなっていくんでしょうね。
しっかりとアンナ=シュプレンゲルを暗躍している感じ、新約の続きであるという印象もしっかりあって面白かったですね。
襲ってきた相手でも犠牲者だったらその心は救うという上条が戻ってきたという感じもよかったです。
このところ、ぶん殴る相手が基本悪者で葛藤を抱いてるってなかったんで…。
あたしいナンバリングがこれから振られていくことになるんですけれど。
また20数巻までやるのかしら?ものすごい数になってしまうのでちょっと怖いんですけれど。
すでに40冊超えてるのよ?このシリーズ…。

それと上条の補習はどうなっちゃうんですかね?(笑)

 

魔術士オーフェンはぐれ旅 コミクロンズ・プラン

魔術士オーフェンはぐれ旅 コミクロンズ・プラン

秋田禎信:著
草河遊也:イラスト
TOブックス


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オーフェンの新刊です。
出るとは思っていませんでしたけれど、再アニメ化に合わせて秋田さんにも何かやれとご達しがあったらしく、じゃあ新刊書くかという事になったらしいです。
僕は普通に本屋さんで購入したんですけれど、TOブックスの直販サイトで購入すると特典としてSSが付いてくるそうです。そういう特典つけるなら事前にもっと広告打ってほしい。気づかなかったから普通に本屋さんで購入しちゃいました。
買い直すってのもなんだし、SSはそのうちオーフェンが続いていればどこかで単行本に収録されるだろうから我慢することにしました。残念。

コミクロンが主役を務める、本編第1巻の直前の話の長編と、かつて書かれたらしいSSが1編収録されています。
なんで、コミクロンが主役の作品を書いたかというのは長々とあとがきに説明があるんですけれど、まずはこれの前に刊行されたアンソロジーでコミクロン率が高かったこと。あと、本編を書いていた時期にさんざんぱらコミクロンをなぜ殺したんですか?と言われ続けたことなどが理由のようです。
それプラス、オーフェンという作品が続けられている間にいろいろな矛盾が生まれていて、それを解消するための作品を書こうという事になったことがこの作品が生まれた経緯という形のようです。
今回解消されるのは、本編第1巻で、コミクロンが死ぬまでオーフェンがコミクロンに気づかないという矛盾の解消。第1巻ではオーフェンはハーティアに言われるまで対アザリー戦(実際はチャイルドマン戦)で死亡したのがコミクロンだと気付いていなかったという描写があります。名前は知っていたけれど顔は知らなかったというような描写になっていて、それは後に書かれたプレ編と矛盾するという事で、コミクロンの容姿がプレ編の頃より4年たってかなり変わっているというのを表現するために書かれた作品という事になります。
こういった矛盾を数多く抱えてしまっている作品であるオーフェンで、矛盾を解消していこうというのが今回の企画のようで、全3冊を予定しているそうです。これはその1作目という事になりますね。

コミクロンがどう変わったかというと。
美女になった。(笑)
もともと髪を伸ばしている描写がありおさげにしていた彼ですが、女性に間違えられるからという理由でおさげを止めたようです。
それが、顔が美形に成長したのもあいまって、長髪美形の女性と見まごう容姿に成長。元のコミクロンしか知らない人にはコミクロンだと分からないという事になったという理由づけがされています。
オーフェン=キリランシェロも純朴な美少年から目つきの悪いごろつきに成長という事でキリランシェロ時代しから知らない人は本人だと分からないってのが今までさんざん言われてますが、この巻で相対するオーフェンとコミクロンはお互いに気づかないまま別れていくという展開になってますが…。さすがにお互いに戦ったんだから気づくだろと言いたいなーって思いました。
コミクロン側からはオーフェンの呪文は聞き取れてなかったようで、特徴的というかコルゴンの真似をしているオーフェンの呪文に気づくことはありませんでした。オーフェンがコミクロンの呪文を聞き取っていたかは分からないですけれど、あの特徴的な呪文を聞いてたらコミクロンだって気づきそうですから、聞き取れてないんでしょうね。
最後までオーフェンはコミクロンの事を女性と思っていたような描写がありました。
どんだけ美形やねん。コミクロン。

話の展開はコルゴンに最接近領にスカウトされたコミクロンが最接近領に出向いて試験を受けるという話なのですが、天才天才と自分では言いながらも人の話をいまいち聞いていないコミクロンが山賊のアジトに連れていかれてそこが最接近領だと思い込んで行動するというお話し。
さすがコミクロン、やることが相変わらず抜けていて面白いです。
ドタバタの末に山賊の一党が2つ壊滅し、山賊に身をやつしていた少女を救うというストーリーはなかなかにコミクロンらしいかなと思いました。
基本、悪意はないんですよね。コミクロン。やってることはハチャメチャなんですけれど。
それで、コルゴンと再会して最接近領に行くかとなったところで、過去の清算の為に一度、《塔》に戻る決心をするコミクロンという事で、この話は終了になります。
コルゴンとコミクロンは結果的にこれが今生の別れになるわけですが、コミクロンが死んだことでコルゴンは《塔》を出て行ったとされてきたのにちょっと疑問が出てくる内容でしたね。
何時頃からコルゴンが最接近領の一員として行動してたかが明確になったので、コミクロンに対してどれくらい入れ込んでいたかが分からなくなった感じがあります。
それまでは変人どうし気が合う相棒同士だったんだろうという事でなっとくしてたんですけれどね。コルゴン側から見るとコミクロンは消去法で残ったメンバーって感じに描かれてました。それはそれでちょっと寂しいですね。
やっぱりコルゴンとコミクロンは相棒同士であってほしいなって感じました。
コルゴンのけじめってアザリーの事なんだけれど、それはティッシを泣かせたアザリーに対してけじめをつけるという事で、よく言われていたコミクロンはティッシのことが好きだったという話の裏付けになっています。
この決意の結果はあっけないものになってしまう訳ですが、彼の覚悟とかちょっとカッコイイなっておもいました。
だってさ、アザリーと決着をつけてもティッシはきっとコミクロンの方は見ないんですよ。それを分かったうえで決着をつけるって言っている。自分との決着なんですよね。
そういう男の意地みたいなのはやっぱりかっこいいです。

SSはコミカライズの時に書かれたものらしく、メタ発言が混じる番外編。
設定の矛盾があるのは仕方ないんだよっていう話になってました。
設定がころころ変わっていったからねっていうのをチャイルドマン教室の面々に語らせたという話。
コルゴンの設定の変化が面白すぎです。

さて。
作者当人は隙間編と名付けたかったらしい、今回の作品群。
あと2作あるらしいですけれど、次が待ち遠しいですね。
どの辺の合間に入る話になっていくんでうかねぇ。期待したいですね。

 

魔術士オーフェン アンソロジー

魔術士オーフェン アンソロジー

秋田禎信:原作
香月美夜、神坂一、河野裕、橘公司、平坂読:著
草河遊也:イラスト
TOブックス


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タイトルの通り魔術士オーフェンのアンソロジーです。
アンソロジーって僕はほとんど読まないんだけれど、こういう雰囲気なの?というのが読後の感想としてありました。
本編を書いた作者さんがその作品の短編集やスピンオフを書いた場合、本編の主人公やそれに近い人物はあまり出てこなくて、わき役だった人にフィーチャーしたり、世界観を強固に表現する作品が多いと思うのだけれども、このアンソロジーはもろに主人公オーフェン(キリランシェロ)や、その近い人物であるチャイルドマン教室の面々を主役においての話が描かれていました。
プレ編や無謀編を読んでるのとあまり変わらない印象で読めました。
5人の作家さんがそれぞれ短編を書いたということになりますが、平坂さんが書いたのが無謀編にあたり、他はプレ編といっていいでしょう。
なんか出版社から指定ってあったのかな?
第2部と第4部の間の話(第3部は書かれていない)とかあってもよかったんじゃない?
基本的にオーフェン本編の1巻が始まる前までの話に終始している感じでした。

一応25周年ということで書かれた新作だという話ですが、橘さんの作品は今回が初出ではなく過去にドラゴンマガジンに掲載されたものの再録だということをAmazonのレビューで見ました。
僕はすでにドラゴンマガジンはその時には読まなくなっていたので、気にせず読みましたし単行本としては初収録になるんだからいいんじゃない?って思いましたが、ドラゴンマガジンを読んでた人は1作分損した気分になるのかしらね?
でも、雑誌収録された作品はいつかは単行本にまとめてほしいし、ありなんじゃないかなって思いました。
というか、僕はこれが全部書下ろしじゃなくても読んでなったので十分楽しめました。

著名な作品を出している作家さんが並んでいますね。香月さんだけはあまりメジャーではないようですが、まぁ、作家さんですし。ただ、僕が今回名を連ねてる作家さんでご本人の作品を読んだことがあるのは神坂さんだけでした。
それぞれがそれぞれの文体とか癖とかあると思うんですけれど、読んでいてあまり書き手の違いってのが気になりませんでした。
読む前は書き手の違いによって印象が違って見えて、オーフェンという作品として読めるかなぁって思ってたんですけれど、予想に反して、オーフェンらしい展開と文章でびっくりしました。
あとがき読むとわかるんですけれど、みんな秋田さんの真似して書いてる風なのがわかります。影響でかいですね。秋田さん。
それだけ異質な作家さんだったんだなぁって思いましたけれど、それは解説の水野良さんが語ってる通りかなと。

しかし、みんなコミクロン好きだねぇ…。
5作中3作にコミクロンが登場します。1編はコミクロン主役。
本編では出番なしで死亡して、プレ編でしか描かれないコミクロン。しかも、本編ではコミクロンに言及するシーンはほんとどなく、本当にプレ編だけで活躍する人物なんですけれど、ここまで掘り下げて書かれるってのは愛されてるなぁって思いました。
しかも、話としてコミクロンが出てるの、面白いんですよ。
シリアスでも行けるし、コミカルでも行けるいい味のある人物だったんだなぁって思いました。
あと登場するのが多いのはアザリーとハーティアですね。ハーティア、アザリーは2作に出てきます。
誰が書いてもアザリーはアザリーなんだなぁとか感心してしまった。
ハーティアはなんですかね。プレ編の時代と1巻直前の時代ではかなり性格とかかわってしまっているので陰りっていうんですかね。そういうのがあるなしを楽しめました。

平坂さんの書かれた作品は無謀編の主要登場人物が勢ぞろいするような作品でげらげら笑いながら読んでました。
本当に無謀編を読んでるような感じに思えましたね。
秋田さんが書いたんじゃねーの?とか思ってしまうくらい無謀編してました。
キースがキースらしいのがとてもよかった。

こういう、企画ものってのはなかなかタイミングが合わないと出版されないものだと思いますけれど、秋田さん、そしてオーフェン。作家の皆さんに愛されてるんだなぁって思いました。
今回は主要人物にフィーチャーしたものでしたけれど、もうちょっとわき役にフィーチャーした作品も読んでみたいなって思いましたね。
コンスタンスやラシィとかそのあたりの人物が主役っぽいのとかね。

で。
この作品でコミクロンが大活躍だったので、秋田さん本人がコミクロンを主役にした作品を書いたっぽいですよ。
コミクロンズ・プランという作品がすでに発表になってます。
購入済みなので近いうちにそちらも読みたいですね。

 

Fate/strange Fake⑥

Fate/strange Fake⑥

成田良悟:著
森井しずき:イラスト
電撃文庫


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6巻目です。
この作品は登場人物が多すぎちゃって困ります。
Fate/stay nightで主要な登場人物がマスターとサーバント合わせて14人。それプラス幾人かのプラスアルファがある程度でしたが、これはマスターとサーバントの組みが13組ありますからね。それに付随する人物が結構いっぱい。
把握がとても難しいです。
あんまり出てこない人物とか誰だっけ?ってなる感じですよ。
この巻は割と出番が多い人物に絞って描かれていたのでマシでしたが、それでも平気で15人は突破していると思います。

もともと群像劇って感想が書きにくいんですよね。
ひとりに絞っていないので、誰かひとりの心情に寄り添った感想っていうのは書きにくいです。
Fate/stay nightは基本的に士郎という主人公がいて彼の心情に寄り添えばよかったです。Fate/Zeroでは切嗣に。ロード・エルメロイⅡ世の事件簿ではロード・エルメロイⅡ世に寄り添っていれば間違いがありません。
この作品では単純にわかりやすい主人公格の人物が最低でも3人います。アヤカ、フラット、シグマの3人。
この巻では出番が少なかったですが、ティーネなんかも主人公になりうるかもしれません。
誰に寄り添って心情を追っていけばいいか分からなくなるんですよね。群像劇って。
それでも主人公が1人だって明確に分かればその人物を中心に物事を見ていけるようになるのですけれど、この物語はそれが定まっていません。
多角的に見れるといえば見れるんで、それはそれで良い面ではあると思いますけれど、僕のように感想を書くとなるとちょっと困るかなぁといった感じですね。

さて。
今回の話はペイルライダーの疑似世界に閉じ込められた人たちがそれぞれ脱出するためにあれこれやるお話しとなっています。
主に描かれるのは、上に主人公として挙げたアヤカ、フラット、シグマの3人が疑似世界の中でどういう行動をとっていたかという感じの物語の展開になっています。
まずアヤカは事態に対処しているだけという状態です。
アヤカとセイバー(リチャード)はメインストリートで警官隊と一緒に、割り込んできたギルガメッシュやアルケイデス、ヒッポリュテなんかと戦っていたという経緯があってその場所からまだ動いていませんでした。
そこで一時共闘するとか話を進めていたら事態が急変し、ケルベロスやペイルライダーが生み出した影の様な存在と戦うことに。
その間に狂言回しであるプレラーティ達に絡まれて、Fate/Zeroでのアルトリアの行動や聖杯問答を見せられるという展開。リチャードの心を折ろうとしてきたら、逆にリチャードが燃えたという話になっています。リチャードの様子やアルトリアのことを見て正式に契約をアヤカとリチャードが結ぶという感じの展開でした。
シグマはアサシンと組んで疑似世界の謎を解いて元の世界へ帰還する為に椿に接触しようとします。
そこで謎の人物から椿を守るという約束をすると共に弩弓を託されるのですが、いろいろやってるうちにペイルライダーが両親に洗脳されている椿の願いを受諾してしまい、世界の形を変えるという事態に遭遇します。結果的にペイルライダーが本気で聖杯を取りに来るという事態になってしまい、周りにも影響がでます。
つまり、疑似世界の中にいるサーバントはペイルライダーの標的になるという形ですね。
フラットは持前の魔術の解析能力をつかって外との繋がりがつけやすい場所をみつけて、外と連絡を試みるという役回り。
ここでロード・エルメロイⅡ世と話をしたりして、外へ出る方法を探っている間にジェスターの割り込みがあり、このジェスターを退けることでジェスターの本体がいた繰丘家のジェスターが死にかけるとかしてました。
そんなこんなで3方から事件を見ているのにプラスして、こまごまと他の人物たちの視点が入ってきてました。
結果的にはペイルライダーの行動が、椿を魔法使いにするという目的を持ったことにより、疑似世界は崩れて元の世界に戻ることができたという流れになってました。

いくつかの事件が最後、怒涛の様に押し寄せてきたけれど、一番はフラットどうなっちゃうの!というところでしょうかね。
そして、椿がどうなってしまうのか、この後も目が離せないという感じ。
最終的にはリチャードあたりが救いそうですけれど、ただの騎士だからなぁセイバー。
他のウォッチャーやバーサーカーの方がなんかできそうです。

それにしても、この話はFate/stay nightにつながる「本編」ではないのですけれど、今のところ、Zero、stay night、ロード・エルメロイⅡ世の事件簿は確実に有った体で書かれています。
むしろ、それらを知ってないと分からない固有名詞とかばんばん出てきてましたし、Zeroに至ってはこの巻でダイジェストが描かれちゃってます。ほぼほぼセイバーから見た第四次聖杯戦争を書き切っちゃってますよ。
つながる「本編」に属さないとはいえ、属してしまってもいいのだろう?という感じで書かれてるという感じがひしひとします。
問題はアヤカがProtoTypeの登場人物に絡むはずで、「本編」とはつながらないはずなんですけれど、この辺はどう処理していくんですかね。
アヤカ自身にもまだ謎が多いですし、目が離せないかんじです。

しかし。
話の展開はスローですね。
結果的に状況が変わっただけであまり話は進んでない印象です。
今回、明確に死亡したマスターもサーバントもいませんでしたし。
フラットとジェスターはどうなるか分からない状態ですけれど。
フラットそんな隠し玉がある人物だったのか!という感じです。ロード・エルメロイⅡ世の事件簿では能力は突出してましたけれど、普通の魔術師として通してましたからね。
さてさてどうなっちゃうのかしら。
早く続きが読みたいです。年2回を目指すという話ですから次は夏ごろですかね。
うーん。
もっと早く続きが読みたいなぁ。

 

マッド・バレット・アンダーグラウンドⅢ

マッド・バレット・アンダーグラウンドⅢ

野宮有:著
マシマサキ:イラスト
電撃文庫


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3巻です。
帯と口絵でひどいネタバレがあってですね。
読む前からえー…?ってなった感じでした。ラルフとリザが決別するって展開があるよっていうのがこの巻のメインのストーリーなんですけれど、それが帯に書かれてるわ、口絵にはその決定的なシーンが描かれてるわちょっとひどくないですか?これ。
って思いながら読み始めました。
まぁ、妥当なストーリー展開でした。細かいところは別として、帯と口絵でネタバレした決別シーンを転として、普通に予想できる結末が待っていたという感じで、ストーリー的な盛り上がりはかなり帯と口絵が台無しにしてくれた感じです。
まぁ、こういう決別がってのはバディものにはありがちな展開ですよね。
ちょっとリザの立ち位置(普通の銀使いである)とラルフの立ち位置(普通の銀使いではなく悪魔からの精神汚染を受けていない)というのがあるので、決別した後どうなるのかしら?とは思ったけれど、順当な感じに話は進みましたね。
リザはそこまで汚染されてないよって話で終わりな感じで、一安心といったところ。
ラルフとリザの関係に焦点を当ててると一安心なんですけれど、起こってる事件ではやばい局面を迎えて、それにあえて立ち向かっていく二人というところで幕が下りてます。
今回もTo be continued.な終わり方です。

今回、リザが銀の弾丸からの悪魔の干渉によって暴走しているというか、今まで銀使いが闘争に明け暮れるようになるという表現が盛んにされてきましたが、それがリザの身に顕著に出てくるというのが今回の肝になります。
ただね。
この影響の出方がひどくてですね。読んでいていちいちリザがラルフに突っかかるんですよ。言葉だけならまだしも、ラルフが危機に陥る可能性を考慮しないで闘争を招き入れたりするし、なんか他の今まで出てきた銀使いに比べてもひどい状態になっていました。
他の銀使いでも最終的には闘争を優先するかもしれないけれど、そこに至るまでにはファミリーなど自分の所属している組織や上役になる人物の指示に従っている感じがしていました。リザにとってはそれはラルフであって彼との関係って、対等ではなくて若干だけれどもラルフのが上位なんですよね。それは年長者であることも含め、武器の提供者であることや、依頼などの処理をラルフがやっていてリザはそれに従って動くという形態をとっているからです。
それがうまく行ってたのに、そして悪魔に操られるという嫌な未来図とは別の未来図をラルフとシエナによって提示されていたのに、ある人物との出会いをきっかけに反旗を翻すというか、ラルフやシエナと決別するような言動をとるようになっていきます。
それがあまりに過剰だったので、リザに対する嫌悪感ってのが読んでて途中ありました。ちょっと、それはあまりにもって思ったのね。
もちろん、リザの過去とか今回描写されて、それにまつわる過去の因縁ってやつがあるということは描かれるんですけれど、それにしてもというのが今回抱いた印象でした。

結果的にはリザは悪魔の誘惑を振り切って、敵対者からは弱さだといわれるけれど、「まとも」な道へ立ち返ってくれますが、そこまではちょっとリザに対して嫌な感情ってのが先行しちゃう展開でしたね。
また、先にも書いたネタバレによって、きっかけになる敵対者が出てくる以前でも、いつものようにリザがちょっと突っかかるシーンがいつものように思えないっていう感じがありました。
前の巻までは普通に悪態ついてるだけに思えてた何気ないセリフとかが、決別に向けて発せられてるように感じられちゃうっていう印象になるという感じでした。これは口絵が悪いよ…。

ストーリー展開はフィルミナードとハイルのシエナの取り合いの中から、どうやってシエナを救う手立てを考えるかという話になっています。
ラルフとしては現状のフェルミナードにいれば一応はまだましということで、フェルミナードの意向とも合致する魔女の関係者を追う為にハイルを捕えようとするが失敗続き、逆にハイルの配下の銀使いであるラーズがリザを闘争の道へ誘惑しリザが暴走するという話になってます。
イレッダ全体がハイルの手の内で動いていく中、フェルミナードは崩壊してしまい、シエナが安全でいられる場所がなくなってしまいます。逆を返せばフェルミナードからシエナを取り戻すチャンスと見たラルフはシエナと合流して連れて逃げるけれど…。
という展開でしたね。
結果的にはずーっとラルフ達は負けっぱなし、リザは闇に沈んでいくし…。読んでてつらい話ではありました。
ここから逆転ってなってほしいですわほんと。
じゃないとハッピーエンドじゃないですからねぇ。こういう話でもハッピーエンドになるのがいいじゃないですか。というか課程がかなり厳しい話なので、ラストはハッピーエンドであってほしい。
そう思いながら次を待ちたいと思います。

もしかしたら次か、その次当たりで完結かな?

 

へヴィーオブジェクト 純白のカウントダウン

へヴィーオブジェクト 純白のカウントダウン

鎌池和也:著
凪良:イラスト
電撃文庫


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17巻目です。
今回の巻は珍しくカレンダーの日付が分かる巻になってます。
これを起点に時系列に並べていくことってできるんじゃないかなぁ。というかへヴィーオブジェクトはどっから読んでも良いとなっていますけれど、その実、順番に読んでいくのが一番いい感じです。
特にミョンリの存在がはじめは何もできない子だったのに、今や何でもできる子になってるというのがあってですね。
一応、たぶん、今もヘヴィーオブジェクトは1巻を読んだら後はどこから読んでも大丈夫ですよっていうのはあるんだと思うんですけれど、ミョンリとか説明無しに出てきますしねぇ…。
今回のゲストキャラであるエリーゼも説明無しに出てくるといえば出てくるんですけれどね。

今回のネタは健康法に盾突いてますよ。(笑)
それもあれです。似非健康法に当たるあれです。水素水とかはやったりするじゃないですか。ああいう感じのもののヘヴィーオブジェクト版という感じです。
イモータノイドという放射性物質がラジウム温泉的も体に良い理論で金の200倍の価値がつくということから情報同盟やら資本企業やらと取り合いするという話が展開されて行きます。
天然イモータノイドが話の鍵になっていますが、これが実は存在しないというオチもあったりして、なかなか皮肉な話だなぁと思いました。
イモータノイドは93番目以降の人口元素なので、人口的に作るしかない、なのに天然モノがあるとか鉱床があるとかいう話に振り回されて戦うという形になっています。
取り合いの為に犠牲になった子供たちとかの話もあって全体的にこれを取り合う人たちを冷めた目で見るとともに、振り回される人達の悲しい現実ってのも見えてちょっと辛い話ではありました。

で。
それが今回の話の種かと思ってたら。
正統王国での貴族、王族と平民の在り方の違い。存在のアイデンティティの違いというところに話が持って行かれてびっくりしました。
結果的に裏で手を引いてたのが、正統王国の王族、貴族だったという話になって、その理由ってのも悲しい理由でした。
不安、恐怖ってのは貴族様、王族様になってもあるもので、本来だったら人々を導く存在であってほしい人達だったのに、それが逆転してしまう可能性、王族、貴族のアイデンティティを失ってしまうかもしれない可能性に恐怖を感じてという話になってました。
こういう恐怖ってのは正統王国ならではなのかなと思いますけれど、実際問題、いろいろな血が現在の王族、貴族についても平民とだいぶ混血が進んでいっていると思うので、この話の時代の王族、貴族がそんなにとんがった血統を誇ってるとは思えないんですけれど、そこはそれという事ですかね。
王族、貴族故に平民と交わらないから逆に特定の病気やなんかで絶滅する可能性というのが今回のネタになってました。
確かに、平民は混血が進んでいる分、平均化がされているので病気とかには強いですけれどね…。
でもこれ人間の進化の話ですよね。ABO型の血液型も確か、病気によって絶滅する危機に陥ったときに出てきた突然変異から分かれて行ったっていうはなしでしたよね。
ヘイヴィアがあそこまで取り乱すとは思わなかったけれど、貴族であるってことは彼にとってはアイデンティティなんですね。
改めてその辺はキャラクターを見直すきっかけになりました。
ヘイヴィア、普段あんまり貴族っぽくないですからねぇ。
今回、ヘイヴィアがなんだかんだで話の切っ掛けというか物語の肝になってるのが特徴的でした。
1章では子供たちの為の騎士様として、3章では貴族の代表としてヘイヴィアに視点が当たった感じでした。普段、クウェンサーが話を引っ張っていく形になってることが多いのでちょっと新鮮でした。
まぁ、事件を解決したり、オブジェクトを撃破する方法を考えつくのはクウェンサーなんですけれどね。

で。
最初に書いたカレンダーが特定されてるという話。
この巻の話はクリスマスから年明けまでにかけての話になっています。
年末10月に出た本ですが、今読んだのが、丁度良かった感じでした。
作中では血みどろのクリスマスだしニューイヤーなのが悲しいですね。
なんでも戦争の種になってしまうのが悲しいかなと思いました。

 

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日記は思考が結構、鬱っぽいので鬱日記になること多し。
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チベタン・スパニエルという珍しい犬種の愛犬記事もありまする。

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